ヨツボシケシキスイ

学 名
Librodor japonicus
分 類
コウチュウ目ケシキスイ科
Librodor属
似たような種類
本種より一回り小さなコヨツボシケシキスイがいる。
見つかる場所は?
黒色で光沢があり、左右の上翅(じょうし:上の硬いはね)に赤色の斑紋が 2つずつあるケシキスイの仲間。クヌギ、コナラなどの樹液に多く集まり、都市郊外の雑木林でもよく見られる普通種。メスは樹液の出ている近くの樹皮のすき間などに産卵する。幼虫は樹液のほか、ほかの昆虫の幼虫も食べる。
分布
北海道、本州、四国、九州。
大きさ
体長7~14mm。
見られる時期
5~8月に樹液の出るクヌギやコナラにいる。
生活史
樹液に依存した生活史を持つ。交尾したメスは樹皮の隙間に産卵し、数日で孵化する。孵化した幼虫は樹液や他の昆虫の幼虫を食べて育つ。約2週間で3齢(終齢)幼虫になり、樹皮化や樹皮の裂け目に沿って蛹(サナギ)になる。年1回発生し、成虫で越冬する。
エサ
樹液に依存する昆虫。飼育下ではバナナのみをエサとして累代飼育が可能。
特徴
和名のとおり、黒い体に赤い4つの紋がある。オスはメスに比べ大きく、左右非対称の大アゴを持つ。
その他
クワガタムシのようにメスをめぐってオス同士で闘うことが知られている。大型オスは大きなアゴ(=武器)を持ち、戦いに強くほとんど飛翔しない。だが中型オスはメスを求めて積極的に飛翔する。小型オスは飛翔も闘いも避け、ほかのオスの目を盗んでメスと交尾する戦術を取っている。

監修者

大庭 伸也(おおば しんや)

大庭 伸也(おおば しんや)

2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞

監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)