Inspire SABER - 1995.02

INSPIRE/SABER
Inspire SABER
 
BODY
イメージ写真

すぐれた操縦安定性と
しなやかな乗り心地を両立した、
高剛性モノコックボディ。
ハンドリングと乗り心地を高次元で両立するためには、ボディの高剛性化が不可欠です。そのため、ボディの開発にあたり、北海道鷹栖町に新設した最新のテストコースにおいて、さまざまな走行条件のもと幾度となくテスト走行を繰り返し、改良と熟成を重ねました。
その結果、計測機械では計りきれないフィーリング的な剛性感も含め、きわめて高い剛性をもつモノコックボディを完成させました。具体的には、縦置エンジンレイアウトにより、もともと剛性の高いフロントサスペンション部に対して、リアのサスペンション周辺部の剛性をバランスさせることを目的として、リアバルクへッドに新構造を採用しました。まずリアフロア上面にクロスメンバーを設け、リアの左右のホイールハウス間を継ぐことで結合効率を向上。加えて、大型のバルクヘッドセンターやパーセルスティフナーを採用し、リアバルクヘッド部の剛性を高めています。

さらに、ミッドクロスメンバー部には大型のリアシートスティフナーを、リアピラー部には大型ダンパースティフナーを採用して剛性をアップ。このようにリアサスペンション取り付け部の剛性を高めることで、サスペンションからの入力をボディに効率よく配分。リアの追従性を高めることで、操縦安定性と乗り心地を両立しています。

高剛性モノコックボディ

4分割ハニカムフロアやサンドイッチメルシートなど、
従来比約1.5倍の遮音材・制振材を用いて、
卓越した静粛性をもたらした低NVH設計。
つねに静かで振動の少ない快適な乗り心地を実現するために、遮音材・制振材を必要な部分には効果的に配置するなど、徹底した対策を施しました。
たとえば、トゥボード部には多層構造のサンドイッチメルシートを配し、パワーユニットからの透過音や振動を遮断しています。
また、前後席の足元には、軽量・高剛性で、しかも制振効果にすぐれた4分割ハニカムフロアを採用。さらに後席の座面の下に配した高ダンピングメルシート、そしてリアピラー充填材などによって、走行時のフロア振動およびロードノイズを抑えています。
ハニカムフロア構造図

ハニカムフロア構造図

ステアリングの支持剛性を大幅に向上させた、
高剛性ステアリングハンガー。
ステアリングハンガーの構造を専用に新設計しました。まずハンガー本体をコーンタイプとして断面を大型化、剛性の向上を図っています。さらにハンガーの取り付け点を増やすとともに、取り付け部にブラケットを追加することなどで、ステアリングの支持剛性を向上。中空ステアリングシャフトとあいまって、しっかりとしたステアリングフィールを確保しています。

両面亜鉛メッキ鋼板を採用。
徹底した防錆処理を施したロングライフボディ。
美しいフォルムを永く保つために、きわめて錆に強い亜鉛メッキ鋼板をふんだんに用いました。加えて、ルーフを除くアウターパネルには、内側だけでなく外側にもメッキ処理を施した両面亜鉛メッキ鋼板を採用。これにより、チッピングによる錆やパネルのエッジ部に発生する錆を防止しています。
両面亜鉛メッキ鋼板使用部位
グレー部分 両面亜鉛メッキ鋼板使用部位

設計の合理化、新技術の採用、材料置換など、
随所で軽量化対策を実施。
静粛性をはじめ、走行性能、居住性、快適性、安全性など、すべてを妥協することなく満足させるため、新機構や新部材などを積極的に採用しました。
その一方で、設計の合理化、あたらしい製造技術の採用、軽量素材への置換など、さまざまな軽量化対策を実施しています。
ボディでいえば、部材間の結合効率を高め、剛性を最適に配分することで、板厚等を見直しています。また、高剛性で軽量な制振材ハニカムフロアの採用。さらに薄肉化したフロントとリアのバンパーフェースや、芯金を用いず軽量素材で一体成形したサイドプロテクターなどが、軽量化に寄与しています。
このように随所で軽量化を行なうことで、約50kgもの軽量効果を獲得。その結果、キャビンサイズを拡大し、かつ高性能化を図りながらも、旧インスパイアにくらべて車重で約10kgの軽量化を達成しました。

ボディ



←前のページへ ---目次へ ---次ページへ→