NSR250R - 1989.01

NSR250R
NSR250R
 
エンジン

〈PGM-IIシステム〉

 '88NSR250RのPGM-キャブレター、PGM-イグニッションRCバルブーIIのさらなる進化、それがPGM-キャブレターII、PGMイグニッションII、そしてPGM-RCバルブです。
 この3つのシステムの機能強化と有機的結合がPGM-IIシステムです。つまり、それぞれのシステムは、独立して真価を発揮するのではなく、それぞれの状態の情報交換を行ない、その瞬間の最適かつ緻密なコントロールによってnew NSR250Rのエンジンの能力を最大限に引き出すことが可能となりました。

システム図

PGM-IIシステム

 PGM-IIシステムは、その瞬間の理想的な燃焼を得るため、理論に基づいたベンチテストとライダーによる実車走行テストを繰り返すことによって得られる膨大な実験結果をコンピュータにインプットし、はじめて各システムの有機的結合が図られます。

システムマップ代表例
  各機構の2次元マップをスロットル開度毎に重ねることによって、下図の3次元マップが完成。下表は、その2次元マップの代表例です。

システムマップ代表例

プロセス
1. 最初に、全てのエンジン回転数とスロットル開度で、定常状態における最高馬力が発生する様、点火時期、RCバルブ開度、空燃比をベンチテストにて設定。
2.
次に、完成車実走テストで、定常状態に加え、過渡状態での
  最適馬力化
  ライダーの感性に合う出力特性化
  不整燃焼、スロットルレスポンス、減速フィーリングの最適化
を図るため、点火時期、RCバルブ開度、空燃比を補正。
3. 補正後、ベンチテストにてデータを確認し、完成車実走テスト結果を理論と照合。
PGM-IIシステムは、これらの膨大な作業の繰り返しによって、はじめて総合システムとして機能し、ワイドなパワーバンドとダイレクトでリニアなレスポンス性能を発揮します。




← 前ページへ--- 目次へ--- 次のページへ →