ACCORD - 1997.09

ACCORD/TORNEO/ACCORD Wagon
fact
ACCORD
走行性能


TRANSMISSION


7ポジション電子制御4速オートマチック:
クラッチ圧をダイレクトにコントロールし、スムーズな加速フィールを実現。
スポーティなSマチック搭載車も設定。
 
5速マニュアル:
シフトフィーリングを向上。


ACCORD
TORNEO
ACCORD WAGON



スポーツ性の高い、スムーズなシフトフィールが得られる、
フルダイレクト制御4速オートマチックトランスミッション。
変速時のクラッチ油圧を最適にコントロールし、滑らかな変速を行なう、フルダイレクト制御オートマチックトランスミッションを新採用しました。従来までの制御ではアクセルペダルの踏み込み量に応じて発生する油圧によってアキューム背圧をコントロールすることで、変速ショックを緩和していたのに対し、ダイレクト制御ではクラッチ圧のON/OFFを、リニアソレノイドが直接コントロール。これにより、変速ショックをより精密に制御することができ、スムーズな加速フィールを実現しています。しかも、低負荷時の変速ショックをさらにやわらげるために、クラッチピストンのチェックバルブを廃止。それによってシャフト回転時に生じる遠心油圧を、キャンセラー室内の遠心油圧によって軽減する、クラッチキャンセラー機構をNewアコードシリーズで初めて採用しています。また、ダイレクト制御システムの採用により、従来のシステムに対して部品点数の大幅な削減とコンパクト化を達成。スポーティな走りにふさわしく、そのうえ高品位なトランスミッションとしています。


フルダイレクト制御4速オートマチックトランスミッション透視図

◆フルダイレクト制御4速オートマチックトランスミッション透視図



■先進のスポーツ・オートマチック、Sマチック搭載。
ドライブシーンに応じてATモードとシーケンシャルモードが自由に選択できるSマチック。フルダイレクト制御システムによってスポーティなシフトフィールを獲得したうえで、シーケンシャルモードについては、マニュアル車を超えるダイレクトでスポーティな走りをめざし、シフトチェンジの応答性にこだわりました。ドライバーがシフトレバーを+あるいは一側に操作(スイッチON)してから変速を開始するまでの「タイムラグ」と、変速を終了するまでの「変速時間」のそれぞれに目標値を設定。タイムラグは0.4秒以内、変速時間は1.0秒以内を目標に、シフトアップ/シフトダウンすべての変速パターンを検証。結果としてあらゆる変速パターンで目標値を達成し、クイックでダイレクト感のある応答性を実現しています。
(アコード&トルネオSiR、アコード・ワゴン全タイフに搭載)


Sマチックタイムラグ/変速時間
(目標値:0.40/1.00):秒
変速パターン

変速ポイント

アクセル開度

タイムラグ/変速時間

1-2

3,000rpm
5,000rpm

2/8
8/8

0.26/0.84
0.30/0.72

2-3

3,000rpm
5,000rpm

2/8
8/8

0.28/0.72
0.36/0.78

3-4

3,000rpm
5,000rpm

2/8
8/8

0.38/0.67
0.40/0.86

4-3

100km/h

0/8
8/8

0.20/0.70
0.06/0.54

3-2

80km/h

0/8
8/8

0.24/0.89
0.30/0.90

(データ:アコード&トルネオSiR)



Sマチック Sマチック

Photo:アコードSiR

◆Sマチック


ゲート型スティクロード採用。
Sマチック車には、ゲート式のATシフトポジションを採用。より確実なシフト操作とともに、スポーティで上質なシフト感覚が得られます。

■その他のオートマチックトランスミッション技術。

プロスマテックを採用。
ドライバーのシフト感覚に合ったスムーズな変速を行なうことで定評の、ホンダ独創の変速スケジューリングシステム。登坂路ではファジー推論制御によって頻繁に起こりがちな変速を抑え、ドライバーの意志に沿った最適なギアをキープ。降坂路や平坦路では走行状況に応じた適切な変速やエンジンブレーキ効果が得られます。

PROSMATEC


アクティブロックアップ機構を採用。
アクティブロックアップとは、ロックアップクラッチへのロングトーションダンパー機構の採用と高精度のロックアップ制御による、ホンダの新しいロックアップシステムです。ロングトーションダンパー機構によりエンジンからのトルク変動を減衰することで車体振動を低減し、ロックアップ領域の拡大を図りました。また加速領域においては、目標トルクコンバータースリップ率に収束させるフィードバック制御をエンジントルクや走行状況に応じて最適にコントロールすることで実用燃費を向上。さらに「走りと燃費の両立」として、アクセルペダルの踏み込み速度からドライバーの加速意志を判断してファインコントロールを行ないます。ゆっくりした踏み込みの場合にはロックアップを強めに制御し、トルクコンバーターのスリップを少なくして燃費に寄与させ、早い踏み込みの場合はロックアップを弱めに制御してトルクコンバーターのトルク増幅作用を利用し、力強い加速を実現しています。 フルダイレクト制御4速オートマチックトランスミッション構造図
◆フルダイレクト制御4速オートマチックトランスミッション構造図

ギアノイズを低減し、ミッション静粛性を向上。
ギアノイズの発生源であるギアの噛み合いを見直して噛み合い率を高め、さらにアイドルギアの右側にベアリングを追加して両側支持とし、ギアの倒れを抑制することでギアノイズの低減を図っています。




操ることの醍醐味、5速マニュアルトランスミッション。
シフトフィーリングを向上するために、クラッチライニングの高μ化および耐摩耗性を高め、サイズダウンを実施し、シンクロ負荷を低減。
さらにシフトストロークを10%ショート化し、スポーティな5速マニュアルに仕上げています。なお、200PSの走りを実現したアコード&トルネオSiR-Tには、操る楽しさを存分に堪能していただくために、あえて5速マニュアルのみの設定としています。
(アコード&トルネオSiR-T、2.0VTS、1.8VTS)
5速マニュアルトランスミッション
Photo:アコードSiR-T


■DOHC VTEC専用にローレシオ化。
2.0L DOHC VTECエンジンのポテンシャルを余すところなく引き出すために、AT車、MT車ともに専用のギアレシオ設定を施しました。AT車は最終減速比を7.2%ローレシオ化。またMT車は、2速から5速までと最終減速比の各ギアをそれぞれローレシオ化し、エンジン特性とのマッチングを最適化。優れた加速性能と、高回転までスムーズで伸びのある吹き上がりを獲得しています。


オートマチック車のシフト装置には

ブレーキペダルを踏まないと、セレクトレバーの[P](駐車)位置からのシフト操作が行なえないシフトロック機構

[P]位置にある時のみイグニションキーを抜くことができるキー・インターロック機構

[R](後退)位置にあることをチャイムでドライバーに知らせる後退位置警報装置が装備されています。



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