LEGEND - 1990.10

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SAFETY

TRACTION CONTROL SYSTEM

事故を未然に防ぐことをめざした知能化技術。
人の感覚に添ってドライバーを優しくサポートする、知能化技術。これこそが、これからのクルマに求められる重要な資質だとホンダは考えます。従来ドライバーに要求されてきた高度な判断に変わってクルマ自身が走行状態をきめ細かに感知し、巧みにその機能をコントロールする。これにより、誰もが不要なストレスから解放され、大きな余裕とともに、走る歓びと楽しさを純粋に満喫することが可能になります。ホンダはいま、こうした技術視点に立ち、安全性能の新しい可能性を追求しています。その一つのカタチがTCSとA.L.B.。「事故を未然に防ぐ」という積極安全思想に基づく、先進のセーフティ技術です。

TCS(トラクション・コントロール・システム)(タイプα)。
トラクション・コントロール・システムは滑りやすい路面等での先進・加速時に発生しがちな駆動輪のムダな空転を自動制御により防止するシステムです。特にホンダのTCSは、発進加速をスムーズにする駆動制御だけでなく、コーナリング中のクルマの挙動を安定させようとする操安制御、さらには、悪路での走破性を高める悪路対応制御までも実現しました。

TCSの制御方式

TCS(トラクション・コントロール・システム)

[駆動制御の効果]
例えば雪道や凍結路など、滑りやすい路面状況下では、ドライバーはタイヤを空転させないようにするために、とりわけ慎重なアクセル操作を要求されます。TCSは、この微妙なアクセル操作をコンピュータで制御。自動的にエンジン出力を低減させることで余裕な空転を極力抑え、効率よく駆動力を路面に伝えます。
[操安制御の効果]
低μ路の加速コーナリングでは、ドライバーの意志に反して唐突にクルマが外側に膨らんでしまうことがあります。これが駆動輪の空転により生じた場合、TCSは、車体が曲がろうとする実際のヨーレートと、ステアリング舵角からのドライバーが期待する規範ヨーレートを比較して、その差が最小限になるよう制御することで安定したコーナリングを実現させています。
[悪路対応制御の効果]
砂利道などの悪路では、駆動輪は多少空転ぎみの方が加速力が強くなるという傾向があります。そこでTCSは、車体のバネ下の振動を車輪の回転変動から検知。制御を緩めることで効率のよい加速を発揮させます。



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