トラブルの回避には予防がいちばん大事!
こいしゆうかが考える
「女性がソロキャンプ」を楽しむための注意点

昨今、ソロキャンプは広く認知され、男性だけでなく、女性にも人気のキャンプスタイルのひとつとなりました。しかし最近、ニュースやSNSで女性キャンパーが他のソロキャンパーから執拗に話しかけられるなどのトラブル被害をよく耳にします。いろんな意見が飛び交うなか、「女性ソロはやめたほうがいい」なんていう悲しい意見も。性別など関係なく、皆が楽しく、安全にキャンプをするためにはどうしたらいいのでしょうか。
そこで女子キャンプの第一人者・こいしゆうかさんから、トラブルにあわないための対処法をお伺いしました。

更新日:2023.10.18

こいしゆうか 男性目線で語られがちなキャンプに女性目線を取り入れた、女子キャンプの第一人者

女性が安心してソロキャンプをするためには
徹底的に「場所選び」にこだわる

とくに女性がソロキャンプをするうえでとても重要なトラブル回避術、それは「安心して過ごせるキャンプ場を選ぶこと」です。

では、どのようなキャンプ場を選ぶのがいいのでしょうか。とくに初心者の方に気をつけてほしいポイントをまとめてみました。

こいしゆうか

最初はわからないことも多く、女性のソロキャンプは不安も多いですよね。トラブルにあったときのことを考えて心配を抱えるより、徹底して「予防」に力を入れましょう。

管理体制が万全の、お気に入りのキャンプ場を見つける

自宅から通いやすく、お気に入りのキャンプ場を見つけられるといいですね。そのために、まずはHPやSNSなどのクチコミを入念にチェックすること。

キャンプ場の基本情報はもちろん、管理人さんの人柄なども伺い知ることもできたりします。SNSでは、他の女性ソロキャンパーさんがたびたび利用しているキャンプ場の情報を女性目線で細かく知ることができます。

また、キャンプ場に直接電話をしてみるのもいいでしょう。「女性ソロ」ということをお伝えしたうえで、不安点をお話したときに対応してくれるかどうかが判断できます。

スタッフが夜間も常駐している

夜間に万が一のトラブルが発生したとき、すぐに対処するために必須なのはスタッフが常駐していることです。夜には自宅に帰って、翌朝にキャンプ場に出勤するという管理体制のところがありますので、事前に確認しておきましょう。

また、夜間緊急連絡先などが記載してあるキャンプ場もあり、何かあれば駆けつけてくれるので安心です。

区画サイトがあるキャンプ場を選ぶ

キャンプ場のサイトには、自由に設営場所を選べるフリーサイトと、決められた区画に設営する区画サイトがあります。自由に場所を選べるほうが周りと距離を取れそうですよね。

しかし、設営した後に自分のサイト近くにテントを張られてしまうこともあります。それがわざとではないにしても、「ちょっと近くないですか?」とは言いにくいものです。

やはり、自分の領域が明確な区画サイトのほうがプライバシーの確保をしやすいのでおすすめです。区画サイトとフリーサイトの両方があるキャンプ場の場合は、区画サイトを選ぶようにしましょう。また前述しましたが、区画サイトを予約するときは「女性ソロ」と伝えると、配慮してサイトを決めてくれるキャンプ場もあります。

こいしゆうか

トラブル予防の大半はキャンプ場選びに集約されています。女性がソロキャンプを始めて間もないうちは、リピート利用がしやすく、キャンプ場のスタッフさんと仲良くなれる「ホームキャンプ場」を見つけるのが最良です。自宅から近いキャンプ場から調べてみましょう。

女性のソロキャンプに向いていないのは
無料や格安のキャンプ場

逆に女性のソロキャンプでおすすめできないのは、無料だったり格安など、管理の行き届いていないキャンプ場を選ぶことです。

これは、キャンプの経験が多い少ないに関係なくいえること。とくに山奥のキャンプ場でトラブルにあった場合、警察や消防に連絡をしてもすぐに現地へ駆けつけてくれるとは限りません。

こいしゆうか

無料のキャンプ場や野営地では、一見するとSNSでは人気のように映ります。ただし、管理者のいないキャンプ場や野営地は、ルールやマナーの周知徹底が難しく、それぞれのモラルの範囲内でキャンプをしていることがほとんどです。
もし、そういった場所へいく際は慎重に、かつ、よく調べる必要があります。

