パトロン・ハイクロフト・レーシングが2戦連続の総合優勝
アキュラがLMP1クラス初のマニュファクチャラーズタイトルを獲得

2009年8月30日(日)
決勝
開催地:カナダ・オンタリオ州ボーマンビル
会場:モスポート・インターナショナル・レースウェイ
コース全長:3.9km

アメリカン・ルマン・シリーズ(ALMS)第8戦Mobil 1グランプリが8月30日(日)にカナダ・トロントの北東に位置する高速コースのモスポート・インターナショナル・レースウェイで開催され、#9 パトロン・ハイクロフト・アキュラを駆るデイビッド・ブラバム/スコット・シャープ組(パトロン・ハイクロフト・レーシング)が、2週間前のロードアメリカ戦に次ぐ、2戦連続での総合優勝を飾り、今シーズン2戦を残して、LMP1クラスのポイントリードを17に広げた。この勝利により、アキュラ初となるLMP1クラスのエンジンとシャシー両部門でのマニュファクチャラーズタイトル獲得が決定した。

一方、#66 ド・フェランXMサテライト・ラジオ・アキュラを駆るジル・ド・フェラン/サイモン・ペジノ組(ド・フェラン・モータースポーツ)は、2時間45分、131周に及んだレースの序盤、ド・フェランがリードを奪ったもののギアボックスの故障が発生。早い段階から合計7回のピットストップを余儀なくされたものの、総合2位でフィニッシュし、ペジノは、ファステストラップを記録した。

#15 ロウズ・アキュラを駆るエイドリアン・フェルナンデス/ルイス・ディアス組(ロウズ・フェルナンデス・レーシング)は、フェルナンデスが終盤、ピットバイオレーションによる15秒のペナルティをわずか12周でばん回し、ブッチ・ライジンガー/マリノ・フランキッティ組(ダイソン・レーシング)を抑え総合3位でフィニッシュした。同時に、今シーズン7度目のLMP2クラス優勝を果たし、LMP2クラスのドライバーズタイトル獲得を決めた。また、アキュラは今シーズン5度目となる1-2-3フィニッシュを達成した。

今シーズンも残り2戦となり、パトロン・ハイクロフト・レーシングとド・フェラン・モータースポーツによるLMP1クラスのチャンピオンシップ争いがヒートアップしている。ALMS第9戦プチ・ルマンは、9月26日(土)にロードアトランタで開催される。

コメント

デイビッド・ブラバム〔LMP1クラス優勝(総合優勝)、パトロン・ハイクロフト・レーシング〕

「2戦連続で総合優勝し、2年連続でモスポートで勝利することができた。ロードアメリカほど困難なレースではなかったが、勝つためには常にポジション争いに集中しなければならない。今日のレースではそれができた。今シーズンは不運が続いていたが、今日はド・フェランチームのギアボックスに不具合が生じ、我々に運が味方してくれた。今日の勝利によって、アキュラのLMP1クラスのマニュファクチャラーズタイトル獲得を決定できたことをとてもうれしく思う」

スコット・シャープ〔LMP1クラス優勝(総合優勝)、パトロン・ハイクロフト・レーシング〕

「モスポートでのレースがとても好きだ。ALMSでは2年連続で勝利することができた。タイヤ温度が上がるにつれ、調子も上がったが、レース序盤は雨と低い温度に苦戦を強いられた。今シーズン2戦を残し、ポイント差をさらに広げられたことは我々にとってとても大きい」

ジル・ド・フェラン〔LMP1クラス2位(総合2位)、ド・フェラン・モータースポーツ〕

「とても残念なレースだった。マシンの調子はとてもよく、スタートでスコットを抜き、滑りやすいコンディションの中、差を広げることができた。しかし、不運にもギアボックスに不具合が生じたことで、ピットストップを重ね、継続的にオイルを足さなければならなかった。スタッフとサイモンはすばらしい仕事をしてくれた。毎レースでポイントを獲得することが重要であり、今シーズン残り2戦も全力を尽くす」

