INTEGRA - 1995.08

INTEGRA
FACT BOOK
INTEGRA TYPE R
高性能化テクノロジーの概要

■高出力化のためのチューニング

全域にわたりスムーズかつパワフルな走りを可能としたベースエンジン、DOHC VTEC B18C型を、傑出した高回転域の伸び、ピックアップ性能を発揮する高出力エンジンとするために以下の技術を採用しチューニングを行いました。

【1】高圧縮比を実現したピストン、安定燃焼のための高熱価白金プラグ
伸びのある高出力エンジンとするために、ピストンの形状を変更し、圧縮比を高めています。ただピストンヘッドを盛り上げるだけでなくピストンヘッド内部の肉厚を削り込み、ピストン重量を増加させることなくベースエンジンの10.6から11.1へと大幅な圧縮比アップを実現しました。
さらに、熱価7番の高性能白金プラグを採用することで、燃焼温度が高まる高回転域においても安定的な燃焼を実現しています。


【2】吸排気損失低減技術
高圧縮比を実現した燃焼室に、より大容量の混合気を送り込むため、これまでデュアル構造だったインテークマニホールドをシングルポート化。シンプルかつ口径を広くとれるこのポートの採用により、特に高回転域の吸気量が増加しました。さらに、エアインテーク開口径を65mmから70mmに、またスロットルボディも2mmアップの62mm開口とし、バルブシート開口角度を従来の60度から45度とより鋭角化。
さらに吸入口をフェンダー内に開口することで、よりフレッシュで温度の低い外気を直接吸気させ、高出力化を図りました。
また、吸気とともに排気系においても各部のパイプ径を上げ、エキゾーストパイプの集合部を鋭角化し、大幅な排気抵抗ダウンによる損失低減を図りました。さらに新しく開発した大流量サイレンサーを搭載。スムーズな排気を実現することで、高回転域の排圧を減少させるとともに、中・低回転域の排気慣性を高めて吸気効率も向上。あわせて出力向上に大きく貢献しました。また、高い信頼性と軽量化のために排気系システムをオールステンレスとしています。さらに、TYPE Rとしてのスポーツマインドを高める心地よいエキゾーストサウンドもあわせて実現しました。


比較図
比較図 比較図
エアインテーク径をアップしストレート化した上で、外気を直接取り込めるフェンダー内開口とし、吸入抵抗と温度の低減をめざした新システムを採用しました。 パイプサイズアップ、集合部の鋭角化、サイレンサー内のパイプ形状をファンネル化することで排気抵抗を低減。また、軽量・高剛性化のためにエキゾースト部品をオールステンレス化しました。


【3】追随性を高めたバルブメカニズム
インテーク側のバルブ本体の軸を細径化した上でバルブ傘部を薄くして軽量化するとともに、バルブスプリング強化と軽量化を両立するために断面を楕円とした大小径2つのスプリングを重ねる構造を採用。高回転域でのバルブジャンプを防ぎ、スムーズなバルブ追随性を実現しました。
インレット側のバルブ形状比較写真
インレット側のバルブ形状比較写真



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