FACT BOOK
INSPIRE
INSPIRE 2007.12.19
Driving〈静粛性〉
不快なノイズを消し、力強いエンジン音を活かした、ドライビングに心地よい静粛性。
振動・騒音を発生源で低減したうえで、ボディやシャシー各部の剛性を徹底して高めるなど、エンジンノイズやロードノイズの原因となる振動の室内への伝達を効果的に抑制。さらに、室内に侵入するノイズの遮音・吸音処理を適所に施しました。その結果、上級セダンにふさわしい静かさに加え、クルマの加速にリニアな心地よいエンジン音を楽しめる、ハイレベルな静粛性を実現しています。
エンジンまわりの静粛性。
サイドマウントとトランスミッションアッパーマウントを慣性主軸付近に配置し、エンジンの制振性を向上。可変シリンダーシステム〈VCM〉に対応した、アクティブコントロールエンジンマウントやアクティブノイズコントロールを採用し、気筒休止時にも優れた静粛性を発揮します。また、エアインテークなど吸気系の容量や形状を工夫し、エンジン回転にリニアな吸気音を実現しています。
エンジン振動を予測し打ち消す作動を行う、アクティブコントロールエンジンマウント。
エンジン振動の変位をクランク回転変動から推定して打ち消す作動により、気筒休止時のエンジン振動を抑えるアクティブコントロールエンジンマウント。エンジンの前後を支持するこのマウントは、液封マウントの下部に内蔵したアクチュエーターを、エンジン振動に対し同位相・同周期で伸縮させることで振動を吸収。気筒休止状態であることを感じさせない高い防振性能を実現します。Newインスパイアでは、VCMの3モード化に伴いアクチュエーターを高出力化。さらに気筒休止時やアイドリング時に限らず、発進・加速時などでも効果を発揮する新制御を採用しています。
■エンジンマウントシステム構成図
エンジンマウントシステム構成図
■エンジンマウント構造図
エンジンマウント構造図
■エンジンマウント概念図
エンジンマウント概念図
気筒休止時のこもり音を打ち消す、アクティブノイズコントロール。
気筒休止時などのエンジンからのこもり音をさらに低減するために、こもり音と逆位相の音を発生して打ち消す、アクティブノイズコントロールを採用しました。エンジン回転パルスをもとに、制御対象の周波数を特定し、打ち消し信号を生成。オーディオスピーカーから音として出力し、こもり音を低減します。さらに、ルーフ前端部とリアトレイに内蔵したマイクロホンからの入力を常に分析し、打ち消し信号を随時更新することで精度を高めています。
■アクティブノイズコントロール概念図
アクティブノイズコントロール概念図
シャシーまわりの静粛性。
サスペンション取り付け部を徹底的に強化したうえで、リアサブフレームをフローティング支持。フローティング・ラバーには、前後方向にコンプライアンス特性を、上下方向にロードノイズやショック音を低減する特性を持たせました。さらに、リアナックルのアルミ化や徹底したシミュレーション解析により、サスペンションからの振動入力を効果的に低減しています。
■リアサブフレーム構造図
リアサブフレーム構造図
キャビンまわりの静粛性。
ピラーの結合部を強化するなどボディ剛性を高めることで、ボディパネルの共振を抑え、こもり音を低減。センターピラー、リアホイールハウス、トランクまわりの板合わせ部を平らにし、穴や隙間をなくしたうえで、各ピラーの下部に発泡ウレタンの遮音材を配置することで音の侵入を抑制しています。そのうえで、室内を囲むように軽量で高性能な吸音材を効果的に配置。さらに、路面からのノイズをより効果的に防ぐために、下側を遮音層、上側を吸音層とした吸遮音カーペットを新たに採用し、静粛性向上と軽量化をより高次元で達成しています。また、サイドシルおよびリアホイールハウス下面に発泡性のアンダーコートを塗布することで、石はねによるノイズの低減も図っています。
■ボディの防音処理説明図
ボディの防音処理説明図
■遮音・吸音材配置図
遮音・吸音材配置図
風切り音の低減。
ボンネット後端部やフロントピラー、ドアミラーを空力効果の高い形状にするとともに、デザインブレードワイパーやフロントスポイラーを採用。風をスムーズに後方へ流すことで風切り音を大幅に低減しています。
■風切り音低減説明図
風切り音低減説明図

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