サイモン・ペジノ〔LMP1クラス2位(総合2位)、ド・フェラン・モータースポーツ〕

「チームは速いマシンを準備してくれ、予選と同様に、素早いコーナリングができた。そして、ファステストラップを記録し、スピードを証明できた。モスポートはいくつもハイスピードコーナーを備えたとてもスリリングなサーキットで、こうした難しいコースに対応したタイヤを提供してもらって感謝している。ギアボックスの不具合で残念な結果となったが、2位フィニッシュには満足している」

エイドリアン・フェルナンデス〔LMP2クラス優勝(総合3位)、ロウズ・フェルナンデス・レーシング〕

「レース終盤、とにかく懸命な走りを続けた。ピットでスピード違反を犯し、15秒のペナルティを科せられたが、マシンのハンドリングはよく、ダイソン・レーシングとの差を1秒以内に詰めてプレッシャーをかけた。終盤、ダイソン・レーシングのマシンにトラブルが発生し、最終的に今シーズン7度目の勝利を果たすことができた。我々にとって夢のようなシーズンになっている」

ルイス・ディアス〔LMP2クラス優勝(総合3位)、ロウズ・フェルナンデス・レーシング〕

「マツダのマシンと並走していたレース序盤、小雨が降り、マシンをやや追い込みすぎていた。最終的に燃費効率が上がったことが勝因になった。チームの作戦が功を奏している今シーズンだが、今日のレースでも作戦が完ぺきに実行できた。ドライバーズタイトルを獲得でき、とてもうれしい。目標としてきたように、エイドリアンと彼のチームでタイトルを獲得できたことを誇りに思う」

決勝リザルト

順位 No. クラス ドライバー マシン 周回数
1 9 LMP1 デイビッド・ブラバム/スコット・シャープ Acura 131
2 66 LMP1 ジル・ド・フェラン/サイモン・ペジノ Acura 130
3 15 LMP2 エイドリアン・フェルナンデス/ルイス・ディアス Acura 127
4 37 LMP1 J.フィールド/C.フィールド ローラ 125
5 20 LMP2 B.ライジンガー/M.フラッキッティ ローラ 118
6 3 GT2 J.マグヌッセン/J.オコネル シボレー 117

ポイントスタンディング

ドライバー | LMP1クラス

順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1 デイビッド・ブラバム Acura 142
  スコット・シャープ Acura 142
2 ジル・ド・フェラン Acura 125
  サイモン・ペジノ Acura 125
3 J.フィールド ローラ 89
  C.フィールド ローラ 89
4 J.モーレム ジネッタ・ザイテック 43
  S.ヨハンソン ジネッタ・ザイテック 43
5 C.デュコート ローラ 42
6 D.カペッロ アウディ 30
  A.マクニッシュ アウディ 30
  T.クリステンセン アウディ 30
10 ダリオ・フランキッティ Acura 18

シャシー | LMP1クラス

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1 Acura 158
2 ローラ 91
3 ジネッタ・ザイテック 43
4 アウディ 30
5 プジョー 26

エンジン | LMP1クラス

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1 Acura 158
2 AER 91
3 ザイテック 43
4 アウディ 30
5 プジョー 26

ドライバー | LMP2クラス

順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1 エイドリアン・フェルナンデス Acura 166
  ルイス・ディアス Acura 166
2 B.ライジンガー ローラ 107
  M.フラッキッティ ローラ 107
3 C.ダイソン ローラ 55
  G.スミス ローラ 55
4 G.ピケット ポルシェ 29
  K.グラフ ポルシェ 29
5 G.ファン・デル・スチュール ラディカル 13
  A.ペコラリ ラディカル 13

シャシー | LMP2クラス

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1 Acura 166
2 ローラ 113
3 ポルシェ 29
4 ラディカル 13

エンジン | LMP2クラス

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1 Acura 166
2 マツダ 113
3 ポルシェ 29
4 AER 13