サーキットの舗装が全面的に更新され、今回のレースが舗装後初レースとなりました。そのため、ドライコンディションでも滑りやすいことが予想されましたが、ドライバーたちは、初日の走行後「ラインを外すとかなりスリッピーだが、ライン上のグリップは昨年よりある」とコメント。レコードラインを外すと厳しい状況が予想されました。また、第3戦から1戦、2戦のラップタイムより、ウエイトハンディが見直され、Honda Civic WTCCは70kgのハンディを課せられることになりました。

予選では、ロブ・ハフ(Castrol Honda World Touring Car Team)とティアゴ・モンテイロ(Castrol Honda World Touring Car Team)、ノルベルト・ミケリス(Honda Racing Team JAS)の3台が、そろってQ1を突破します。Q2では、ハフが1番手、モンテイロ3番手でQ3に進みましたが、ミケリスは6番手となりQ3への進出はなりませんでした。Q3では、両選手ともタイムが伸びずハフ3番手、モンテイロ4番手で、メインレースを迎えます。また、チーム戦のMAC3では、Honda Civic WTCCがトップを見事飾りました。

朝から雨が降る寒い一日となった決勝は、ウェットコンディションの厳しい戦いとなりました。オープニングレースのグリッドに並ぶ前に雨は一時上がりましたが、路面状況は判断の難しいものとなり、モンテイロが前後スリックタイヤ、ハフとミケリスがフロントをスリック、リアにレインタイヤを選択しました。路面確認のため、フォーメーションが2ラップとなり、その途中にミケリスのマシンが白煙を吹き出してスタートできなくなりました。

レーススタート後、再び雨が降り出し、スリックタイヤを選択した予選上位のマシンはタイムを上げることができず、順位を後退させることになりました。レースは2周減って14周で終了し、ハフは11位、モンテイロは12位の結果でした。また、新人ドライバーであるフェレンツ・フィクザ(Zengo Motorsport Kft.)が9位で、うれしい初完走を果たしました。

続いて行われたメインレースは、予選順のグリッドからスタートし、ハフが3番手、モンテイロが4番手からスタートします。残念ながらミケリスはリペアタイム以外の時間にターボを交換せざるをえず、最後尾からのスタートとなりました。全車ウエットタイヤでの走行となりましたが、ミューラーが後方からすばらしいスタートで、2番手に上がったハフと抜きつ抜かれつのレースとなりました。9周目にハフがミュラー(シトロエン)を抜いた時に接触があり、ドライブスルーペナルティーを受けます。ハフは9番手まで順位を落としましたが、その後追い上げて6位でゴールします。

最後尾スタートのミケリスは、11台を抜き6番手まで浮上します。しかし、スタート直後に他車と接触したダメージにより、最終ラップで左リアのサスペンションが壊れ、10位フィニッシュ。スタートから順調に走行を続けたモンテイロは3位表彰台を獲得しました。