MDX FACT BOOK
MDX 2003.2.27
Dymamics(パワートレイン)


スムーズで力強く環境性能にも優れた、これからの上級車に相応しい、高性能パワート レイン。
高出力・高トルクと低燃費、
さらにクラス※1初の「超-低排出ガス」認定を取得した、
3.5L V6 VTECエンジン。
MDXに求めた、SUVとしての力強さと上級ドライバーズカーとしての豊かな走りを実現するために、まず、3.5Lというゆとりの排気量を選択。そのうえで、Honda独創のVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)を核としながら吸排気系を中心にさまざまなテクノロジーを投入しました。191kW[260PS]/5,800rpm、345N・m[35.2kg・m]/3,500rpmを達成。全域フラットでトルクフルな走りを獲得しています。しかも、7.8km/L※2というクラス※1トップレベルの低燃費を達成し、平成22年燃費基準に適合するとともに、高いクリーン性能を実現。国土交通省「超-低排出ガス」認定を取得しています。
※1 車両重量2,020kgを超えるSUVクラス
※2 10・15モード走行燃料消費率(国土交通省審査値)
燃焼効率を徹底的に高め、全域で高出力・高トルクを獲得。
[吸気系]吸入充填効率を高める可変吸気システムを採用。低回転域では、インテークマニホールド内に設けたバルブを閉じ、V6エンジンの片側3気筒ごとの2つの吸気チャンバーに分けることで、共鳴過給を効果的に利用。中・高回転域では、バルブを開いて大容量チャンバーを形成し、慣性過給により充填効率を高めています。さらに、高回転域ではVTECのバルブタイミング・リフトが高速用に切り替わることによって、その効果をいっそう向上。全域で優れたパフォーマンスを発揮します。
[エンジン本体]エンジンブロック内にシリンダー間を貫く連通穴を設け、ピストン下降時の背圧を他のシリンダーに逃がすことで、燃焼エネルギーを効率よく取り出しています。
[排気系]エキゾーストマニホールドを一体化してシリンダーヘッド内で燃焼ガスを集合させる構造や、両側シリンダーヘッドからの集合部形状の最適化、フレキシブルチューブの大径化、低排圧キャタライザーの採用などにより、排気抵抗を大幅に低減しています。
VTEC+可変吸気システム作動イメージ図
3.5L V6 VTECエンジン性能曲線図
 
国土交通省「超-低排出ガス」認定を取得した優れたクリーン性能。
両側シリンダーヘッドの直下にキャタライザーを設置し、床下には低排圧キャタライザーを採用。3つのキャタライザーを効果的に配置することで、排出ガスの浄化性能を最適化しました。また、シリンダーヘッド内で燃焼ガスを集合させる構造とし、エキゾーストマニホールドを一体化。その結果キャタライザーまでの距離と容積を減らし、燃焼ガスの熱損失を大幅に低減。キャタライザーの早期活性化を実現し、コールドスタート時の浄化性能を高めています。また、直下型キャタライザーそれぞれにリニアA/FセンサーおよびO2センサーを配置し、きめ細かく空燃比を制御。さらに高霧化インジェクターを採用し、より完全に近い燃焼を実現することで燃焼ガスそのものをクリーン化しています。
大排気量ながら、軽量・コンパクト化を実現。
補機類の駆動にサーペンタイン式の採用や、高強度タイミングベルトの採用、ベルトカバーの取り付け構造の工夫、クランクシャフト両端部短縮、薄型オイルポンプの採用などによりエンジン全幅を従来V6 3.5Lエンジン比−30mm短縮。これによりエンジンブロックおよびシリンダーヘッドをコンパクトにでき、一体構造のエキゾーストマニホールドやインテークマニホールドの採用なども合わせ、軽量化も実現しています。
DBW(ドライブ・バイ・ワイヤ)を採用し、より自然なアクセル操作を実現。
自然でリニアなアクセルフィーリングが得られる電子制御スロットルコントロールシステム、DBW。アクセルペダル操作をセンサーによって電気信号に変換し、ECUでエンジン回転数などから走行状況に最適なスロットル開度を算出。アクチュエーターがスロットルバルブをダイレクトに制御することで、より緻密で自然なスロットルコントロールを可能にしています。さらに、5速ATとの協調制御やVSAとの組み合わせなどによって、よりいっそうスムーズでコントローラブルな走りを実現しています。
高トルクに対応しながらコンパクト化を達成した、
新開発5速オートマチックトランスミッション。
V6 3.5Lエンジンの強力なトルクを確実に受け止め、駆動輪に伝達する5速ATを新開発。ギアレシオをワイドに設定し、4WDならではの発進性能とクルーズ時の燃費性能を両立しています。また、強度を高めながら、平行4軸構造や超薄型トルクコンバーターの採用などにより、従来V6用5速AT比−60mmのコンパクト化を達成。低フリクションクラッチの採用やファイナルギアへのオイル攪拌防止プレートの設置など高効率化も徹底。低燃費にも貢献しています。
より上質な走りを獲得した、ダイレクト制御+DBW協調制御。
リニアソレノイドによるダイレクト制御で、スムーズな加速とリニアなレスポンスを可能にしています。さらに、従来からの点火タイミングによる制御に、DBWとの協調制御を追加し、変速時のエンジントルクを最適化。シフトアップ時の変速時間短縮やシフトショックの低減を図り、上質かつスポーティな走りを実現しています。



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