NSR250R - 1989.01

NSR250R
NSR250R
 
エンジン

〈PGM-キャブレターIIシステム〉

 キャブレターは、エンジン回転数とアクセル開度をコントロール・ユニットで検知し、ソレノイドバルブによってエアジェットを開閉。過渡状態の吸入混合気の空燃比の適正化を図るPGM-キャブレターに、新たに可変エアジェットを2系統とし、より一層きめ細かな(エア流量、2段階→4段階)空燃比制御が可能となり、低速域から高速域まで、全域にわたり高い燃焼効率とドライバビリティの向上を図っています。

PGM-キャブレターIIシステム   PGM-キャブレターIIシステム
 
PGM-キャブレターIIシステム

原理構造
キャブレターは、スロットルボアの大径化によって高回転域での吸入空気抵抗を低減し、空気量を増大できますが、この場合エンジン回転上昇の過程でキャブレターへの負圧の低下が生じ、空燃比バランスが悪くなる(濃くなる)回転域が発生します。
PGM-キャブレターは、スロットル開度とエンジン回転数からこの領域を検知し、ソレノイドバルブによってエアジェット通路を開放し、2次空気を吸入させ、空燃比の適正化を図ります。

〈PGM-イグニッションII〉

 点火システムは、エンジンの回転数やアクセル操作の開度と速度を検知・演算し、最適点火時期を設定できるマップコントロール・デジタル点火システム(PGM-イグニッション)に、新たにフロントとリアのシリンダーの点火時期を独立して演算し、それぞれの燃焼室に、より適切な点火タイミングの設定と供給を可能にしたPGM-イグニッションIIを採用しました。
 この結果、
  ●アイドリング安定性
  ●パーシャル時の不整燃焼の低減
  ●中〜高速域のアクセルレスポンス
を向上させている。

 また、急激なスロットル操作時に進角補正を行なうワープ点火も、ワープサイクルを16サイクルから32サイクルに引き伸ばすと同時に、ワープ領域回転数も2,000rpm〜5,000rpmから1,000rpm〜11,500rpm間へと拡大し、ほぼ全域でワープ点火が可能となり、過渡状態での燃焼効率を高め、スロットルレスポンスを向上させています。

   フロントシリンダー   リアシリンダー
フロントシリンダー   リアシリンダー
 
ワープ点火特性   スロットル開度スピード(△θth)
ワープ点火特性   スロットル開度スピード(△θth)




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