CBR250RR
CBR250RR
 
スーパー・レスポンス・エンジン

 4サイクル・クォーターマルチならではの超高回転・高出力を得られるエンジンは、高回転時における正確なバルブの開閉と低フリクションを実現したホンダ独自の精密なメカニズム・カムギアトレーン機構を継承し、吸気系や排気系に加え、燃焼室を一新。
 さらに、フルバランス・クランクシャフトの剛性を高めるとともに、新開発の軽量・高強度のコンロッドボルトを採用し、レッドゾーン入口を19,000rpmへと高め、しかも、アイドリング時からレッドゾーン入口まで、より幅広い高回転域で人の感性に応えるリニアで俊敏な、絶妙なパワー感を発揮させています。

(1) エンジン

エンジン

エンジン

高級素材の動弁系


   吸・排気系バルブは、19,000rpmまで高精度・高速度で開閉追随させるため、超細軸φ3.5mmの軽量・大径(IN:φ19mm 10.0g/EX:φ16.5mm 9.6g)バルブを48.5mmのボア内にレイアウトし、摺動抵抗と吸・排気抵抗を大幅に低減しています。
 材質は、インレット側に、ハイグレードのシリコンクローム鋼(SUH3)を。高熱にさらされるエキゾースト側には、ジェットエンジンのタービンブレードにも使われている特殊合金材インコネル(かさ部:SUH751ニッケル耐熱超合金/エンド部:SUH3)を採用し充分な高温強度を確保しています。
 バルブスプリングは、回転数の二乗で増加する動弁系の慣性力によるバルブジャンプ・バウンスを低減するため、軽量・コンパクトで高いスプリング荷重が得られる、新開発の高荷重用線材・SWOCN-V材を採用。窒化深さを深くできると同時に内部硬度も高められ、従来材(SWOSC-V)に対し大幅に疲労強度を向上(25%)させています。

高級素材の動弁系

フルバランス・クランクシャフト/コンロッド


   クランクシャフトは、8個のカウンタ・ウエイト形状をコンピュータ解析と幾多の実験から最適選定し、超高回転時の大きな慣性力を打ち消し、クランクシャフト回転挙動を安定させることによってフリクションを大幅に低減するフルバランス・クランクシャフトを採用。同時に、コンロッドボルトに新開発の高強度新材(HB149)を新採用することによって締付軸力を15%高め、十分なコンロッド大端部の強度・剛性を確保しています。
 この結果、コンロッドメタルをt1.5mmからt1.25mmに薄くすることが可能となり、クランクピン径をφ27mmからφ27.5mmへサイズアップでき、クランクピン剛性を7%高めると同時に大端メタルの面圧を低減し、限界回転域での信頼性を大幅に向上させました。

クランクシャフトのFEM解析   フルバランス クランク
クランクシャフトのFEM解析   フルバランス クランク

コンロッドボルト締付軸力比較   コンロッドのFEM解析
コンロッドボルト締付軸力比較   コンロッドのFEM解析




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