round 10

September 22 2013, RACE Race of Japan 2013 日本

SCHEDULE

ミケリス選手がレース1でポール・トゥ・ウイン
Honda Civic WTCCの今季3勝目を飾る
レース2ではモンテイロ選手が3位表彰台を獲得
伊沢選手はレース1で12位、レース2は22位

2013年9月22日(日)・決勝  会場:鈴鹿サーキット東コース(2.243km)  天候:晴れ
気温:27℃  コースコンディション:ドライ

世界ツーリングカー選手権(WTCC)日本ラウンド決勝は、午後2時35分からレース1、午後3時35分からレース2が行われました。

  • ノルベルト・ミケリス選手ノルベルト・ミケリス選手
  • ノルベルト・ミケリス選手(#5)ノルベルト・ミケリス選手(#5)
  • ティアゴ・モンテイロ選手ティアゴ・モンテイロ選手
  • ティアゴ・モンテイロ選手ティアゴ・モンテイロ選手
  • ガブリエーレ・タルクィーニ選手(#15)、 ティアゴ・モンテイロ選手(#3)ガブリエーレ・タルクィーニ選手(#3)、 ティアゴ・モンテイロ選手(#18)
  • ガブリエーレ・タルクィーニ選手(右)ガブリエーレ・タルクィーニ選手(右)
  • (伊沢拓也選手)伊沢拓也選手

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レース1では、ポールポジションから好スタートを切った、Zengő Motorsportのノルベルト・ミケリス選手が終始トップの座を守り、序盤からハイペースで2番手以下を引き離しました。Castrol Honda World Touring Car Teamのティアゴ・モンテイロ選手もスタートダッシュを決め、6番手から3番手に躍進しました。さらに果敢に攻めたモンテイロ選手ですが、1周目に他車と接触しコースアウト。8番手への後退を余儀なくされました。8番手からスタートしたガブリエーレ・タルクィーニ選手(Castrol Honda World Touring Car Team)も、1周目に5番手にポジションを上げつつ、さらに上位を目指しました。

序盤から快調にラップを重ねるミケリス選手は、周回ごとに2番手との差を広げ、10周目には2番手に3秒の差をつけ独走態勢に入りました。混戦だった序盤から、順位の落ち着いた中盤に入ると、追い抜きの難しい鈴鹿だけに、上位は順位の変動がなくなりました。しかしながら、激しいバトルは各所で続きました。18周目、激しく7番手争いを展開していたモンテイロ選手が進路をふさがれ、最終コーナーのタイヤパックに衝突。19周目には、5番手を走行していたタルクィーニ選手のマシンの、左フロントタイヤがバーストし、2台は戦列を離れることとなりました。ミケリス選手は、レース終盤になってもそのペースが衰えず、26周の戦いを2位に約5秒の大差をつけて逃げきり、自身3勝目、今シーズン初の優勝を成し遂げました。一方、Honda Racing Team JASからのスポット参戦となった伊沢拓也選手は、15番手からスタートして激しいバトルを展開。初のWTCC決勝レースで、12位完走を果たしました。

予選10番手までがリバースグリッドで行われるレース2では、タルクィーニ選手が3番手、モンテイロ選手が5番手、ミケリス選手が10番手、伊沢選手が15番手からのスタートとなりました。

スタンディングスタートから好ダッシュを決めたタルクィーニ選手は、3番手をキープ。また、チームの必死の作業で、応急処置を施されたモンテイロ選手のマシンは、スタート後の1コーナーで前車をパスし、1周目で4番手に順位を上げ、タルクィーニ選手とともに安定したラップをこなしました。ミケリス選手はスタート直後に他車と接触し、タイヤに大きなダメージを受けたことで、レースを終えました。

11周目、前をいくタルクィーニ選手をモンテイロ選手がパスし、3番手に浮上。その後、モンテイロ選手はペースを上げ、前を走る2台を追いますが、トップ争いに加わるには及ばず、26周のレースを3位でフィニッシュし、表彰台を獲得しました。タルクィーニ選手は後続を抑えポジションをキープし、モンテイロ選手に続く4位でゴールしました。スタート後の混乱で、18番手まで順位を落とした伊沢選手でしたが、レース中盤には15番手までポジションアップ。しかし、19周目にマシンのトラブルでピットに戻り、そのままレース2を終えました。

ドライバーズランキングにおいては、タルクィーニ選手が211ポイントでランキング2位、ミケリス選手は156ポイントで6位に浮上、モンテイロ選手は117点で10位となりました。またHondaは、マニュファクチャラーズポイントを848点としています。

