OCEAN MASTER STORY

世界のプロが選んだHonda

世界で活躍するHonda船外機の
知られざるストーリー

2016.10.28
名匠一族の新たなる挑戦 8

強度を保つために、
取り付けが終わった縦通材と、起工式

2016年10月22日、22本の縦通材がフレームに取り付けられ、
サノ31ランナバウト「RIGBY」の船体の全貌が見えてきた。

建造工程
シアーラインとチャイン、縦通材取り付け。

2016年7月

前回、舳(みよし=ステム)とキールの取り付けをご紹介したが、その後、シアーラインとチャインが取り付けられた。
今年、7月9日、シアーラインがフレームに組み込まれた。写真で分かるように、フレームに切り込みを入れ、そこに幅2寸5分でマホガニーを切り出したシアーラインを組み込んでいく。鋸を使って切り込みを入れているのは龍也氏。
写真の右側が船体中央部で左側が船尾付近だが、シアーラインのよじれ具合がお分かりいただけると思う。ここまでよじれる。木は強い。
7月22日、チャイン周りの処理が行われた。チャインはチーク材が使われ、1寸5分×1寸で切り出された。そして驚くなかれ、長さ10mの一本物だ。
チャインの処理を確認する龍也氏。

2016年9月

縦通材というのは、船舶の船体や航空機の機体で、強度を保つために敷設される装備のことだ。
船の場合は船首から船尾まで通じ、竜骨とも呼ばれる。
今回の龍也氏のランナバウトの場合は、縦通材の総本数は片舷で11本。
チャインを境に船底側が7本で、厚み9分、幅1寸5分。
そして船側(せんそく=チャインとシアーラインの間)が4本で、こちらは厚み9分に対し、幅は1寸2分。
いずれも10mのチーク材から切り出された。
10m長のチーク材は、今では滅多にというよりも、もはや見ることのできない貴重な物だ。
縦通材の取り付け作業は、まず船底側の7本が終わった後に、船側の4本の取り付けに着手。この写真は、ちょうと船側1本目の縦通材のための切り込みをフレームに入れているところ。切り込みの上に見えるのはチャイン。
BF250を2基掛けする予定のトランサムは合板で強度を持たせてある。縦通材は船首からこのトランサムまで届く。
10月22日、最後の縦通材を取り付ける。先端の受けは言うまでもなく舳(みよし=ステム)。一本ものの縦材がトランサムまで届く。
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