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May 2 2015, QUALIFYING WTCC Race of Hungary
ハンガリー
2015年5月2日(土)・予選 会場:ハンガロリンク(4.381km) 天候:曇り 気温:19℃
コースコンディション:セミウエットのちドライ
世界ツーリングカー選手権(WTCC)は、南米・アフリカへの遠征を終え、その舞台をヨーロッパに移し、ハンガリーで第3ラウンドを迎えました。ハンガリーの首都ブタペストの北東に位置するハンガロリンクは、F1グランプリが開催されるサーキットとして有名で、アップダウンのあるテクニカルなコースレイアウトとなっています。Honda Civic WTCCは、この戦いから外観をアップデートし、空力面をはじめとする性能を向上させた新バージョンのCivic WTCCで臨んでいます。また、ハンガリーは「ゼングー・モータースポーツ(Zengő Motorsport)」のノルベルト・ミケリス選手にとって母国開催のレースであり、スタンドは毎年、ミケリス選手を応援する多くのファンで埋め尽くされます。
この大会、「ニカ・レーシング(Nika Racing)」のリカルド・ライデル選手は、前戦の直前に患った病が完治せずに欠場。「プロチーム・レーシング(Proteam Racing)」のドゥサン・ボルコビッチ選手は、自らの事情により大会前に不参加を決めています。このため、Honda Civic WTCCは「カストロール・ホンダ・ワールド・ツーリングカー・チーム(Castrol Honda World Touring Car Team)」の2台と、ミケリス選手による3台体制での参戦となりました。
ハンガロリンクは朝から雨でしたが予選直前に雨は上がり、日差しが強くなりました。予選が開始される午後1時30分のコースコンディションは、完全にドライとはならず、ところどころ濡れている難しい状態となりました。Q1開始早々、Castrol Honda World Touring Car Teamのガブリエーレ・タルクィーニ選手がアタック中にスピンし、バリアに衝突。フロント、リアともに大きなダメージを負ってコース上でストップしました。このアクシデントで、セッションは赤旗中断となり、タルクィーニ選手は予選タイムを計測することができずに終わっています。
約10分間の中断のあと、再開されたQ1では、Castrol Honda World Touring Car Teamのティアゴ・モンテイロ選手が1度目のアタックで1分50秒601、ミケリス選手が1分51秒368をマークし上位に進出しました。セッション終了直前の2度目のアタックでモンテイロ選手が1分50秒053、ミケリス選手が1分50秒820とともにタイムアップし、それぞれ4番手と9番手でQ1を突破して、Q2への進出を果たします。
10分間のQ2では、コースコンディションは完全にドライになり、まずモンテイロ選手が1分49秒819の好タイムをマークして、その時点で4番手となりました。ミケリス選手の1度目のアタックは1分50秒301で、その時点で8番手でした。セッション終盤、僅差で順位が激しく変動する展開の中、2度目のアタックに臨んだ両選手は、ともに最初のタイムを更新することはできず、モンテイロ選手は6番手、ミケリス選手は10番手にポジションを落とし、Q2が終了。Honda Civic WTCCは上位5台によるQ3へは進出できませんでした。
5月3日(日)に行われる決勝では、レース1において、モンテイロ選手は3列目6番手から、ミケリス選手は5列目10番手からスタート。リバースグリッドで行われるレース2では、ミケリス選手はポールポジションからのスタートとなります。
ティアゴ・モンテイロ選手(6番手)
「ウエットコンディションだった午前のプラクティスでは、マシンに大満足でした。今回から投入した新しいエアロキットが機能し、ダウンフォースが向上しました。予選はドライコンディションとなり、サスペンションを完全にドライ向けにしなかったことが、おそらくマイナスになったのだと思います。完全なドライ仕様だとマシンはもっといいはずです。決勝は晴れることが分かっているので、これからデータを分析し、最大限ドライ仕様のセットアップにしたいと思います。4番目、5番目からレースをスタートするのは理想的とは言えませんが、そこから表彰台を狙っていきます」
ガブリエーレ・タルクィーニ選手(予選ノータイム)
「ミスをしました。コースはドライでしたが、縁石は濡れていました。少し膨らみ、後輪が外側の濡れた縁石に乗り上げると、マシンがスピンして、タイヤバリアに突っ込みました。その衝撃でリアサスペンションとフロントスプリッターが壊れました。その前まで、マシンの感触はよく、バランスも取れていました。しかしこの状況は、私にとって非常に厳しいものです。ここではチャンスがあっただけに悔しいです。マシンのよさは、これからもっと発揮できるでしょう。今日は天候のせいで、まだ新しいエアロキットの実力を完全に出しきれていないと思います」
ノルベルト・ミケリス選手(10番手)
「レース2でのポールポジションはうれしいですが、予選のパフォーマンスにはあまり満足していません。Q2まであまり苦戦しなかったので、いいラップで走れれば、4番手か5番手になる絶好のチャンスでした。表彰台の可能性があるポジションには満足していますが、もちろん全体的に向上させる必要があります。アンダーステアが起こり、マシンに変更を加えようとしましたが、予選ではほとんど時間がありませんでした。モンテイロ選手のデータと比較し、明日はいい結果を目指します」
アレッサンドロ・マリアーニ|Castrol Honda World Touring Car Team代表
「今日は雨が続けばいいと思いましたが、急激に天気がよくなったので本当に残念です。午前のウエットコンディションでは、3台そろってトップ5に入っていたので、非常に満足でした。悪いことが起きるとすればコースがドライになった場合だと思っていましたが、それが現実になってしまいました。ガブリエーレは、ミスをしてしまいました。ほかの2台もマシンのセットアップが最善ではなく、アンダーステアが強すぎました。しかしこれは、決勝に向けて修正することができますから、ポイントを獲得できる可能性が高いと思っています」
堀内大資|Civic WTCC開発プロジェクトリーダー
「今回から、フロント、リアのバンパー周辺をメインに、市販車のモデルチェンジに合わせた最新仕様に換えて臨んでいます。それにより、特にフロントのダウンフォースが上がり、全体としてもかなりの空力的な向上が果たせました。今日は朝から雨で、フリープラクティスは2回ともフルウエットの状態でしたが、予選開始の直前に晴れて難しいコンディションとなりました。タルクィーニ選手のスピンは、まだ濡れているところに乗ってしまったのではないかと思います。Honda Civic WTCC自体はだいぶ速くなっているのですが、僅差の争いの中、Q3に進めなかったのは非常に残念です。レース2では、ミケリス選手がポールポジションからスタートしますので、地元ファンの大声援に応えるすばらしいレースを期待しています」
順位 | No. | ドライバー | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | 68 | Y.ミュラー | シトロエン | 1'48.848 |
2 | 7 | H.ヴァレンテ | シボレー | 1'49.081 |
3 | 37 | J.ロペス | シトロエン | 1'49.567 |
4 | 9 | S.ローブ | シトロエン | 1'49.572 |
5 | 33 | M.キン・ハ | シトロエン | - |
6 | 18 | ティアゴ・モンテイロ | Honda | 1'49.819 |
10 | 5 | ノルベルト・ミケリス | Honda | 1'50.301 |
17 | 2 | ガブリエーレ・タルクィーニ | Honda | - |