車中泊キャンプの必需品!
カーサイドテント&タープ選びのポイント

クルマをテント代わりにする“車中泊キャンプ”が注目されています。車内を有効利用するので大きな2ルームテントをたてなくてもゆとりの空間を確保でき、とにかく手軽にキャンプを楽しめるのが特徴です。そんな車中泊キャンプに欠かせないカーサイドテント&タープの魅力と選び方をご紹介します。

更新日:2023.09.06

カーサイドテント、
カーサイドタープとは?

カーサイドテントやカーサイドタープはクルマと接続することを前提として設計されており、一部のポールをクルマの「屋根」で代用します。

通常のキャンプ用テントやタープでは張り綱が邪魔になってテントやタープのギリギリまでクルマを寄せてもどうしても隙間が生まれますが、カーサイドテントやカーサイドタープはクルマとの隙間なし。雨の日でも安心して双方を行き来できるのが最大の利点です。

ホームセンターなどで販売されている強力吸盤タイプのフックを使えば通常のキャンプ用のテントやタープでもカーサイドテント&タープのようにクルマと接続することはできます。しかし、「タープの幅が広すぎてきれいに張れない」、「テントの出入り口パネルを跳ね上げても高さが足りない」、「思ったほどリビングスペースが広くない」といった理由でうまく設営できないものが少なくありません。

カーサイドテント、
カーサイドタープ選びのポイント

クルマとの接続方法を確認

吸盤タイプ

もっとも多いのが、強力な吸盤でクルマにくっつけるという方法です。手軽でいいのですが、クルマの「屋根」もボディーも、一見、直線的に見えても実は湾曲している部分が多く、吸盤の取り付け位置が限られてしまいます。適切な位置を見つけるのが大変ですし、カーサイドテントやカーサイドタープに吸盤を取り付ける鳩目は複数箇所あいていますが、必ずしもその位置とフィットするとは限りません。

吸盤が弱いと、風などちょっとした力で外れてしまうこともあるので取り付け場所を乾いた布できれいに拭いておく必要があります。
車高が高いとカーサイドテントが浮いてしまうので、比較的背が低いクルマ向きと言えるでしょう。

ウェビング固定

もうひとつの接続方法は、クルマの「屋根」に生地を被せ、ウェビングを伸ばして固定するというものです。
大型SUVやミニバン向きのものが多く、ほぼすべてのクルマに対応するのがメリットです。

伸ばしたウェビングは、ペグダウンするかクルマのキャリア、ホイールに結びつけるなどします(カーサイドテントによって異なります)。
ホイールに取り付ける場合は、ブレーキなどホイール以外と干渉しないよう十分注意しましょう。

ウェビングが風などで擦れるとクルマに細かな傷がつくことも考えられます。愛車を傷から守るために、ウェビングをやわらかくて肉厚の布でくるむか、ウェビングの両端(写真の場合、赤い布の両端あたり)に小さくても厚めのゴムマットを当てるなど養生しておくと安心です。

外出する人は、自立できて全体を目隠しできるものがおすすめ!

カーサイドテント&タープはクルマをポール代わりにしているので、クルマがないと自立しないものもあります。

キャンプ場をベースに観光することが多い人は、カーサイドであっても自立するものがベストです。
もっとも自立しないタイプであっても、ポールを2本使えば自立させられるので、車高と同じくらいの高さになるポールと張り綱を用意しておくと便利だし、役に立ちます。

荷物が多い人は、パネルを閉じて中が見えないようになるカーサイドテントが安心。風や動物に小物を荒らされるトラブルを低減できます。

プライバシー性も考慮!

屋根しかないオープンタイプのカーサイドタープは手軽かつ解放感抜群でいいのですが、クルマのドアを開きっぱなしにすると車内が丸見え。
周りの視線が気になる人は車内がある程度隠れるほうが安心して過ごせます。

カーサイドテントは少なくとも1面が地面まで伸びているため、車内が見えづらくプライバシー確保に役立ちます。

サイドのパネルを調整することで、目隠しをしたり、反対に大きく開放して風通しを確保することも可能です。

車中泊キャンプというからには基本的に車内で眠りますが、夏や残暑厳しい初秋はテントのほうが圧倒的に涼しく眠れます。

特に、フルメッシュのインナーテント付きのカーサイドテントだと気候・気温によって眠る場所を選べますし、虫が入りにくいという点もメリットです。
インナーテントのドアパネルを巻き上げればリビングの延長として利用できますし、地面に直置きしたくない荷物の保管・整理にも便利です。

もちろんインナーテントがないものでも、コットを使えば心地よく眠れます。ただし、どうしてもクルマや地面とテントの間に隙間が生じ、虫や動物が入ってくることも。

インナーテントがない手軽さと虫対策、どちらを優先するかは、キャンプをする時期や気温によって「お好みで」としか言えません。

テールゲートを跳ね上げた際の高さも確認しておこう

オートキャンプ場の区画サイトでは駐車位置が決まっていることが多く、この場合はクルマの側面と接続することがほとんどです。リアドアを使ってクルマの中に入りやすい、基本の接続パターンとも言えます。

フリーサイトならテールゲートと接続することが可能です。
テールゲートからは荷物の出し入れが楽なので、設営が非常にスムーズ。車内に置いたままの荷物を利用しやすいというのもポイントです。
なお、テールゲートを跳ね上げるのでカーサイドテントが車高より高い位置に持ち上がります。カーサイドテントによっては裾が浮き上がるので、対応する車高をよく確認しましょう。

また、カーサイドテント&タープをどの位置に取り付けた場合でも、ドアをあけたままにするなど車内灯がつきっぱなしではバッテリーあがりの危険があります。室内灯を消すか、必要なとき以外はドアを閉めるようにしましょう。

キャンプ中にクルマを有効利用できるカーサイドテント&タープ。車中泊キャンプを予定しているなら、ぜひ取り入れてみてください。

Honda車の車中泊の使い勝手はこちら
クルマ別カーサイドタープの使用イメージなど

撮影協力:アリガインターナショナル(カーサイドテント、寝袋) http://www.arg-intl.jp
今回登場したクルマ:ステップ ワゴン e:HEV SPADA PREMIUM LINE
※このコンテンツは、2023年9月の情報をもとに作成しております。