コメント

ノルベルト・ミケリス選手(優勝/リタイア)「昨日に続き、今日も夢がかないました。これまで、WTCCでは2度勝ったことがありますが、3勝目はレース1での優勝なので格別なものです。というのも、レース1でこそ、本当のパフォーマンスが発揮されると思っているからです。予選でポールポジションを獲得できた上に、レース1での優勝もできたので、Hondaのためにもこれ以上にうれしいことはありません。マシンがよかったので、最初の2周で差を広げることができ、あまりプッシュしなくてもその差をキープすることができましたし、自信を持ってドライビングしました。その後、ガブリエーレ(タルクィーニ)選手のタイヤがパンクしたと聞いてペースを緩め、特に右コーナーに注意しながら走りました。無事トップを守りきることができてよかったです」

ティアゴ・モンテイロ選手(28位/3位)「Hondaにとって大事な週末でしたので、総体的にはうれしく思います。今日はミケリス選手が優勝し、私も表彰台を獲得できたので、結果は悪くなかったと思います。マシンのパフォーマンスがよかったので、最初から自信はありました。レース結果以上のパフォーマンスがあったと思います。しかし、実際のレースではなにが起こるか分からないものです。今週は、もっといい結果が出せてもよかったとは思いますが、最終結果を見れば、Hondaとしてもとてもいい結果だと思います」

ガブリエーレ・タルクィーニ選手(27位/4位)「レース1では、激しいポジション争いの中、いいスタートが切れました。その後、レースが落ち着いてくると、自信を持って5番手を走っていましたが、タイヤのパンクによってピットに戻らなければならなくなりました。パンクの原因が分からなかったので、レース2ではペースを抑えて走ることにしました。ティアゴ(モンテイロ)選手の調子がよさそうだったので、彼を先に行かせ、4位でのフィニッシュとなりました」

伊沢拓也選手(12位/22位)「今回初めてWTCCに参加させていただき、Hondaと関係者の皆さんにとても感謝しています。今日は十分にチャンスがあったと思っていますが、表彰台を実現することができなかったので、少しがっかりしています。しかし、このすばらしい機会を得て、私のキャリアにとってプラスになったと思いますし、自信も深まりました。国際的なチームと仕事をするのはとても勉強になりました。WTCCは格闘技のように激しいレースだということが理解できましたし、楽しめました」

アレッサンドロ・マリアーニ|Castrol Honda World Touring Car Team代表「Hondaにとってすばらしい週末になりました。Honda Civic WTCCがわずか1年で新たなレベルに到達したことの証です。今やこのパッケージは、とても高い競争力を持ち、Honda Civic WTCCは鈴鹿でも非常に速いことが分かりました。ティアゴ選手とガブリエーレ選手が上位争いをしましたし、もちろん、ミケリス選手が優勝したことを、とてもうれしく思います。ミケリス選手とZengő Motorsportは、最高の仕事をしたと思います」

堀内大資|Civic WTCC開発プロジェクトリーダー「ここ鈴鹿で、この1年間の集大成ともいえるマシンで速さを発揮し、ポール・トゥ・ウインを成し遂げたことを、エンジニアとしてとてもうれしく思います。レース1での圧倒的な速さと勝利は、ここまで苦労して戦ってきたチームとエンジニアの誇りです。レースの結果については、やはり鈴鹿サーキットの難しさを感じました。4人のドライバーはそれぞれとてもがんばってくれましたが、ほんの少しの出来事で、結果の差が出ただけだと思っています。昨年の鈴鹿でのデビューレースから1年で、ここまで来ることができたことに感激しています。鈴鹿での勝利は目標であり、夢でもありました。それを実現できたことで、また次の目標に向かって突き進みたいと思います。今シーズン残り2戦、そして来年の戦いに向けて、さらなる努力を続けます。日本でのレースということで、多くのファンの方々に応援していただき、本当にありがとうございました」

決勝

レース1

順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
15ノルベルト・ミケリスHonda2623:58.613
29A.マクドウォルシボレー26 +4.832
312Y.ミュラーシボレー26 +5.149
423T.チルトンシボレー26 +5.422
514J.ナッシュシボレー26 +14.377
610J.トンプソンラーダ26 +25.611
 
1299伊沢拓也Honda26 +27.062
273ガブリエーレ・タルクィーニHonda21 +5Laps
2818ティアゴ・モンテイロHonda19 +7Laps

レース2

順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
115T.コロネルBMW2623:56.929
225M.ベナーニBMW26 +2.259
318ティアゴ・モンテイロHonda26 +9.935
43ガブリエーレ・タルクィーニHonda26 +10.732
514J.ナッシュシボレー26 +11.438
623T.チルトンシボレー26 +11.802
 
2299伊沢拓也Honda19 +7Laps
RT5ノルベルト・ミケリスHonda1 DNF

ポイントスタンディング

ドライバー

順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1Y.ミュラーシボレー360
2ガブリエーレ・タルクィーニHonda211
3T.チルトンシボレー183
4J.ナッシュシボレー181
5M.ニュケアシボレー180
6ノルベルト・ミケリスHonda156
 
10ティアゴ・モンテイロHonda117

マニュファクチャラー

順位 マニュファクチャラー 総合ポイント
1Honda848
2ラーダ519