XL-Degree - 1991.05

XL-Degree
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エンジン

 まず、林道ツーリングなどでイメージに合ったポイントでは気兼ねなくバイクを止めて自然に親しんでもらいたいとの想いから、始動の容易なセルフ式スターターを採用。
 次に、市街地走行からワインディングロード、そして山深い林道まで、幅広いステージで優れた動力性能を発揮させることが、マルチパーパスモデルの基本要件と考え、エンジンには、渋滞路での低速走行から、高速道路などでの高負荷走行に至るまで熱タフネスに優れた水冷エンジンを選択しました。
 また、排気量は、余裕あるパワー、優れた軽量性や経済性などに加え、高速道路での快適性などを考慮に入れた結果、250ccを選択。しかも、高いポテンシャルを必要とするため、'87年に発売以来好評価を得ている「AX-1」のバランサー内蔵DOHC4バルブエンジンをベースにしました。
 そして、一般的に多用するオフの実用域での使いやすさや、市街地走行などでの低・中速域での出力とトルクを向上させるために、バルブタイミングやリフト量を全面的に見直すとともに、吸・排気系も徹底したファイン・チューンを施しています。

 まず、バルブリフト量については、吸気側(IN)を8.1から7.5mmに、排気側(EX)を7.5から7.0mmに変更するとともに、バルブタイミングと吸・排気系も、低・中速に適したセッティングとし、エキゾーストパイプをφ38.1mmからφ35.0mmにスリム化させるとともに、管長を860mmから910mmに伸ばしています。
 また、キャブレーターは、ピストンバルブのPDタイプからCV(コンスタントバキューム)・タイプに変更することで、スロットル荷重の軽減と特にパーシャルの出力特性を向上させ、スムーズで軽い乗り味を発揮させています。
 さらに、クランクベアリングのサイズアップによるエンジンノイズの低減と同時に、軽量化と熱タフネス向上に大きく寄与させるため、アルミの地肌にニッケルとシリコンカーバイドのコーティングを施したNSシリンダーを採用しています。

 これらの結果、極低速域から高速域に至るまでの全域で、スムーズかつパワフルな出力特性を発揮させ、オフロード実用域での扱い易くコントローラブルな軽い乗り味を実現しています。

CVタイプ・キャブレーター   水冷4サイクルDOHCエンジン
CVタイプ・キャブレーター 水冷4サイクルDOHCエンジン


出力特性比較図
(25%開度イメージパワーカーブ)
スロットル荷重比較図
出力特性比較図(25%開度イメージパワーカーブ)   スロットル荷重比較図



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