アキュラがLMP2クラス初のマニュファクチャラーズタイトルを獲得
LMP1クラスではパトロン・ハイクロフト・レーシングが6位フィニッシュ
- 2009年9月26日(土)
決勝
- 開催地:ジョージア州ブラセルトン
会場:ロードアトランタ
コース全長:4.0km
アメリカン・ルマン・シリーズ(ALMS)第9戦プチ・ルマンが9月26日(土)にロードアトランタで開催され、#9 パトロン・ハイクロフト・アキュラを駆るデイビッド・ブラバム/スコット・シャープ/ダリオ・フランキッティ組(パトロン・ハイクロフト・レーシング)は、練習走行でクラッシュに見舞われながらも、総合6位フィニッシュを飾った。これにより、LMP1クラスのタイトル争いにおいて、ド・フェラン・モータースポーツとのポイントリードを21に広げた。
シャープを襲った練習走行でのクラッシュは、マシンに壊滅的な打撃を与え、チームのLMP1クラスタイトル獲得に影を落とした。しかし、金曜日の朝、南カリフォルニアからマシンが届けられ、20人のチームスタッフによる20時間に及んだ懸命の作業によって、レース本番に向け新しいマシンが準備された。
予選走行を行えないまま、ブラバムがスタートを切ったパトロン・ハイクロフト・レーシングは、雨中でのレースとなり、アウディとプジョーと争いながら、ド・フェラン・モータースポーツに対するLMP1クラスのポイントリードを守ることは容易ではなかった。だが、#66 ド・フェランXMサテライト・ラジオ・アキュラを駆るジル・ド・フェラン(ド・フェラン・モータースポーツ)は、49周目にクリント・フィールド(インタースポーツ・レーシング)の後方からの接触を受け、13分でマシンを修復したものの、その遅れが影響し、ポイント獲得の機会を逃す結果となった。
#15 ロウズ・アキュラを駆るエイドリアン・フェルナンデス/ルイス・ディアス組(ロウズ・フェルナンデス・レーシング)は、今シーズン8度目のLMP2クラス優勝を目指したが、#20ダイソン・ローラ・マツダを駆るマリノ・フランキッティ/ブッチ・ライジンガー/ベン・デブリン組(ダイソン・レーシング)に次ぐLMP2クラス2位でのフィニッシュとなった。しかしながら、この表彰台獲得により、ロウズ・フェルナンデス・レーシングは前戦で獲得を決めたLMP2クラスのチャンピオンシップとともに、アキュラの同クラスにおいて初となるエンジンとシャシー両部門でのマニュファクチャラーズタイトル獲得も果たした。フェルナンデス/ディアス組は、次戦、2007年にティモ・ベルンハルト/ロマン・デュマ組(ペンスキー・レーシング)が達成したLMP2クラスにおけるシーズン最多勝記録の8勝に挑む。
今シーズン最終戦は、10月10日(土)にラグナセカ・レースウェイで開催される。
決勝リザルト
順位 |
No. |
クラス |
ドライバー |
マシン |
周回数 |
|
|
|
|
|
|
1 |
08 |
LMP1 |
S.サラジン/F.モンタニー |
プジョー |
184 |
2 |
07 |
LMP1 |
N.ミナシアン/P.ラミー |
プジョー |
184 |
3 |
2 |
LMP1 |
D.カペッロ/A.マクニッシュ |
アウディ |
184 |
4 |
1 |
LMP1 |
L.ルーハー/M.ワーナー |
アウディ |
183 |
5 |
7 |
LMP1 |
O.パニ/N.ラピエール/R.デュマ |
Oreca |
181 |
6 |
9 |
LMP1 |
デイビッド・ブラバム/スコット・シャープ/ダリオ・フランキッティ |
Acura |
180 |
|
|
|
|
|
|
21 |
15 |
LMP2 |
エイドリアン・フェルナンデス/ルイス・ディアス |
Acura |
139 |
24 |
66 |
LMP1 |
ジル・ド・フェラン/サイモン・ペジノ/スコット・ディクソン |
Acura |
136 |
ポイントスタンディング
ドライバー | LMP1クラス
順位 |
ドライバー |
マシン |
総合ポイント |
|
|
|
|
1 |
デイビッド・ブラバム |
Acura |
158 |
|
スコット・シャープ |
Acura |
158 |
2 |
ジル・ド・フェラン |
Acura |
137 |
|
サイモン・ペジノ |
Acura |
137 |
3 |
J.フィールド |
ローラ |
103 |
|
C.フィールド |
ローラ |
103 |
4 |
S.サラジン |
プジョー |
56 |
|
F.モンタニー |
プジョー |
56 |
5 |
D.カペッロ |
アウディ |
53 |
|
A.マクニッシュ |
アウディ |
53 |
6 |
P.ラミー |
プジョー |
46 |
|
N.ミナシアン |
プジョー |
46 |
|
9 |
ダリオ・フランキッティ |
Acura |
34 |
16 |
スコット・ディクソン |
Acura |
12 |
シャシー | LMP1クラス
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
|
|
|
1 |
Acura |
174 |
2 |
ローラ |
105 |
3 |
プジョー |
56 |
4 |
アウディ |
53 |
5 |
ジネッタ・ザイテック |
43 |
