CONCERTO - 1988.06

CONCERTO


CONCERTO
 
BODY & QUALITY

静粛性や防錆への、きわめて入念な配慮。

室内音響敏感度解析


ホンダ・オリジナルの先端技術。 室内音響敏感度解析。
高い静粛性を達成するために、コンチェルトはさまざまな先進技術を採用しています。なかでも、ホンダ独自の画期的な手法《室内音響敏感度解析(Dynamic Optimization System Analysis)》を全面的に適用。従来、車室内の振動・騒音を抑えるためには、ボディの重量増加が避けられず、トータルでの性能バランスを保つことは難しいとされていました。しかし、ホンダの室内音響敏感度解析は、どの部分にどのような対策を施せばよいかが一目瞭然にアウトプットされ、それにより効率的な対策が行えます。コンチェルトでは、この新手法により的確な振動・騒音対策が可能となり、静かな走りを実現しました。

徹底した吸・遮音設計により、心地よい静かさを実現。
フロアパネル断面
フロアパネル断面
●サンドイッチ構造ダッシュボード・パネル
エンジンルームと居住空間をへだてるダッシュボード・パネルには、サンドイッチ構造を採用。2枚のスチールパネルの間に、静粛性を高めるインシュレーション材をはさみ、エンジンルームからの透過音を効果的に抑制します。しかも、室内インシュレータは表皮密度の高いものを広い面積に使用し、優れた効果をあげています。
●遮音性の高いフロア構造
キシミ音、こもり音、フロアの振動などといった不快な振動現象N.V.H.(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)を極力防ぎ、快適な乗り心地を実現するために、コンチェルトはきわめて高性能なフロアを採用しました。まず、フロアトンネルのチェンジレバー・スティフナーを2重トンネル構造とし、ボディ構造部材としても効果的に使用。次にフロアパネルについては、左右を非対称の曲面構成としたうえで、全面にディンプル加工を施した独自のビード形状に。これにより、フロアパネルの振動を効果的に抑えています。また、フロアインシュレータは2層式としました。これら数々の技術の採用により、軽く、遮音性が高く、振動の少ないフロア構造が生まれました。

●その他にも数々の技術を採用し、振動・騒音の低減化を図りました。
エキゾーストパイプに、フレキシブル・チューブと球面 ジョイントを採用。排気系からの振動、騒音への対策として、この組み合わせを採用。これにより、コンチェルトはアイドリング時や発進時の振動を低く抑えました。(JL、JG、JX、JX-i)
中空ドライブシャフトの採用(JL、JG、JX)
テールパイプマウントの採用(JL、JG、JX、JX-i)
発泡メルシートを採用した制振材を使用

高いステアリングの取付剛性

フレキシブル・チューブと球面ジョイント

●慣性主軸式エンジンマウント
慣性主軸式エンジンマウント
慣性主軸式エンジンマウント
アイドリング振動の車体への伝達レベルを減少させるために、エンジンの慣性主軸上の左右にメインマウントを配置。また、発進時や制動時の振動の低減のためには、エンジンのトルク変動をスムーズに制御するラバーマウントを、エンジンの前後にワインドストッパーとして最適にセッティング。優れた剛性と静粛性をもつエンジン本体と相まって、N.V.(ノイズ、バイブレーション)など不快な現象の低減を高レベルで達成しました。

高品位塗装が実現する、美しい外観と優れた耐久性。
コンチェルトの高い品質を裏付けるのが、入念な塗装処理。きわめて丁寧な3コート・3ベーク(3層塗装・3層焼き付け)が、高品位なボディ外観と優れた耐久性をもたらしました。しかも、完全自動化された新設計の塗装ラインにより、よりいっそうの均一塗膜を実現し、つややかで美しいボディ面が生まれました。また、特に細心な防錆対策は、何よりも基礎にこだわるコンチェルトならではの主張です。まず下塗り工程であるカチオン電着塗装では、ハイビルド化(厚膜化)を実現。ディッピング時の車体揺動(電着用塗料槽に、車体を揺らしながら漬ける)や最適角度での入出槽、電圧の細かいコントロールなど、さまざまな工夫により塗料の付着量を増大させています。また、耐チッピング効果を発揮する中塗り塗膜を実現しました。さらには、塗料の「つきまわり」が難しい袋構造部のすみずみには、浸透しやすいHOT WAXを塗布。そして、アンダーボディまわり全域に、耐チッピング性に優れた塩ビゾルコートを塗布するなど、防錆対策には細やかな配慮を尽くしました。

高品質 3コート・ペーク塗装
塩ビゾル・アンダーコーティング
AA BB CC



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