SUPER HAWK III - 1980.07

SUPER HAWK III
SUPER HAWK III
 
“走り”を求めたスーパースポーツの極致

人車一体の操縦性をもたらす
マス集中設計
エンジン等の重い部分を可能な限りマシンの中心部に、云い換れば、ライダーの足元に集中させ、ライダーの意志を直接伝えることが可能なマス集中設計を採用しています。重い部分がライダーから遠ければ遠い程、テコの原理の様に荷重が増大し、コーナリング等での安定性、追従性が悪くなります。これは例えばタンデムツーリングの時など経験されている様に、パツセンジャーがライダーにピッタリくっついた時より、離れてシート後部に座った時の方がコーナリングしにくいことでもおわかりでしょう。ホークシリーズでのホンダ独自のマス集中設計は、多くのユーザーから好評を博し、その声価を確固たるものとしています。スーパーホークIIIでも、このマス集中設計の効果は、おどろく程の操縦安定性の良さと、取廻しの軽さを実現しました。山道でのタイトなコーナーでも、ワインディングロードでも、思い通りのラインをトレースでき、モーターサイクリングの楽しさを満喫できます。

SUPER HAWK III

ロードスポーツの走りを変えた
コムスター・ホイール
いうまでもなくホイールは、二輪車の最重要部分の一つ。(1)操縦性、乗り心地に大きく影響するホイールの剛性が、車の性格に応じて自由に選択できる構造であること。(2)バネ下部品として極力軽量につくられること。(3)伸び特性の優れた——つまり粘り強い材質でつくること。(4)スポークの増し締め等のメンテナンス作業が不要であること。(5)チューブレスタイヤの装着が可能であること。(6)高品質の製品が安定して量産できること、などでした。それに正面から挑戦したのです。
これらの目標を大きく満たしたホンダのコムスター・ホイールは、今や重量車から軽量車まで、さらにレーシング・マシンにまでと、高い信頼性と限りない可能性を秘めています。キャストホイールの剛性と、スポークホイールのしなやかさ。コムスターは、この両方の良さを兼ね備えたホンダ独自のホイールです。特にしなやかさは、路面の微妙なショックを吸収するので、タイヤの接地性が高まり、優れた操縦安定性と乗り心地を実現します。
しかも、バネ下重量を軽減し、乗り心地をさらに高めています。この剛性としなりを、自由にコントロールできるコムスター・ホイールの出現は、足廻りの設計の自由度を大きく増したのです。

チューブレスタイヤ
コムスターが可能にしたチューブレスタイヤ

先鋭的な走りと乗り心地の良さ
この相反する条件を
両立させた〈F.V.Q〉ダンパー
「すぐれた操縦安定性」と「快適な乗り心地」を実現させたのが、〈F.V.Q〉ダンパーです。路面状態や走行速度で変化する衝撃力に応じて、減衰力特性が2段階に変化する画期的なメカニズム。たとえば、低速走行ではフワフワした感じを防ぎ、高速走行ではゴツゴツした乗り心地の悪さを防ぎます。世界に誇るこのメカニズムは、また、耐久性にもすぐれ、長時間作動しても“熱ダレ”によるダンピング能力が低下しにくく、快適な走行が行なえます。

F.V.Qダンパーテスト
衝撃吸収性にすぐれたホンダ独自のF.V.Q.ダンパー走破性テスト。
3本のラインが示すように、バネ下の振動が吸収され、快適な乗り心地を実現します。




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