6 |
オレカ |
18 |
エンジン | LMP1クラス
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
|
|
|
1 |
Acura |
174 |
2 |
AER |
105 |
3 |
プジョー |
56 |
4 |
アウディ |
53 |
5 |
ザイテック |
43 |
6 |
エイム |
18 |
ドライバー | LMP2クラス
順位 |
ドライバー |
マシン |
総合ポイント |
|
|
|
|
1 |
エイドリアン・フェルナンデス |
Acura |
192 |
|
ルイス・ディアス |
Acura |
192 |
2 |
B.ライジンガー |
ローラ |
137 |
|
M.フラッキッティ |
ローラ |
137 |
3 |
C.ダイソン |
ローラ |
55 |
|
G.スミス |
ローラ |
55 |
4 |
K.グラフ |
ポルシェ |
52 |
5 |
B.デブリン |
ローラ |
30 |
6 |
G.ピケット |
ポルシェ |
29 |
シャシー | LMP2クラス
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
|
|
|
1 |
Acura |
192 |
2 |
ローラ |
143 |
3 |
ポルシェ |
52 |
4 |
ラディカル |
13 |
エンジン | LMP2クラス
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
|
|
|
1 |
Acura |
192 |
2 |
マツダ |
143 |
3 |
ポルシェ |
52 |
4 |
AER |
13 |
コメント
デイビッド・ブラバム〔LMP1クラス6位(総合6位)、パトロン・ハイクロフト・レーシング〕
「ウオームアップで多くの変更を試すことができなかったのは明らかで、マシンに慣れるのにしばらく時間がかかった。だが、トラクションコントロールを操作すると、すぐにマシンが好調に転じた。スリックタイヤを装着すると、マシンの調子はさらによくなった。」
スコット・シャープ〔LMP1クラス6位(総合6位)、パトロン・ハイクロフト・レーシング〕
「自分のスティントに満足しているが、とても慎重な走りになっていたと思う。我々はリスクを冒したくなかった。スタッフの懸命な作業によって、再びハンドルを握れたことにとても感謝している。これほど迅速に新たなマシンを仕立ててくれたことに驚いている。レースを通じてマシンは完ぺきで、これはスタッフのおかげにほかならない。」
ダリオ・フランキッティ〔LMP1クラス6位(総合6位)、パトロン・ハイクロフト・レーシング〕
「路面のコンディションはこれまで経験した中で最悪の状態だった。セーフティカーの後ろでクラッシュしそうになったほどだった。チームスタッフはマシンを準備するために昼夜働き続け、疲れ果てたと思う。彼らの仕事はすばらしかった」
エイドリアン・フェルナンデス〔LMP2クラス2位(総合21位)、ロウズ・フェルナンデス・レーシング〕
「ファンのことを考えると、残念なレースになってしまった。ステアリングのトラブルによって力を発揮しきれなかったことは不運だった。ハンドルを握った瞬間、何かがおかしいことに気がつき、ステアリングユニットの交換を強いられた。しかし、チャンピオンシップとマニュファクチャラーズタイトルの獲得を決められたことはうれしい」
ルイス・ディアス〔LMP2クラス2位(総合21位)、ロウズ・フェルナンデス・レーシング〕
「木曜日以来、電気系のトラブルに直面してきた。マシンのセッティングはよかったが、レースまでトラブルの原因を突きとめることができなかった。プチ・ルマンで勝てなかったことは残念だったが、チャンピオンシップとマニュファクチャラーズタイトルの両方を獲得でき、うれしく思う」
ジル・ド・フェラン〔LMP1クラス9位(総合24位)、ド・フェラン・モータースポーツ〕
「チームにとってとても残念なレースだった。レース序盤は2位につけ、マシンの調子もとてもよかっただけに、周回遅れのマシンに接触を受けたことは不運としか言いようがない。我々はチャンピオンシップ獲得とともに、表彰台争いからも離脱せざるを得なかった。その接触により、マシンに別のトラブルも発生した。こうしたレースになり、とても落胆している」
サイモン・ペジノ〔LMP1クラス9位(総合24位)、ド・フェラン・モータースポーツ〕
「難しいレースだった。雨のレースとなったが、アウディとプジョーと競る走りができると思っていた。ジルがトップ争いをしていただけに、レース序盤で接触を受けたことが悔やまれる。その接触によって戦線離脱を余儀なくされ、ファンに対しても申し訳なく思う。チームとファンにとって、雨の最悪のコンディションだった。ラグナセカでは勝利したい」
スコット・ディクソン〔LMP1クラス9位(総合24位)、ド・フェラン・モータースポーツ〕
「チームに対して申し訳ない。雨の中、初歩的なミスをしてしまった。雨のコンディションできちんと走ることができておらず、プッシュしすぎて、縁石に乗り上げてしまった。速いマシンだったが、不運だった。だが、ジルのチームと組むことができ、アキュラのマシンをドライブでき、とても楽しかった」