Inspire SABER - 1995.02

INSPIRE/SABER
Inspire SABER
CHASSIS イメージ写真

新設計によりフロントのジオメトリーを最適化。
操縦安定性としなやかな乗り心地を追求した
4輪ダブルウイッシュボーン・サスペンション。
高い基本性能をもつ4輪ダブルウイッシュボーン・サスペンション。インスパイア/セイバーに採用するにあたり、フロントサスペンションを構成するアーム類の取り付け位置や角度を検証し、新設計することで、ジオメトリーの最適化を図りました。

■ネガティブ・スクラブオフセットの採用
オフセット量をマイナス方向とした、ネガティブ・スクラブオフセットを採用し、左右の路面の状態が変化した場合でも、すぐれたブレーキスタビリティを発揮します。またキングピンオフセットも小さく設定。ラジアスロッドブッシュへの高減衰材料の採用とあわせ、走行時のステアリング振動(シミー)の発生を抑えています。
■大きめのキャスタートレール設定とトー変化の最適化
キャスタートレールを大きく設定し、直進性とライントレース性能を向上させています。

■トー変化、トレッド変化の縮小
ロールセンターを低く設定してトレッド変化を少なくしたうえで、トー変化も最適化を図ることで、高い操縦安定性を実現しています。

サスペンション・ジオメトリー

液封トレーリングアームブッシュを新採用した、リアサスペンション。
トレーリングアームのブッシュに液封タイプを新たに採用。この液封ブッシュが、ハーシュネスを効果 的に吸収することと、上下方向の動ばねを大幅に低減して低周波域の不快な音やロードノイズを抑えることを両立しました。

液封トレーリングアームブッシュ構造図
液封トレーリングアームブッシュ構造図

「ソリッド」と「スポーティ」。
2つの、あたらしい乗り味を実現。
前述のようなサスペンション設計により、足まわり全体にソリッドな特性をもたせることで、すぐれた直進性など爽快なドライブ感覚に加え、さまざまな走行状況で、つねになめらかでフラットな乗り味を実現。25XG、25G、20G(Gシリーズ)の走りとしました。これを基本としながら、ダンパーのチューニングやスタビライザー、タイヤ、パワーステアリングの設定を変えることで、25Sには、よりスポーティなハンドリング特性をもたせています。
〈Gシリーズと25Sの違い〉
 

25XG、25G、20G

25S

フロントスプリングバネレート

3.6kgf/mm

4.0kgf/mm

フロントスタビライザー

φ28.6×t4.0

φ28.6×t4.5

リアスタビライザー

   

φ17.3×t2.6

タイヤ

195/65R15 91H

205/60R15 91H

リアサスペンション図 フロントサスペンション図

リアサスペンション図

フロントサスペンション図

低フリクションHPVダンパーを採用。
さらにダンパーマウントラバーも大径化。
封入ガス圧をより低圧とし、ピストンの締め代をダウンさせることで、フリクションを低減するHPV(ホンダ・プログレッシブ・バルブ)ダンパーを採用しました。同時に、フロント、リアともにダンパーマウントラバーを大径化し、素材には低動倍材を用いることで、サスペンションからボディへ伝わる振動を極力、遮断しています。
これらの効果により、さまざまな路面状況にしなやかに応答する、ひときわ上質な乗り心地を実現しました。
ダンパー透視図
ダンパー透視図
人間の感性に、まさに“ナチュラル”。
新開発・車速感応型ロータリーバルブ式パワーステアリング。
操舵感覚にすぐれたロータリーバルブ式のパワーステアリングに、車速感応機能を取り入れました。この新パワーステアリングの最大の特長は、ロータリーバルブユニットに設けた高速用と低速用のバルブにあります。この2組のバルブへのオイルの流れを、車速センサーおよびアシストコントロールバルブユニットによって制御します。これにより、車速および旋回Gの変化に対するパワーアシスト量を最適とし、据えぎり時の軽さから高速時の安定感まで、ドライバーの意志に即したナチュラルな操舵感覚をもたらします。
また同時に、油圧のきめ細かなコントロールとあいまって、路面からのキックバックも大幅に低減しています。

Photo:インスパイア25XG
Photo:インスパイア25XG



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