ド・フェラン・モータースポーツが4戦連続の総合優勝
アキュラ勢が今季3度目の1-2-3フィニッシュ達成
- 2009年8月8日(土)
決勝
- 開催地:オハイオ州レキシントン
会場:ミッドオハイオ・スポーツカー・コース(3.6km)
アメリカン・ルマン・シリーズ(ALMS)第6戦アキュラ・スポーツカー・チャレンジが8日(土)にミッドオハイオ・スポーツカー・コースで開催され、#66 ド・フェランXMサテライト・ラジオ・アキュラを駆るジル・ド・フェラン/サイモン・ペジノ組(ド・フェラン・モータースポーツ)が2位の#9 パトロン・ハイクロフト・アキュラを駆るデイビッド・ブラバム/スコット・シャープ組(パトロン・ハイクロフト・レーシング)に8.3秒差をつけ、4戦連続となる総合優勝を飾った。また、ド・フェラン・モータースポーツはレース中の燃料効率の高さが評価される“ミシュラン・グリーンX・チャレンジ”でも優勝している。
レースは、高度なドライビングテクニックが試される一周2.25マイルのロードコースで開催され、決勝は2時間45分におよんだ。その序盤、ペジノはシャープに対して6秒の差をつけていたが、シャープが周回遅れのマシンと接触した際にその差は広がった。また、そのアクシデントにより、パトロン・ハイクロフト・レーシングの車体はダメージを受け、シャープはブラバムに交代するまでセーブした走りをせざるを得なかった。一方、ド・フェラン・モータースポーツはド・フェランが52周目でハンドルを握って以降、リードを守り通した。
#15 ロウズ・アキュラを駆るエイドリアン・フェルナンデス/ルイス・ディアス組(ロウズ・フェルナンデス・レーシング)は、見事なピットストップ作戦を展開。今シーズン5度目のLMP2クラス優勝を果たし、総合3位に入った。これにより、アキュラ勢は1-2-3フィニッシュとなり、これはシリーズ参戦以来4度目の快挙となった。
ド・フェランは、金曜日の予選でポールポジションを獲得した直後、チームのマネージメントに注力するために今シーズンを最後にドライバーを引退することを発表した。また、ド・フェランは、昨シーズンのミッドオハイオ戦のピットで重度の火傷を負い、今シーズン復帰するまで数回にわたる皮膚の移植を乗り越えたチームスタッフであるキース・ジョーンズに対し、チームの無線を通じて、「この勝利は君へのプレゼントだ」と叫んだ。ド・フェランは、コックピットから飛び降り、号泣しながらビクトリーレーンでジョーンズと抱き合い、レースを締めくくった。
ALMS第7戦は8月16日(日)にウィスコンシン州のロードアメリカで開催される。
決勝リザルト
ポイントスタンディング
ドライバー | LMP1クラス
順位 |
ドライバー |
マシン |
総合ポイント |
|
|
|
|
1 |
デイビッド・ブラバム |
Acura |
102 |
|
スコット・シャープ |
Acura |
102 |
2 |
ジル・ド・フェラン |
Acura |
93 |
|
サイモン・ペジノ |
Acura |
93 |
3 |
J.フィールド |
ローラ |
63 |
|
C.フィールド |
ローラ |
63 |
4 |
C.デュコート |
ローラ |
42 |
5 |
J.モーレム |
ジネッタ・ザイテック |
33 |
|
S.ヨハンソン |
ジネッタ・ザイテック |
33 |
6 |
D.カペッロ |
アウディ |
30 |
|
A.マクニッシュ |
アウディ |
30 |
|
T.クリステンセン |
アウディ |
30 |
|
10 |
ダリオ・フランキッティ |
Acura |
18 |
シャシー | LMP1クラス
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
|
|
|
1 |
Acura |
118 |
2 |
ローラ |
65 |
3 |
ジネッタ・ザイテック |
33 |
4 |
アウディ |
30 |
5 |
プジョー |
26 |
エンジン | LMP1クラス
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
|
|
|
1 |
Acura |
118 |
2 |
AER |
65 |
3 |
ザイテック |
33 |
4 |
アウディ |
30 |
5 |
プジョー |
26 |
ドライバー | LMP2クラス
順位 |
ドライバー |
マシン |
