シュレーゲルアオガエル

学 名
Rhacophorus schlegelii
分 類
無尾目アオガエル科
アオガエル属
似たような種類
モリアオガエル、アマガエルなど。
見つかる場所は?
水田や森林などに生息し、繁殖期には水田や池沼に集まる。昼間鳴き声を聞いても姿を見掛けないのは、物陰や土中に身を潜めているからである。
分布
日本の固有種で、本州、四国、九州とその周囲の島に分布する。
大きさ
体長はオス30~40mm、メス40~55mm。
見られる時期
4~6月。
生活史
繁殖期はおもに4~6月で、あぜなどの水辺の岸辺に泡で包まれた3~10cmの卵塊を産卵する。泡の中には200~300個の卵が含まれるが、土中に産卵することも多く、あまり目立たない。孵化したオタマジャクシは雨で泡が溶けるとともに水中へ流れ落ち、水中生活を始める。7月ごろには、小さなカエルの形になる。指先には発達した吸盤を持つので、繁殖期以外は樹上生活が中心と考えられている。
エサ
昆虫類、節足動物などを食べる。
特徴
名前はオランダのライデン王立自然史博物館館長だったヘルマン・シュレーゲルに由来する。「シュレーケルアオガエル」とも呼ばれる。腹側は白く背中側は緑色をしているが、保護色で褐色を帯びることもある。虹彩(目のまわり)は黄色い。「コロロ、コロロ……」と鳴く。
その他
水田のあぜだけで産卵するわけではないが、あぜは産卵には適した場所である。そのため近年の水田の圃場(ほじょう)整備などで土のあぜがなくなることは、個体数に影響するだろう。東京では絶滅危惧II類、千葉と兵庫では準絶滅危惧種に指定されている。

監修者

大庭 伸也(おおば しんや)

大庭 伸也(おおば しんや)

2007年岡山大学大学院自然科学研究科博士課程修了、博士(学術)現在の所属は、長崎大学教育学部准教授。水辺環境に棲む水生昆虫類を対象に、生態学的な視点から食性、繁殖行動、生物種間の相互作用について研究しています。平成22年度日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞

監修:大庭伸也
写真提供:稲谷吉則、岡田賢祐、加賀田秀樹、川野敬介、後藤直人、
世古智一、中西康介、橋本洸哉、政所名積、渡部 宏(50音順)