ACCORD - 1993.09

ACCORD

ACCORD
 
ENGINE



高出力・高トルクと低燃費をかつてないレベルで両立。
2.2L新VTECエンジン誕生。

 
パワフルな走りとすぐれた経済性のベストバランスを目指してホンダが世に送り出したエンジン、VTECシリーズは、ふたたびここに革新的な成果を見ることになりました。4気筒・16バルブ・SOHC、2.2L新VTEC。
圧倒的な低燃費と高性能を両立しながら、クランク等の回転部を最適化するなど音・振動対策も万全。真の高性能・低燃費・静粛性を獲得した、これからのセダンにふさわしいエンジンです。
 
2.2L新VTECエンジン

2.2L新VTECエンジン
 


エンジン性能曲線図
エンジン性能曲線図
総排気量:2,156cm3
10・15モード走行燃料消費率:13.0km/L(型式E-CD5 VTE)
最高出力:145PS/5,500rpm

最大トルク:20.2kgm/4,500rpm

*「ネット値」:「ネット」とはエンジンを車両搭載状態で測定したものです。

 

VTECシリーズ
 

016-005.gif吸気バルブ制御
 
クラスを超えたパワーとクラスからは想像できない低燃費を実現した絶妙の吸気バルブ制御。
新VTECでは、ピストンスピードの遅い常用低回転域で片方の吸気バルブリフト量を極少に制御することによって混合気の流速を高めるとともに、燃焼室内にスワール(渦)を発生させる機構を採用しました。このことで、燃料のミクスチャーが高まると同時に、急速燃焼により効果的な燃焼が実現。多量EGR(排気ガス再循環)とあいまって熱効率を向上させるため、十二分な高トルクとこのクラスのものとは思えない低燃費が達成されました。また、カムで駆動するロッカーアームをローラーフォロア化。これによりエンジンのフリクションが低減されたことも、この飛躍的低燃費の獲得に貢献しています。一方、高回転時にはふたつの吸気バルブを作動させるとともにカムを高速型に切り換え。2.2L16バルブエンジン本来の実力を発揮します。
 
よりいっそうの高効率化、高出力化、さらには軽量化を実現した吸排気系。
限られた排気量の中で、さらに高い次元のパフォーマンスを求めるため、新VTECでは吸排気系のチューニングを徹底的に追求しました。1気筒あたり4バルブ計16バルブによる高い吸入効率をより高めようと、85mmのビッグボア径、ポート形状の断面積変化の均一化を図った等長シングルインテークマニホールドとシリンダーポートを採用。これらはポート流速の向上・安定化を促し、高出力とすぐれたレスポンスの実現に貢献しています。そして、可変トルクアップレゾネータの採用。共鳴効果により、中低速でもすぐれた充填効率を達成、扱いやすい実用トルクが約束されました。さらに、新設計のデュアルエキゾーストマニホールドが、ユニット自体の軽量化のために採用されています。
 

吸排気系
 

〜2300rpm
(VTEC低速バルブタイミング・リフト)
低回転時に片方の吸気バルブリフト量を極少に制御し、スワールを発生。スワール効果による燃焼の安定と、急速燃焼での低燃費と実用トルクの向上を実現しています。

2300〜2900rpm
(VTEC高速バルブタイミング・リフト)
実用域を重視した、等長シングルインテークマニホールドと高速バルブタイミング・リフトの作動によって中速域での良好な吸気特性を獲得。豊かな中速トルクが得られます。

2900〜3700rpm
(VTEC高速バルブタイミング・リフト+トルクアップレゾネータ全開)
トルクアップレゾネータの共鳴効果により、中速域の充填効率を向上させ、中速域での扱いやすい実用トルクと良好な燃費を両立しました。

3700rpm〜
(VTEC高速バルブタイミング・リフト)
VTEC高速バルブタイミング・リフトにより、実用高回転での効率的な吸気慣性効果を実現。
吸気特性が、さらにアップ。
後傾10°のエンジンマウント。
新アコードでは、すべてのエンジンを10°後傾させてマウントしています。このことによってインテークマニホールドがよりストレートに近くレイアウトされるため、高速域でも抵抗の少ないスムーズな吸気を実現。爽快に吹き上がるパワー、豊かなトルク、鋭いレスポンスにさらに磨きをかけています。
 
静粛性でも超4気筒クラス。
振動や、こもり音を低減する2次バランサーを採用。
新アコードに搭載の全エンジンには、上質で静かな吹き上がりを可能にするため、2次バランサー機構を採用しました。これは、クランクシャフトの両側に平行にセットされた2本のバランスシャフトを、クランクシャフトの2倍の速度でそれぞれ逆方向に回転させるもの。ピストンなどの往復部慣性力によって発生する2次慣性力を打ち消し、振動・騒音を低減します。

2次バランサー
2次バランサー

軽量、そして高剛性。2次バランサー内蔵アルミシリンダーブロック。
すべてのエンジンラインアップに、アルミシリンダーブロックを採用。軽快な走りの向上につながる、軽量化を徹底させました。また、エンジンの振動・騒音の改善へ向けて、構造設計の段階からコンピュータ解析を駆使。
理想的な形状と剛性も確保されました。2次バランサーを内蔵しながらも極めて軽量で、高い剛性から導かれる信頼性を兼ね備えたシリンダーブロックとなっています。
 

低回転域と高回転域を切り換えて、
全域でのハイパフォーマンスと低燃費を。
「可変バルブタイミング機構」=VTEC技術。

低回転域と、高回転域とでバルブタイミングとリフト量をベストチューニングしていく機構がVTEC(Variable Valve Timing & Lift Electronic Control)システム。ECUの指示によって、ロッカーアームに内蔵された油圧ピストンが移動、ロッカーアームを瞬時に連結/分離することで駆動するカムを変え、バルブタイミングとリフト量を切り換えていくシステムです。低回転時の高トルクと、高回転時の高出力、さらには高い経済性を同時に手に入れることに成功しました。




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