ACCORD - 1997.09

ACCORD/TORNEO/ACCORD Wagon
fact
ACCORD
走行性能


SUSPENSION


5本のストレートアーム構造とワッツリンク配置による
ダブルウイッシュボーン方式。

優れた直進安定性と、旋回時、制動時のトーイン特性を発揮。



フロントサスペンション:
さらに熟成を施し、旋回フィールを向上させた
ダブルウイッシュボーン・サスペンション。


ACCORD
TORNEO
ACCORD WAGON



■5本のストレートアームによるマルチリンク化を実現。
サスペンションには、主にアームに入力される駆動時や制動時などの前後方向の力と、旋回時などの横方向の力、そして主にダンパーに入力されるタイヤストロークの上下方向の力が働きます。この前後方向と横方向の力をしっかりと受け止め、基本的に上下ストロークのみを運動させるために、ホンダは5リンクを採用。5リンク化することで前後方向と横方向の力をアームの軸方向にのみ入力させることが可能となり、アームのストレート化とともに軽量でシンプルな構成を実現。すべてのアームを高剛性サブフレームに取り付ける構造としました。これにより、上下ストロークのみをダンパーでコントロールさせることで、優れた操縦安定性としなやかな乗り心地を高次元で両立しています。なお、5本のストレートアーム化は、世界共通フレキシブル・プラットフォームの開発に伴う高剛性サブフレームの実現によって可能となりました。


◆5リンクサスペンションの特性 (両端回転支持構造のアーム使用)

3リンクの場合

3リンク 上下ストローク、前後ストローク、回転方向へ変位。
=3方向変位

4リンクの場合

4リンク

上下ストローク、回転方向へ変位。
=2方向変位

5リンクの場合

5リンク

基本的に上下ストロークのみ変位。
=1方向変位


■世界初・ワッツリンク配置ダブルウイッシュボーン方式。
路面からの入力に対してリアタイヤが斜め後方に上下するよう、トレーリングアームとリーディングアームをワッツリンク配置としました。
従来までのアーム配置ではタイヤストロークのホイールセンター軌跡が曲線であったものを、ワッツリンク配置にすることで斜め後方に直線的にストロークさせることができ、車軸軌跡後傾角(路面に対するホイールセンター軌跡の角度)の最適化を実現。路面から受ける前後入力を大幅に低減し、ハーシュネス特性を向上しています。しかもこの角度は乗員数や荷物量に関係なく確保できるので、常に同一の特性が得られます。
ワッツリンク配置
◆ワッツリンク配置


リアホイールの前後変位量
◆リアホイールの前後変位量



■居住スペースやトランクスペースの拡大を実現。
すべてのアームをインホイール配置にしてコンパクト化を実現し、同時にワッツリンク配置によってタイヤを斜め後方に直線的にストロークさせることで、キャビンへのタイヤハウスの侵入量を低減。
居住スペースを後方に広げ、さらに荷室スペースの拡大も実現しています。

キャビンへのタイヤハウスの侵入量を低減


■直進時特性
トレーリングアームとロアアームの取付点軸線と、リーディングアームとアッパーアームの取付点軸線を平行にすることによって、タイヤストローク時のトー変化を少なく、かつ直線化。これにより、直進時の外乱に対して車両の進路変化を抑制しています。また、ロール時の応答性が高く、アンダーステアの低減にも貢献しています。


上面

リアホイールのトー変化
◆リアホイールのトー変化



■トーイン特性

旋回時
アッパーアーム、ロアアーム、コントロールアームをタイヤに対して横方向(垂直)に配置するとともに、ストレート化することでサイドフォースに対する高剛性を実現。しかもホイールセンターからのアーム取付点のスパンを、ロアアームのスパンに対してコントロールアームのスパンを長く取ることで、ロアアームの変位を大きくし、トーインを増大。旋回時における追従性の高い操縦安定性を獲得しました。

トーイン特性/旋回時


制動時
トレーリングアームとリーディングアームを斜めに配置することで、制動時の入力によるトーインを増大。しかもオフセット配置のコントロールアームはほとんど変位しないことから、より的確なトーイン特性が得られ、制動時の操縦安定性を確保しています。


トーイン特性/制動時


旋回時のフィーリングをより高めた、フロントサスペンション・チューニング。
フロントには、直進安定性や乗り心地に優れた従来のダブルウイッシュボーン・サスペンションを踏襲したうえで、すべての部品やアライメントを見直し、熟成化を図るなど、細部にチューニングを施しました。さらに、ロールセンター高をより低く設定し、旋回時のコーナリングフォースによるジャッキアップ力を低減。内輪接地性を高め、アンダーステア抑制力をよりハイレベルにするなど、旋回フィールの向上を図っています。 ダブルウイッシュボーン・フロントサスペンション(左側)
◆ダブルウイッシュボーン・フロントサスペンション(左側)



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