CBR1100XX - 1996

CBR1100XX
CBR1100XX
 

足廻り



コンパクトな3ピストン・キャリパー
 '96年ST1100パン・ヨーロピアンに搭載されたTRC-A.B.S.と同様、CBR1100XX Super Blackbird にも前後3組のコンパクトな3ピストンキャリパーが採用されています。
 3個のキャリパーは2系統の独立した液圧システムによって制御され、フロントキャリパーの2個のアウターピストンはハンドレバーにより、2個のリアピストンはサーボメカニズムによる2次マスターシリンダーの働きにより制御されます。
 2次マスターシリンダーは、フロントフォーク左側のボトムケースにマウントされています。また、フロント/リアのセンターピストンはフットペダルを介して作動する構造となっています。
 また、新開発のブレーキパッドは制動力・フィーリングともにいっそうの向上を実現しました。

フロント   リア

制動力感応式サーボメカニズム
 '93年型CBR1000Fの初期型D.CBSおよび、'96年ST1100パン・ヨーロピアンのT.R.C.-ABSなど従来のDual Combined Brake Systemシステムのサーボ機構(2次液圧発生機構)は、フロントブレーキに作用する回転トルクによって、キャリパーとフロントフォークボトムケースの間にマウントされたリンケージを介して2次マスターシリンダーを作動させていました。
 CBR1100XX Super Blackbirdではさらにシステムの簡素化が進み、新設計のキャリパーアームはリンクを介さずに2次マスターシリンダーを直接作動させています。
 これによって、初期型システムでは不可欠だったリンケージを全て排除することが可能になるとともに、アセンブリ自体も軽量化され、バネ下重量の低減に貢献しています。

制動力感応式サーボメカニズムの作動原理
 キャリパーアームからの入力を受けると、2次マスターシリンダーはその入力に応じた液圧をPCV(プロポーショナル・コントロール・バルブ)を介してリアキャリパーに伝達します。リアシステムへの液圧はブレーキラインに直列配置されたPCVによって2段階に制御を受けます。
 ブレーキレバーの操作フィーリングは、システムの介入によって影響を受けることはなく、通常のブレーキシステムと同様のフィーリングとしています。
 また、リアブレーキのコントロールの範囲が増すことで、これまで以上に容易な操作で高い制動力が得られるブレーキシステムとしています。
 2つのブレーキラインは完全に独立しているため、レバーとペダルの単独の制動力が互いに干渉しないものとしています。


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