ホンダ 新安全技術の研究 - 2000.05

Technology
ホンダ 新安全技術の研究
 
リアルワールドの衝突安全技術

事故実態から独自の研究目標を設定し、
リアルワールドの衝突安全研究を推進。

事故統計の分析から、「相手重量2トンクラスまでの乗用車、双方の衝突速度55km/h、50%オフセットの正面衝突」という研究目標を設定。
ホンダは、リアルワールドの衝突安全研究を推進するために、衝突事故の実態を分析し独自の研究目標を設定しました。
まず、日本の普通乗用車の死亡事故では、正面から直線的に衝突するケースが多いことがわかりました。また、前面衝突事故の衝突オフセット率の調査により30%と50%が多いなかで、衝撃が大きくより厳しい50%のオフセット衝突を条件として選択。さらに前面衝突事故の速度は、55km/h以下が全体の95%を占めていることがわかりました。これらのデータをもとに研究目標となるテストモードを設定しました。
私どもホンダは、現段階で高い水準にあるGコントロール技術を、クルマ相互の衝突実験を徹底して行うことでさらに進化させ、新たな衝突安全のあり方を見い出していきたいと考えております。
【クルマ相互衝突研究の目標とするテストモード】
クルマ相互衝突研究の目標とするテストモード

【前面衝突全事故速度】
前面衝突全事故速度

【前面衝突全事故のオフセット率】
前面衝突全事故のオフセット率
【クルマ相互死亡事故の衝突方向】
クルマ相互死亡事故の衝突方向

ITARDA 交通事故事例調査・
分析報告書(平成8 年度報告書)

ホンダは、リアルワールドにおいてさらに厳しくなる
「傷害値の低減」と「生存空間の確保」
の両立をテーマとする高い衝突安全性の実現をめざします。

リアルワールドの衝突実態をより効果的に再現する
世界初の屋内型 全方位衝突実験施設を建設。
リアルワールドに即したクルマの衝突安全性を実現していくために、今後さまざまな形態の衝突実験を重ね、より詳細な研究を続けていく必要があるといえます。そのためにも、いち早く充実した研究をスタートさせる必要がありました。
そこで、現在の固定バリアへの衝突実験にはない、複雑な現象を徹底して解析するためにホンダは、リアルワールドの衝突形態を再現可能な、世界初の屋内型 全方位衝突実験施設を建設しました。
クルマ相互の衝突実験
【クルマ相互の衝突実験】



[施設の概要]
延べ面積: 41,000m2
衝突テスト棟の大きさ: 幅 272m
奥行 178m
屋根高 15m
コース本数: 8 本
(0 °15 °30 °45 °60 °75 °
90 °180 °)
コース全長: 各コース130m
(組み合わせにより最長260mまで延長可能)
最大牽引速度: 80km/h(2台同時走行時の場合)

屋内型 全方位衝突実験施設の内部
 

屋内型 全方位衝突実験施設の外観
   



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