ホンダ 新安全技術の研究 - 2000.05

Technology
ホンダ 新安全技術の研究
 
先進安全研究車ホンダASV-2

運転負荷軽減、交通弱者保護、被害軽減
をめざすホンダASV-2 。

混合交通の実態を見つめ、二輪車を含めた
予知・予防安全技術により、事故の低減をめざします。
「ホンダASV-2」は、〈運転負荷軽減、交通弱者保護、被害軽減〉の3つを大きな技術テーマとし、四輪車のみならず二輪車にまで研究対象を広げ、より事故の現実に即した予知・予防安全に貢献することをめざした研究です。
1995年に発表した先進安全研究車「ホンダASV」を、事故実態調査と最新の安全技術によって進化させ、さらに混合交通の実態に即した第二期の先進安全研究車「ホンダASV-2」の実用化に着手します。
ホンダASV-2

運転負荷・被害軽減研究[ホンダASV-2(1号車)]
ドライバーの運転負荷を軽減し、疲労による認知・判断能力の低下を抑制。“うっかり、ぼんやり”が原因の追突事故などの予知・予防をめざした研究です。
【運転負荷・被害軽減研究概念図】
運転負荷・被害軽減研究概念図
CCDカメラによる白線の検知とミリ波レーダーによる車間距離・相対速度の把握により、車線維持と車間距離の制御でドライバーの負担を軽減。事前の警報により事故発生の抑制もめざします。
[1] 車線維持制御と車線逸脱警報
CCD カメラで捉えた道路から画像処理によって白線を検知。高速道路の走行レーンを維持するようにドライバーのステアリング操作を電動パワーステアリングにより支援します。車線から逸脱する可能性がある場合は、警報音を発してドライバーに注意を促します。
二輪車と四輪車の特徴的な事故形態 車線維持と車線逸脱警報の技術については、HIDS(HONDA Intelligent Driver Support System )として運輸大臣の認定を受け現在商品化をめざし、公道においてテストを行っております。

[2] 車速/車間制御と渋滞追従制御
同一レーン上の先行車を検知し、スロットル制御および必要に応じたブレーキ制御を行い車間距離を一定に保ちます。交通渋滞の場合には先行車に追従して停止までを制御します。

[3] 追突速度低減システム

先行車との車間距離が短くなった場合、まず警報音でドライバーに注意を促します。それでもドライバーが対応せず危険な車間距離になると、警報音と軽い自動ブレーキでドライバーに回避を促します。さらに追突を避けるのが困難と判断した場合には、ドライバーのブレーキ操作を支援する緊急ブレーキで追突による被害の軽減をめざします。

交通弱者保護研究[ホンダASV-2(2 号車)]
事故に巻き込まれる歩行者を保護する観点から、夜間、ドライバーがいち早く歩行者を発見できるよう視認性の向上と的確な情報提供を行う予知・予防安全技術の研究です。見えにくい夜間の歩行者を赤外線カメラで捉え、その映像を画像処理し強調表示する「ホンダ・ナイトビジョン・システム」と、ハンドルの切れ角に応じてヘッドライトの反射鏡を旋回方向にも動かす「アクティブ・ヘッドライト」の研究を行っています。
【ホンダ・ナイトビジョン・システム】【アクティブ・ヘッドライト】
ホンダ・ナイトビジョン・システム1 アクティブ・ヘッドライト1
ホンダ・ナイトビジョン・システム2 アクティブ・ヘッドライト2
上が肉眼同等の通常カメラによる映像、下が赤外線強調映像。上が通常ヘッドライトの照射範囲。下がアクティブ・ヘッドライト。クルマの進行方向が明るく照らされている。

二輪車・四輪車情報通信システム[ホンダASV-2(2 号車)]
二輪車と四輪車相互の事故の約6割を占める、出会い頭もしくは右折時の事故を未然に防ぐことを目的としたシステムです。二輪車と四輪車双方に装備した通信システム などにより、それぞれの車両の種類・位置・速度・方位などの情報を無線で相互に交換。状況に応じてドライバーとライダーに表示と音声で情報提供し、予知・予防を促す研究です。
【二輪車と四輪車の特徴的な事故形態】
二輪車と四輪車の特徴的な事故形態



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