RVF - 1994.01

RVF
RVF
 
足廻り

【フロント足廻り】
 フロントフォークは、高速からのハードブレーキングにも充分な剛性をもつインナーパイプ径φ41mmの倒立式フロントフォークを採用。ダンピングフォースは伸び側の減衰力を12段階で調整できるほか、スプリングのイニシャルプリロードも15.0mmの範囲内で無段階で調整できるものとしました。
 また、剛性を確保しながらも軽量化を図るため、高応力線材使用の軽量スプリング、インナーパイプの薄肉化、さらに各部にアルミ材を採用するなど、従来の正立式フロントフォークとほぼ同等の重量を実現しました。
 さらに、ニューカートリッジサスペンションの採用や、摺動ブッシュの材質・形状を変更することによって優れた路面追従性を実現しています。

フロントサスペンション
フロントサスペンション
 
フロントフォーク 減衰力特性図
フロントフォーク 減衰力特性図

 フロントホイールはハブ部の小型化、表面処理の変更、ホイールカラーのアルミ材の採用によって、バネ下重量で約100gの軽量化を達成しました。
 フロントタイヤには、アラミド繊維のベルト材とレーヨンのケース材を採用した新設計のラジアルタイヤを採用。RVFの出力特性やサスペンション性能にふさわしいトレッドゴムやタイヤプロフィールとあいまって、しなやかな路面追従性とグリップ性能を高次元で両立させました。

 フロントブレーキは、RVF/RC45などに採用している新型異径4ポット対向ピストンキャリパーと、φ296mmのフローティングディスクを組み合わせたダブルディスクとし、ブレーキホースの配管の一部に鋼管を採用するなど、高い制動効力(VFR400R比較:約10%向上)とコントロール性を兼ね備えたブレーキとしました。

フロントブレーキ  
フロントブレーキキャリパー ピストン比較図
フロントブレーキキャリパー ピストン比較図


【リア足廻り】
 リアの足廻りは、高剛性でメンテナンス性に優れるプロアームを細部にわたってさらに熟成させました。フレームとの結合部のピボットボルトサイズやベアリングスパンの変更などによってフレームとの剛性バランスを見直すとともに、しなやかで路面追従性に優れた足廻りとしています。

プロアーム比較図
プロアーム比較図

 リアクッションは、プロリンクレシオの変更やリンク部のニードルベアリングの採用によって作動性の向上と腰感を持たせたセッティングとするとともに、NRと同様のクロームメッキを施したヒートガードを採用することによって、熱ダレを極力低減しながら、CIVSIIIピストン内蔵のダンパーの性能を充分に引き出すものとしています。
 さらに、伸び側には減衰力調整機構を採用し幅広いセッティングを可能としたほか、フレームとリアクッションの取付部を別体式とすることによってシートハイトの変更にも対応可能としました。

リアクッション  
リアサスペンション
リアサスペンション

リアクッション 減衰力特性図
リアクッション 減衰力特性図
 
プロリンクレシオ比較図
プロリンクレシオ比較図

 リアホイールは今回新たに17インチを採用し、旋回性の向上と大幅な軽量化(VFR400R比較:約1.2kg減)を達成。
 タイヤは、アラミド繊維のジョイントレス・スパイラルベルト構造のラジアルタイヤを今回採用し、市街地からサーキット走行まで対応する高いポテンシャルを持たせた足廻りとしました。

 リアブレーキは、新設計の2ポット・ピンスライドタイプ・キャリパーと焼結パッドを組み合わせて採用。コントロール性の向上とともに取付構造のシンプル化を図り、軽量化に寄与しています。

リアブレーキ   リアブレーキ



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