新設計のエンジン各部は、前・後シリンダーのDOHCヘッドを共用の金型とするとともに、軽量、中空のカムシャフトは前・後シリンダーが独立してクランク軸よりチェーン駆動され、シム付きバケットリフターを介して、バルブを作動させます。
また、これと別のチェーンで駆動されるウォーターポンプは、前・後シリンダーの間にコンパクトに納められるとともに、オイルフィルターはケース前方のシルバー塗装の小型のカバー中に装着されています。
駆動系は、軽快でスムースなシフトワークを実現する6速トランスミッションとし、φ140mm径の10枚組クラッチと相まって、このエンジンの豊かなトルクを後輪に伝達します。 |
高効率デュアルラジエター冷却システム |
VTR1000Fでは新たに高効率のデュアルラジエターシステムを採用しています。従来の冷却システムは、フロントホイール後部に1個のラジエターをマウントしていましたが、90度V型2気筒エンジンの場合、前傾したフロントシリンダーがあるためレイアウトが困難となります。このため、VTR1000Fではフロントシリンダーの左右に1個ずつラジエターを配置しました。
これによって、下記の3点のメリットが得られました。 |
1.
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フロントホイール後方のラジエターが無くなったため、この部分のエアーフローが疎外されなくなり、前後シリンダーやエキゾーストシステムに常に安定したフレッシュエアの供給が可能 |
2.
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大きいスペースを必要とするラジエターが無くなったことでエンジン搭載位置の自由度が増加し、ホイールベースを最適化することが可能 |
3.
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フロントヘッド廻りのメンテナンス性の大幅向上 |
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