総合ポイント |
|
|
|
|
1 |
エイドリアン・フェルナンデス |
Acura |
126 |
|
ルイス・ディアス |
Acura |
126 |
2 |
B.ライジンガー |
ローラ |
75 |
|
M.フラッキッティ |
ローラ |
75 |
3 |
C.ダイソン |
ローラ |
45 |
|
G.スミス |
ローラ |
45 |
4 |
G.ピケット |
ポルシェ |
16 |
|
K.グラフ |
ポルシェ |
16 |
5 |
G.ファン・デル・スチュール |
ラディカル |
13 |
|
A.ペコラリ |
ラディカル |
13 |
シャシー | LMP2クラス
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
|
|
|
1 |
Acura |
126 |
2 |
ローラ |
81 |
3 |
ポルシェ |
16 |
4 |
ラディカル |
13 |
エンジン | LMP2クラス
順位 |
マニュファクチャラー |
総合ポイント |
|
|
|
1 |
Acura |
126 |
2 |
マツダ |
81 |
3 |
ポルシェ |
16 |
4 |
AER |
13 |
コメント
ジル・ド・フェラン〔LMP1クラス優勝(総合優勝)、ド・フェラン・モータースポーツ〕
「ミッドオハイオで走ることが幸せで、とにかく勝ちたかった。ドライバーとしてのミッドオハイオでの最後のレースとなり、勝利を目前にした最後の数周はとても感動的だった。そしてまた、昨年のピットでの火災以降、ジョーンズのことを考えると平常心を保つことが難しく、マシンから降りた直後の行動がそうした気持ちのすべてを物語っていたと思う。私の師匠であるジャッキー・スチュワート氏から常にマシンの中では理性を保つべきだと教えられてきたが、今日のレース終盤はまさに感情のコントロールが必要だった。引退スピーチ、ポールポジションの獲得、そして優勝と、感動的な週末となった。レース序盤のサイモンのすばらしい走りとともに、チーム全体が最高の仕事をしてくれたことに感謝したい」
サイモン・ペジノ〔LMP1クラス優勝(総合優勝)、ド・フェラン・モータースポーツ〕
「チーム全員がこのレースの勝利を強く望んでいた。昨年のピットでの事故のことを思うと、ジョーンズのために勝利を持ち帰りたいという気持ちが強かったが、今週末はすべてが計画通りで、最高のレースができた。マシンの状態はとてもすばらしく、4戦連続での勝利をとてもうれしく思う。最高のチームに恵まれ、さらなる勝利に向けての準備は万端だ」
デイビッド・ブラバム〔LMP1クラス2位(総合2位)、パトロン・ハイクロフト・レーシング〕
「終始ベストを尽くしたが、不運にもレース序盤でスコットが他車の接触を受けて以降、マシンのハンドリングが思うようにはいかなかった。しかし、我々は他を圧倒するマシンに仕上げるべく全力を尽くし、ハンドリングに関して大きな手応えが得られた。今日はとにかく不運だったが、来週末のロードアメリカ戦にはさらに力強いマシンで臨むつもりだ」
スコット・シャープ〔LMP1クラス2位(総合2位)、パトロン・ハイクロフト・レーシング〕
「レース序盤の展開はよかった。多少の混戦につかまったものの、レースをリードするポジションにつけていた。しかし、コーナーで他車が私に気づかず、右にハンドルを切り、我々のマシンの左側面に衝突し、車体は激しくダメージを負った。それ以降、ド・フェランのマシンと競ることができなかった。来週のロードアメリカ戦は勝ちたい」
エイドリアン・フェルナンデス〔LMP2クラス優勝(総合3位)、ロウズ・フェルナンデス・レーシング〕
「すばらしいピット作戦で、チームは全力を尽くしてくれた。リードを奪回するためにピットインすべきタイミングをチームは完全に把握し、その作戦が功を奏した。今シーズン5度目のクラス優勝にとても興奮している。簡単なことではないが、ロードアメリカ戦で連勝したい」
ルイス・ディアス〔LMP2クラス優勝(総合3位)、ロウズ・フェルナンデス・レーシング〕
「チームにとって喜ばしい勝利だ。エイドリアンがリードを奪回できるタイミングを見計らって行った最後のピットストップはすばらしかった。周回遅れのマシンとの混戦が多く、コーナリングの難しいコースだが、今シーズン6戦を戦って5度目の勝利というすばらしい結果を残すことができた。今日はすばらしいパフォーマンスを披露できたと感じている」