新たに2名のドライバーを迎え、5台のHonda Civic WTCCが2015年シーズンに挑む

2015年の世界ツーリングカー選手権(WTCC)は、アルゼンチンで幕を開けます。その舞台となるのは、首都ブエノスアイレスから約1200km北西にあるアウトドルモ・テルマス・デ・リオ・オンドです。2013年からWTCCが開催され、2014年にピットやグランドスタンドが全面改修されたこのサーキットは、1周4.806kmのテクニカルなレイアウトが特徴です。

2015年シーズン、Honda Civic WTCCは5台がエントリーします。前年同様「カストロール・ホンダ・ワールド・ツーリングカー・チーム(Castrol Honda World Touring Car Team)」からは、ガブリエーレ・タルクィーニ選手とティアゴ・モンテイロ選手が、「ゼングー・モータースポーツ(Zengő Motorsport)」からは、ノルベルト・ミケリス選手がエントリーし、今年から新たにスウェーデンの「ニカ・レーシング(Nika Racing)」からリカルド・ライデル選手、「プロチーム・レーシング(Proteam Racing)」からセルビア人のドゥサン・ボルコビッチ選手の2名が加わりました。

Honda Civic WTCCは、新たなシーズンに向けて進化しました。主な変更点について、堀内大資Civic WTCC開発プロジェクトリーダーはこうコメントしました。「圧縮比の増加、燃料およびイグニッション・マッピングの進化、排気流の改善をはじめとするエンジンスペックの進化により、パワーとドライバビリティーが向上しています。シャシーの変更点は、新しいパワーステアリング・システムの導入、ショックアブソーバーのレートの見直しなどです。オフに行ったスペインとフランスでのテストにおいて、マシンのパフォーマンスの向上が確認できました」

また、JASモータースポーツの代表であるアレッサンドロ・マリアーニも「昨シーズンで痛感した弱点に対応し、これらを解決できました。これは大きな進歩で、Hondaや技術パートナーの支援にとても感謝しています。ライバルが2014年シーズン同様に強いことは明らかですが、我々もテストで、特にレース距離を走行した場合は、速くなっていることが分かりました。もちろん、シーズン中も開発を続けます。マシンの進化が次の段階に進むタイミングは、5月のハンガリーラウンドになると思います」とコメントしています。

Honda Civic WTCCのデビューからHondaとともに戦ってきたモンテイロ選手は、新たなシーズンに意欲を燃やしています。「チームはこれ以上ないほど意欲的になっています。私たちは大きく前進しています。我々の行ったマシンの進化や、オフのテストが必ず報われると信じています」

また、2005年にWTCCがスタートした当初から参戦しているタルクィーニ選手も、新たなシーズンに意欲的です。「新シーズンに向けて、準備は整いました。昨年の冬から多くのテストを行い、Honda Civic WTCCで結果を出せると、これまで以上に自信を持っています。世界選手権であるWTCCには、トップドライバー、トップチーム、そして最高の戦闘力を持ったマシンが集まるので、そう簡単にいかないことは分かっています。しかし、我々も最高峰の戦いに挑戦する準備ができました。まずは開幕戦で、その成果が出ると思います」

2015年シーズンのWTCCは、全12ラウンド24レースを予定。開幕戦は3月7日(土)に予選が、8日(日)に決勝レースが行われます。