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中嶋悟&中嶋大祐が語る CIVICに見るFF(フロントエンジン・フロントドライブ)の進化。Hondaが目指し続ける「究極のFFスポーツ」

中嶋悟&中嶋大祐が語る CIVICに見るFF(フロントエンジン・フロントドライブ)の進化。Hondaが目指し続ける「究極のFFスポーツ」

CIVIC TYPE R。
ニュルブルクリンク・北コースにおけるFF量産車最速を達成という結果で証明して見せたそのパフォーマンスは、
「CIVIC」の、そして前輪を駆動して走る「FF」という駆動方式のひとつの到達点である。

CIVICはいかなる進化を遂げて、ここにたどり着いたのか。
日本人初のフルタイムF1ドライバーとして知られ、現在はNAKAJIMA RACINGの監督を務める中嶋悟氏と、
注目の若手ドライバー 中嶋大祐選手の親子による対談から、それを解き明かして行く。

※ 開発車のテスト走行による。 Honda調べ(2015年10月)

中嶋監督とCIVICの深い縁

2015年、SUPER GT最終戦 もてぎラウンド。その予選を翌日に控えた金曜日、中嶋大祐選手とともに現れた中嶋悟監督はCIVIC TYPE Rの前に到着するなり、興味津々といった様子で、矢継ぎ早にクルマのことを尋ね始めた。日本人初のフルタイムF1ドライバーとしてあまりにも有名な同氏だが、「CIVIC」との関係とは、いかなるものなのだろうか。

中嶋悟監督(以下、監督):「最初のCIVICにも乗っていましたからね。思い入れもひとしおです。HondaのCIVICがデビューした当時は前輪駆動のクルマの黎明期でした。確かにサイズから想像できないほどの広さは見事の一言だったけれど、一方で乗り味としては発展途上で、当時は『FF車はモノになるまでまだ時間がかかるだろうな』とは思っていましたね。日産の『チェリー』をはじめ、何台かのFF車はあったけれど、トヨタはまだ、という時代でした」

中嶋大祐選手(以下、大祐):「FFが少数派?まったく知らない時代の話だ(笑)」

監督:「僕が20代の頃の話だから、大祐をはじめ、いまの若い人は生まれてさえいない時代ですね。ここツインリンクもてぎなんて影も形も無かった(笑)」

そんなFF車の走りも進化してきて、80年代初頭にはCIVICによるワンメイクレースも行われるようになった。中嶋悟氏もここにレーシングスクールの講師として参加。毎戦最後尾からスタートし、生徒たちを抜いて帰ってくる、という役どころでCIVICの『スポーツ性』を体験してきた。

監督:「僕が見て来たのは、先進的だけれど荒削りで発展途上だったクルマが進化してワンメイクレースまで行われるようになり、レースでめざましい活躍をするようになって……というFFの進化の歴史だと思うんですよね。
だから、『TYPE R』じゃない『普通のCIVIC』が日本では売られていない現状はちょっと寂しいな」

FFの課題、そしてそれを上回る強み

そんな中嶋悟氏の体験してきた「FFの進化」が、当時のレース界においてちょっとしたセンセーションを巻き起こしたのは1985年のことだ。
10月13日、鈴鹿サーキット。「グループA」と呼ばれた規定のマシンによって全51周で争われた「鈴鹿300km自動車レース」で、中嶋悟氏が中子修氏とのペアで走らせる「CIVIC Si」が2位を1分近くも引き離して総合優勝を遂げたのである。それも、日産・スカイラインやBMW・6シリーズといった、パワーに勝るハイパフォーマンスカーたちを退けての勝利であった。
FF車には課題もあった。しかし、進化を続けることで「強み」も獲得した。
それはいったいなんなのだろうか?改めて両氏に聞いてみよう。

大祐:「FR車では操舵と駆動を前後輪で分担しているのに対して、FF車は操舵と駆動の両方を前輪が担います。構造上、FFはステアリングを切りながらアクセルを踏んでクルマの姿勢をコントロールすることが、FR(フロントエンジン・リアドライブ)よりも難しいんですね」

監督:「僕がグループA規定のCIVICを走らせていたときは、エンジニアといっしょになって、セッティングもいろいろと試行錯誤したよね。クルマを速く走らせるためには四輪にしっかり仕事をさせることが必要なわけだけれども、駆動もしなければ操舵もしないということで、どうしても『ないがしろ』にされがちなのがFF車のリアタイヤ。 どうすればリアタイヤも使って車両の動きを作り出せるのか……ということを、相当しぶとくやった覚えがありますよ」

大祐:「一方で、難しいコンディションで強みが出てくるのがFF車です。後ろからクルマを押すのではなく、前から引っ張るわけですから、基本的にスピンしにくい。バイクは違うと思いますけど、クルマを走らせる場合、人間は『後ろが滑る』よりも『前が滑る』方が安心してクルマをコントロール下に置けるんですよね」

監督:「CIVICで総合優勝を果たしたあのレースでは、雨が降ったり止んだりという、クルマのコントロールが難しくなる悪天候の中で、FFならではの強さが活きた例だね」

大祐:「明日試乗をさせてもらえるということでしたが、このCIVIC TYPE RはFF車の『課題』を払拭して、『強み』を活かせるようなクルマづくりがされていると期待しています」

 

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