VIGOR - 1981.09

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新星ビガーのサスペンション(2)FF新時代の足まわり(三次元リアダンパーなど)

世界初の三次元リアダンパー。


三次元ダンパーの作動図 1
●三次元ダンパーの作動図
三次元ダンパーの作動図 2
 


絶妙な乗り心地を生む、世界初の三次元リアダンパー(サルーンMG・ME)
 ビガーサルーンは、新開発の三次元ダンパーをリア・サスペンションに採用しています。従来のダンパーでは、ピストン速度からのみ減衰力を発生させていましたが、この三次元ダンパーではピストンストローク(stroke)ピストン速度(velocity)によって減衰力(damping force)が決定されます。
このように三次元の作動を考えた機構であるところから、この機構を三次元ダンパーと呼んでいます。
 これによってさらにコーナリング時などの大ストローク時は高い減衰力を発生させ走行安定性を確保しています。舗装悪路等では微小な振動を吸収し、ロードノイズを低減させ、乗り心地を良好なものにしました。

三次元ダンパーの構造
 一般に乗り心地をよくするには、ダンパーの減衰力を弱めればよいとされています。しかし減衰力を弱めるだけでは走行安定性が悪化します。ホンダは、窒素ガスが封入されたベローズとオリフィスを、従来のダンパー構造に入れることによって、この二律背反的な問題に解決の糸口を見いだしました。
 路面の凹凸が小さいときは、ダンパーOILはV、V1の二方向に流れるので減衰力が弱まります。この結果、小きざみな振動やロードノイズをやわらかく吸収して、乗り心地を向上します。一方、路面の凹凸が大きいときは、窒素ガスが封入されたベローズは圧縮されつくして、ダンパーOILはVの方向にのみ流れ、減衰力は大きくなります。この結果、ダートなど悪路でも走行安定性を十分に確保することができ併せて、ロードノイズも低減し静粛性向上へも大きく寄与しているわけです。
 このようにして新星ビガーは路面の変化のいかんを問わず快適な乗り心地を、十分な信頼性のうえに実現しています。世界初の新機構として自信をもって発表いたします。
三次元ダンパーの構造




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