NSX - 1990.09

NSX

NSX
 
ENGINE


NSX専用に熟成した独創の「ホンダVTEC」と新開発の「共鳴チャンバー容量切換えインテークマニホールドシステム」により、自然吸気で圧倒的な全域高性能を実現した、3.0L・V6・DOHC・VTEC新エンジン。

自然吸気エンジンの極限ともいうべき、
新開発3.0L・V6・DOHC・VTECエンジン。
世界第一級のパフォーマンスを有し、それを心の昂まりとともに小気味よく操ること。NSXは、より人間の感覚に自然な、いわば究極のドライバビリティをめざしました。そのため、ターボなどの過給システムに頼らず、あくまで自然吸気エンジンのなかで、ゼロから、新しいスポーツカーエンジンの開発に挑んだわけです。
通常、運動性能を向上させるには、エンジンの高性能化と、ボディの軽量化が不可欠です。しかしこれは、両立しにくい相反する面を持ち合わせています。つまり、エンジンの高性能化には排気量を拡大することが最も容易で効果的ではありますが、排気量を大きくすれば、高出力化には有利になる一方、それに比例して重量やサイズも大きくなりがちです。
また、排気量をいたずらに拡大することなく高性能化を図るには、エンジンの高回転化が欠かせません。そのためには、多気筒化が最も効果的です。しかしこの場合でも、一般的には、気筒数を増やしてシリンダー容積を小さくすれば、高回転には有利になる反面、そのぶん部品点数が増加して、同じく重量やサイズが大きくなります。
そこでNSXでは、出力と重量のバランスから、排気量を3.0Lに、エンジンそのものをコンパクトにできるV型6気筒に設定。そしてこの3.0L・V6自然吸気エンジンを一気に世界のトップクラスにまで高めたのが、独創の可変バルブタイミング・リフト機構VTECであり、新開発の共鳴チャンバー容量切換えインテークマニホールドシステムです。
これにより、3.0L自然吸気エンジンとしては最大級の最高出力280ps/7,300rpmを。しかも、チタン・コンロッドなどの採用で、8,000回転にものぼる高回転化を実現しました。さらに、エンジンそのもののポテンシャルを決定づけるリッター当り馬力、リッター当りトルクについては、それぞれ94ps/L、10.1kgm/Lを達成。 このように、ハイパワーと軽量・コンパクト化をみごとに両立させ、低速トルクの確保と、スポーツカーの生命線ともいえる超高回転域まで一気に上りつめる、気持のよい伸びを実現しました。 *5速車

エンジン




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