ACCORD - 1993.09

ACCORD

ACCORD
 
SUSPENSION, TRANSMISSION & BODY



Transmission
 
より人間の感性に近いシフトフィーリングを。
PROSMATEC(Type-II)採用の新4速電子制御オートマチック(SiR 2.2VTL 2.2VTE)
新アコードでは、VTECエンジンとコンビネーションを組むオートマチックに、先進のシフトスケジュール機構PROSMATECをはじめ、快適走行のためのさまざまな新設計を投入した「新4速電子制御オートマチック」を採用しました。変速ショックの低減やチェンジフィーリングの大幅向上が達成されるなど、ドライバビリティに富み、さらにスムーズで使い勝手にすぐれたオートマチックとなっています。
 
登坂・降坂、減速・再加速時、知能的にシフト制御。
PROSMATECは、さらに進化して第2世代へ。
PROSMATEC(Progressive Shift ScheduleManagement Technology)とは、ドライバビリティの向上を目的に、さまざまな走行状態に適したシフト制御を行なう知能的な変速スケジューリングシステムです。頻繁な自動変速を防ぎ、スムーズで快適なドライビングを可能にしました。新アコードには、ファジー制御などの採用でさらに使いやすくなったType-IIが搭載されています。
 
その時点の走行状況を把握、無駄のない最適なシフトスケジュールモードを判断。
スロットル開度、エンジン回転数、車速、シフトポジションからコンピュータが平地での予想加速度および走行中のクルマの実加速度を算出。これらを比較演算して、実加速度が予想加速度より小さいときは登坂、大きいときは降坂とし、平地を含め3モードで走行条件を判断。減速の意思判断は、ブレーキ信号等によって行ないます。山岳路はもとより、市街地などの登降坂路でも有効なシステムです。

●UP HILLモード(登坂路)
登坂路と判断すると、3速から4速へのシフト車速は平地での設定より高くなり、3速の走行領域を増加させます。PROSMATEC(Type-II)では、新しくファジー制御を採用。3速-4速の変速点を連続的に変化させ最適なポイントを選択することで、不要なシフトを徹底して防止、パワフルでスムーズな登坂走行を実現しました。
 
●DOWN HILLモード(降坂路)
降坂路と判断すると、スロットルOFF状態で3速から4速へシフトする車速は平地走行より高い設定となり、3速の走行領域が増加。さらにPROSMATEC(Type-II)では、車速およびブレーキ操作の情報で4速から3速、そして2速へまでシフト。減速ロックアップとの組み合わせによる、軽いエンジンブレーキ効果とともにいちだんとスムーズな降坂走行を実現しました。
 
●CITYモード(市街地)
50km/h以上からの減速時には、コンピュータが減速判断を行ない、4速から3速へと早めにシフトします。これによって、軽いエンジンブレーキ効果が得られるとともに、スムーズな再加速が可能。とくに、コーナーや市街地走行で減速・再加速する際に有効なモードです。
 
PROSMATEC(Type II)
なめらかな変速と、自然なチェンジフィーリング。
オートマチックの洗練で、さらに高品位なセダンの走りへ。
まず、変速ショックを大幅に低減させるため、徹底したコンピュータ解析を実行。油圧制御系の可変制御の導入、クラッチディスクの特性変更などを実施、また、制御を行なうECUも16ビットにグレードアップしました。さらにシフトチェンジのより高質な操作感を求めて、チェンジレバーには各部に新しくブッシュを追加、トランスミッション本体ではディテント特性を最適化するなど入念な見直しが行なわれています。加えて、静粛性の見直しも徹底。とくにリバースギアのアイドルシャフトには、Oリングフローティング機構を採用しました。
 
コンパクト、そして高効率。
しかも多彩な走りを満喫できる高性能7ポジション。
新アコードに採用したオートマチックは、すべて平行3軸方式。エンジンのハイパワー化に対応する高性能を獲得しながら、同時にコンパクト化も達成しています。また、変速やロックアップのタイミングも高精度に電子制御。2速ホールド、1速ホールドの機能は、急坂での発進、下りでの強力なエンジンブレーキなどに威力を発揮します。
 
2.0EXL、2.0EX、EXには高効率な、4速オートマチックを採用。
新電子制御4速オートマチックと同様、7ポジション、平行3軸方式、そしてロックアップタイミングの高度な電子制御機能などを採用した、高効率なオートマチックです。扱いやすさと、リニアな加速感・減速感がもたらすダイレクトな応答性を実現しています。
 
DOHC VTECのパワーをダイレクトに伝達。
5速マニュアルミッション。
SiRには、DOHC VTECの高出力・高回転をフルに引き出す5速マニュアルミッションも設定しました。確実なシフトを約束するために2速には、ダブルコーンシンクロを、1・3・4速には新開発のシンクロナイザーリングを採用。さらに高出力に対応するため3・4速のシンクロサイズを最適化したほか、クラッチフェーシング材の改良により発進のスムーズさを磨き上げるなど、より軽快なシフトフィーリングでスポーティな走行が堪能できるよう、すみずみまでを見直しました。
 

4速オートマチック

 

5速マニュアルミッション

Photo:2.2VTL

Photo:SiR




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