INTEGRA - 1995.08

INTEGRA
FACT BOOK
INTEGRA TYPE R
高性能化テクノロジーの概要

■高精度化技術

エンジンを高回転化するとともに、優れた耐久性、耐振動性を確保するため、以下のような高精度化技術を採用しました。

【1】8ウエイトのフルバランスを採用した専用のクランクシャフトを新開発

高回転域でのスムーズな回転のためにクランクシャフトを新たに開発しました。各コンロッド両側の全点において精密なバランスウエイトを備えた、フルバランサー8ウエイト仕様とし、回転バランスを従来より20%向上。優れた耐久性を実現しました。

【2】より優れた加工精度を実現するためにハンドメイド・ステップを導入

これまでの量産ライン工程に加え、よりハイレベルな精度実現のために、手作業によるハンドメイド・ステップを生産工程に導入しました。
その項目は、
(1)バルブシート加工後のポート内段差を取り除くためのポート研磨工程
(16バルブ全箇所について実施)

(2)マイクロメーター測定による高精度なコンロッドボルトの締め付け工程

(ボルト締め付けトルクを、ボルトの伸びで精密測定し最適化させる)

■高性能化とともに徹底した軽量化を実施

軽量化は、パワーウエイトレシオを高め軽快な走りを実現するだけでなく、ブレーキの負担を軽くするほか、コーナリングフォースを低下させるロールや荷重移動を抑制するなど、あらゆる面で効果を発揮します。
TYPE Rは、剛性アップのためのボディ部材の追加やエンジン高出力化にともなう部品剛性強化、耐久性アップのための重量増加がありながらも、ウエイトダウンのために徹底した軽量化を実施しました。
まずエンジン回りでは、フェーシング材の改良によるクラッチの軽量化、フライホイールの軽量化、エンジンマウントブラケットの鋳鉄からアルミへの変更、オルタネーターのサイズダウン、ラジエータのアルミ化などに加え、インテークマニホールドのシングルポート化、バルブの細径化やバルブスプリングの楕円化など細部にわたる軽量化を実施。これらにより、エンジン関連で約4kgもウエイトダウンさせるとともに、バッテリーのサイズダウンなどエンジンルーム内全体として大幅な軽量化を実現しています。また、フロア回りを中心とした部材のシェイプアップ、装備のオプション化により約26kgの重量を削減。
以上の軽量化により、相対的にフロント荷重を大きく軽減し、加減速性能とともにコーナリング性能向上に寄与しています。

■高出力化したエンジンの特性を活かすクロスギアレシオを採用

高回転化により広がったエンジンのダイナミックレンジを有効に活かし、小気味よい走りを堪能できるよう、2速から5速までのレシオを低く設定したクロスレシオのトランスミッションを採用。よりダイナミックなスポーツドライビングを可能としました。


●性能向上による重量増加項目
ハードサスペンション&ハイグリップタイヤ 5.500kg
ヘリカルLSD 1.500kg
パフォーマンスロッド追加&アルミ化 3.440kg
ボディ強化板厚アップ 1.711kg
ホイールボルト&ベアリング強化 0.704kg
テールゲート廻りの強化 0.313kg
エキゾーストパイプマウントラバー硬度アップ 0.140kg
レカロシート 6.647kg
フロントスポイラー追加 1.034kg
リアスポイラー追加 2.900kg
1.160kg
合計 25.049kg


●軽量化項目
フライホイール軽量化 −0.750kg
エンジン、排気系軽量化 −3.329kg
ラジエータアルミ化 −1.350kg
バッテリー小型化 −3.000kg
軽量アルミホイール −5.200kg
フロアのメルシート廃止 −10.665kg
ダッシュボードのインシュレータ廃止 −3.869kg
フューエルタンクのウェーブアブソーバー廃止 −0.450kg
フロアの遮熱板廃止 −0.272kg
スペアタイヤリッド樹脂化 −0.997kg
左側フロントストッパーブラケットアルミ化 −1.300kg
MOMO社製小径ステアリングホイール −0.700kg
リアワイパー −1.851kg
オーディオ&アンテナ(オプション) −5.665kg
エアコンディショナー(オプション) −18.700kg
−6.919kg
合計 −65.017kg
(数字は3ドアクーペのSiR-GとTYPE Rを比較したものです)


トランスミッション・ギアレシオ比較
  ベースモデル TYPE R (%)
ファイナル 4.400 4.400
1速 3.230 3.230
2速 1.900 2.105 10.8
3速 1.360 1.458 7.2
4速 1.034 1.107 7.1
5速 0.787 0.848 7.8



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