NSX - 1990.09

NSX

NSX
 
ENGINE


冷却システム

高性能エンジンの信頼性をさらに高める、
入念な冷却システム。
高出力になるほど、ヘッドまわり、とりわけシリンダー間における温度上昇などに対応しうる、きめ細かなクーリングシステムが不可欠になってきます。NSXは、冷却システムに最も負荷のかかる最高速テストや登坂テスト、さらには酷暑の砂漠でのテストなどを繰り返し、信頼性を高めてきました。
まず、ラジエターとラジエター用ファンを、フロントコンパートメント内に設置。軽量化を図り冷却効果を高めるためアルミ製ラジエターとし、冷却効率を最大にしています。同時に、従来ラジエターの前面に配置されていたエアコンディショナー用コンデンサーを左右パラレルにレイアウトすることでも、同様に冷却効率を高めています。
また、冷却液のパイプが長く、空気が抜けにくいため、水と空気を完全分離させるエクスパンションタンクを設け、エア抜き性能を向上させています。
エンジン側では、ウォータージャケットの削りこみを深くすると同時に、通路の大径化などを図り、水流をスムーズにしています。
そのほか、エンジンルームにも外気導入ファンを設け、冷却にも充分に配慮しています。
一方、オイルクーラーも4,800kcal/hと、大幅な性能アップ。内部のコアを11段とし、しかもコンパクトな構造のなかに収めました。

高出力に対応。空気の流れに逆らわない、
高効率エアクリーナー。
エンジンのハイパワーに対応し、大容量のエアクリーナーを採用しました。コンパクトでストレートな配置をした、すき間の小さい、通気抵抗に優れたタイプです。空気と繊維の摩擦によって静電気を発生させ、きわめて細かなダストも吸着してくれます。

大幅な流量アップをもたらした、オイルポンプ。
オイルポンプは、トロコイドで内部リサーキュレーションタイプです。エンジンの高出力とVTECに対応し、流量の大幅アップを図りました。

NSX用TCSに対応し、
ステップモーターを採用。
NSX用TCS(トラクション・コントロール・システム)の搭載にともない、状況に応じてエンジンのスロットバルブを制御するステップモーターを装着。ロストモーションのリンク機構がついた、新しいスロットルボディを採用しています。形式は、ワンバレルサイドドラフト形。ボア径はφ64mmです。




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