INSPIRE

クルマのすべての性能を支える基礎となるボディには、さまざまな性能をすべて高いレベルで達成することを求め、CAE（コンピュータによる強度・剛性・衝突解析）を駆使するとともにテストコースでの走り込みを重ね、精度の高い、高効率なボディ設計を行いました。軽量部材の採用を拡大したうえで板厚や断面形状の最適化を追求し、結合強度も徹底して高めることで軽快な運動性能やゆとりの室内空間、優れた衝突安全性能を高次元で融合した、軽量かつ高剛性のボディ骨格を完成。さらに、空力性能を向上するなど、走行安定性や燃費性能、静粛性などを高いレベルで実現しました。また、外観品質の細部にまでこだわるなどクルマ全体としてのトータルクオリティを追求しています。

極めて高い効率を実現した、軽量・高剛性ボディ。

ホイールベースを拡大しながら、ねじり剛性を約20％向上させるなど極めて高い静剛性を達成。さらに、フロントとリアの剛性バランスの適正化や各部の結合強度を高めたことにより、フロント左右剛性で約36％、リア上下剛性で約33％高めるなど、ハイレベルな動剛性も実現しています。また、ボディの骨格主要部材の約48％に軽量で強度の高いハイテン材（高張力鋼板）を採用。剛性を高めながら大幅な軽量化を達成しています。
比較数値は従来モデル比

■ハイテン材配置図

［フロントまわりの高剛性化］

ロアメンバーを追加し、メインフレームとの結合を強化したうえで、左右のダンパー取り付け部を結合するストラットタワーバーを追加。フロント左右剛性を向上し、応答性に優れたハンドリングを実現しています。さらに、ステアリングハンガービームを左右のフロントピラーを結合する剛性部材として活用しています。

■フロントまわり高剛性化説明図

［リアまわりの高剛性化］

リアシート後方のリアバルクヘッドに、閉断面部材を環状に配置する構造を採用。剛性を大幅に高めるとともに、トランクスルー時の開口を拡大し、使い勝手も向上しています。さらに、リアピラーの閉断面構造を延長し、リアパネルとスムーズに結合したほか、リアインサイドメンバーを追加。この結果、接地感の高い安定した走りとフラットな乗り心地を実現しています。また、リアフレームには、従来の上開放の「コ」の字断面に加え、その上部に逆向きの「コ」の字フレームを配し、大断面かつ閉断面の構造を実現。後面衝突に対する衝撃吸収性能を高めています。

■リアまわり高剛性化説明図

［フロアまわりの高剛性化］

フロントフロアフレームを室内側に配置するインナーフレーム構造を採用。これにより、衝突時に高い応力がかかる部分への高強度部材の効率的な配置が可能となり、軽量でありながら優れた衝突エネルギー吸収効率を達成しています。また、この構造により低床化と、空力性能に優れたフラットなアンダーフロアを実現しています。

■フロアまわり高剛性化説明図

フラットなアンダーフロアが生み出す、優れた空力性能。

高速走行時の安定性や静粛性、燃費などさまざまな性能に関わる空力を追求しました。フロントフロアのインナーフレーム構造により実現したフラットなアンダーフロアに加え、ボディ下面へ効果的に空力パーツを配置。三次元形状のキャビンや徹底したフラッシュサーフェス化などと合わせ、優れた空力性能を実現しています。

■フラットなアンダーフロアおよびボディ下面空力処理

低慣性化も追求した、走りのための軽量化。

走行性能や燃費性能の向上に寄与する軽量化をボディ全体にわたって推進。ボディ骨格にハイテン材（高張力鋼板）を広範囲で使用したうえで、各部の構造を合理化して効率よく強度を確保しました。さらに、ボディ部品や、サスペンション部品などに積極的にアルミ材や樹脂を使用したほか、防音アンダーコートや室内の吸音材に軽量で高性能な材料を採用するなど、骨格や部材レベルで大幅な軽量化を実現。従来部材、従来構造を採用した場合に対して約26kgの軽量化を達成しています。また、車体の重心から遠い部分を積極的に軽量化するとともにフューエルタンクなどの重量物を車体重心に近づけることで、さらなる運動性能向上に寄与しています。
数値はHonda測定値

細部にわたり外観品質を追求。

フロントワイパーに従来のものより高さを抑えたデザインブレードを採用。外観品質と高速走行時の払拭性能を高めるとともに、風切り音の低減にも貢献します。また、サンルーフ外周部のシール部材をスリム化したほか、ドアサッシュのインナー部に樹脂ガーニッシュを備えるなど、細部にわたり質の高いしつらえを施しています。


デザインブレードワイパー