慣れないうちは
デイキャンプからはじめるのがおすすめ

ソロキャンプデビューを考えている女性キャンパーの中には、他のソロキャンパーから執拗に話しかけられないか心配、と思っている人もいるかもしれません。しかし、他人に声をかけられるのは、不慣れなことを露呈していることが原因の場合もあります。

トラブルに発展してしまったものの中には、最初は「助けてあげたい」という善意から生じたケースも少なくありません。周囲から見て気に掛かることがあれば、「あれ?大丈夫かな?」「助けてあげようかな?」などと、不要なきっかけができてしまいます。

キャンプ場は安全と安心と引き換えに料金を支払い、快適なキャンプを楽しめる場所。女性で「これからソロキャンプをはじめてみたい」と興味を持っているけれど不安が拭えない人は、まずデイキャンプをしてみてはいかがでしょう。

キャンプ場の雰囲気、スタッフの対応、どのように過ごせるかなどを体験し、安全に楽しむためにはなにが必要か、焦らずにステップアップしていきましょう。

こいしゆうか

もちろん、キャンプの回数を重ねると場合によっては「区画サイトではなく、フリーサイトでも大丈夫そう」など、利用前に現地の情報を的確に入手して状況を把握し、「安心して過ごせる」判断基準がわかってきます。
キャンプ場の選択肢を増やして、ソロキャンプを楽しみましょう!

性別や年齢を問わず押さえておきたい
ソロキャンプの最低限のマナー

ソロキャンプに関わらずですが、以下の点は最低限のマナーだと思います。トラブルに関する情報が飛び交い過敏になっている昨今では、性別を問わず、純粋な善意で行った行為に対して言いがかりをつけられてしまう可能性もあり、注意が必要です。

無用なトラブルに巻き込まれないためにも、お互いの時間を尊重しあい、ほどよい距離感を保ちましょう。

やたらと話しかける行為はNG

隣接するサイトの方なら挨拶は大事ですが、そこから飛躍して気軽にぐいぐいと声をかけるのはご法度です。なぜならソロキャンプは「自分ひとりの時間を楽しむため」にキャンプをしている人が大半だから。これは、性別や年齢に関わらず配慮する点です。

テントを設営するときは距離をとる

フリーサイトの場合は区画が決められていません。自分が思うよりも相手のパーソナルスペースは案外広かったりするもの。場所が許すのであれば、なるべく適度な距離をとってテントを設営しましょう。

おせっかいを焼きすぎない

ソロキャンパーさんのなかでも、テントの設営がおぼつかなかったり、焚き火の火がつかなかったりと困っている人を見かけることがよくあります。思わず手を差し伸べてしまいたくなりますが、そこはグッと我慢。もしかしたら自分ひとりで成し遂げるためにチャレンジをしている最中かもしれません。

「大丈夫ですか」とひとこと言って、相手が明確に手助けがほしい意志を示さなければ心のなかで応援しましょう。しかし、緊急を要する場合は別です。悩んだ場合は、管理人さんに相談するのもひとつの手です。

万が一、トラブルにあった場合には
必ずキャンプ場のスタッフに相談しましょう

他のキャンパーとの関係で不快な思いをしたり、困ったことがあった場合には、相手に直接言うのではなく、必ずキャンプ場のスタッフに相談をし、対処してもらいましょう。これが極力自分も他人も傷つけない、最良の手段です。

こいしゆうか

トラブル時にできることは「即スタッフに相談!」これ一択といっても過言ではありません。なので、管理体制の整っているキャンプ場を選ぶことはマストなのです!

1人だからこそ、静かに安全にどう過ごすかが大事になるソロキャンプ。もちろん、困ったときは手を差しのべるということも大切ですが、キャンプでは多少の失敗も楽しいもの。

他にも、ソロキャンパー同士という仲間意識で声をかけたくなる人もいれば、それも関係なく1人になりたいと思っている人もいます。人それぞれキャンプの目的は違うので、距離感を持って、お互いの安全を願いつつ、キャンプの時間をそれぞれ楽しめればいいですね。

※制作協力:青川峡キャンピングパーク https://www.aogawa.jp/
※このコンテンツは、2023年10月の情報をもとに作成しております。