クルマに乗せるときは、段階を追って慣らすようにしてください。まずは、エンジンをかけずにクルマに乗せて、わんこを遊ばせます。元気に遊ぶようなら、エンジンをかけて。その状態でおやつを与え、食べるかどうか様子をみます。おやつを食べないようなら、わんこの恐怖感や緊張感が強いということなので、また最初に戻ってトレーニングを。
わんこがクルマに慣れてきたら、近場までクルマを運転してみます。このときも、わんこの様子には十分注意をしてください。飼い主さんがわんこのストレスサインを見逃して、怖がっていたり気分が悪いと感じているのに運転を続けると、わんこはクルマが嫌いになり、車酔いしている場合は症状が悪化してしまいます。次に挙げるようなわんこのストレスサインが見られたら、できるだけ早く運転を中止し、わんこをクルマの外に連れ出して気分転換をさせましょう。
・落ちつきなくあちこちを見る
・好物を与えても食べない
・頭を下げ、耳が外側や後ろを向く
・口の周りをしきりになめたり、ヨダレをたらす
参考文献:「Low Stress Handling, Restraint and Behavior Modification of Dogs and Cat」(Sophia Yin 著/CattleDog Publishing)
車酔いを予防するためにも、できればわんこはクルマの中で寝ていてくれるほうがラク。なので、遠くまでクルマででかける日は、あらかじめ家や旅先のドッグランなどでいっぱいわんこと遊んであげましょう。疲れたわんこは自然とクルマの中ではスヤスヤ・・・。
わんこが一度でも車酔いをしたことがあるなら、次回からは事前に必ず動物病院で酔い止め薬を処方してもらい、 でかける前に飲ませてください。「クルマに乗った→気持ち悪くなった」という経験を重ねると、車酔いがひどくなったり、クルマを見ただけで嫌がったりするようになります。わんこがクルマに酔った経験を忘れたころ、子犬の場合なら体の器官が十分に発達して成犬になったとき、もう一度トライするとうまくいくこともあります。
このほか、わんこの食事はクルマに乗る数時間前に済ませておく、運転中は急発進・急停止・急ハンドルを避ける、長距離ドライブの際にはこまめに休息をとり、わんこをクルマの外に出して気分転換させる、などといったことも大切です。