250cc90度Vツインエンジン
市街地走行での乗り易さを実現するために、一般的なライダーにふさわしい250ccの排気量とし、リニアなハンドリングのためにスリムな90度Vツインエンジンを採用しました。エンジンは、VT250Fを基本に、'88年6月に発売したVTZ250のエンジンと開発を同時にスタートしました。主な変更点は、
(1)
インテークバルブをφ23mmからφ24mmに、またエキゾーストバルブもφ20.5mmからφ21mmに大径化。
(2)
スパークプラグをφ12mmからφ10mmへと小径化。
(3)
燃焼室形状や吸・排気タイミングの変更とインテークポートの形状変更に伴なうエンジンの要求点火時期に対し、デジタルイグナイターによって最適な点火特性を実現。
(4)
フロント96mm、リア77.5mmの不等長エアーファンネルを採用(前モデルは68.5mmの等長)。
(5)
バルブタイミングのオーバーラップを減少させて中・低速域での出力を向上。
(6)
インレットポートのガイドフィンを25mm延長することにより、中・低速域における吸入混合気の整流効果を向上。
など、細部まで大幅な見直しを図りました。
シリンダーヘッド レイアウト図
エンジン性能曲線図
その結果、上記(エンジン性能曲線図参照)のように、常用域をはずれたエリアでの最高出力を、敢えて前モデル比で3馬力下げ、実際に多用する中・低速域での大幅なトルクアップを実現しています。
さらに、中・低速時のトルク向上に対応し、
(7)
ミッションレシオをワイド化すると同時に全体をローギアード化。
(8)
ACGマスを42kg-cm
2
から45kg-cm
2
に変更することによって、微妙なアクセル開度に対して一層リニアなトルクフィーリングを実現。
(9)
VTZに比較し、エア・クリーナーや排気系を新設計とすることで、一層リニアなレスポンスを実現。
など、徹底的な性能向上に力を注ぎました。
これらのエンジンの開発に際して、ベンチテスト主体のエンジン開発にとどまらず、実走テストによって吸・排気系にくわえ、バルブ開閉タイミングやフライホイールマスなどを選定するという、非常に時間と労力のかかる開発手法を採用して、最適な走り味を創り出しました。