LiveDioST - 1996.06

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二輪車のブレーキ特性と
お客様の声から生まれた
ブレーキシステム

M.A.-C.ABSは、CBS機構「前・後輪の制動力配分を適正に確保する」と
ABS機構「直進時のブレーキのかけすぎによる前・後輪のロックを制御する」
という2つの機構を兼ね備えています。

CBS(Combined Brake System)(コンバインド・ブレーキ・システム)機構の
特長と作動原理
CBS機構作動図 左レバー(後輪ブレーキ)を握るだけで、操作状況や車輪速度に応じた前・後輪ブレーキの適正な制動力配分を発生させるCBS機構。
 後輪ブレーキには、ライダーが左レバー(後輪ブレーキ)を握った力がケーブルを介してそのまま伝えられます。
 その際、左レバー(後輪ブレーキ)操作状態をケーブルダンパー内の荷重スイッチとアクチュエータ内のストロークセンサーが確認。そのスイッチとストロークセンサーからのデータでECUが適正な前輪制動力を演算し、適正に前輪制動力が発生するようにアクチュエータを駆動します。
 さらに走行速度や後輪ブレーキのアジャスト状態に対応した補正も行い、リニアリティを確保しています。

ABS(Anti-locked Brake System)(アンチロック・ブレーキ・システム)機構の
特長と作動原理
ABS機構作動図 ブレーキをかけすぎた場合に、車輪の回転が止まってしまう(=ロック)ことを、機械的なポンピングブレーキに置き換えて車体の直進バランスを確保するABS機構。また、作動時にはブレーキレバーに機械的なポンピングの戻し力が伝達されて、ABS作動状態であることをライダーに伝えます。
 前・後輪に取り付けられた車輪速度センサーからのデータにより、車輪ロック傾向をECUが演算。アクチュエータによって前・後輪ブレーキのかかり具合を制動力と安定性が両立するように調整します。
 さらに、路面状態を判定することによって、前・後輪の許容できるスリップ状態をも判断することで、ブレーキ力を補正しています。これらによって、前・後輪を連動制御する1チャンネル方式でのABSが可能となりました。

制動距離を平均30%短縮
左レバー操作
テストデータ
天候:晴れ、路面:乾いたアスファルト、試乗車:M.A.-C.ABS搭載車/M.A.-C.ABS非搭載車、試乗者:社内女性33人、初速:30km/h
*数字はすべてホンダ調べ
 乾いたアスファルト路面上で、M.A.-C.ABS搭載車と非搭載車を、無作為に選出した社内の女性33名によって制動距離の比較テストを実施しました。
 左レバー(後輪ブレーキ)のみの操作では、前・後輪連動ブレーキの効果により、平均で制動距離の約30%を短縮しました。
 また、試乗した女性からは、前・後輪にABS機構があることで、より安心してブレーキ操作ができるという声もありました。


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