モトクロス世界選手権第12戦が、スペインのアロヨモリノスで行われました。初めてGPを迎える会場は、ショッピングモール「イントゥ・シャナドゥ・マドリッド」に隣接する新コース。アクセスのよさは大きなメリットになるはずでしたが、今回は無観客で実施されました。金曜日にはマドリッド一帯に非常事態宣言が出されましたが、レースの開催には影響ありませんでした。

イタリアに拠点があるTeam HRCにとって、国外に遠征するのは8月中旬のラトビア以来、約2カ月ぶりになります。ハードパックの新コースはスペイン勢にアドバンテージがありそうでしたが、決勝のゲートピック順を争う計時予選では、ティム・ガイザー(Team HRC)が1分51秒274でポールポジション。チームメートのミッチェル・エバンスは1分51秒667を記録して3位につけました。

レース1のスタートはエバンスが3番手、ガイザーは6番手につけました。オープニングラップから猛然と攻めるエバンスは、ロマン・フェーヴル(カワサキ)をかわして2番手に浮上。トップのホルヘ・プラド(KTM)をテール・トゥ・ノーズで追いかけました。レース序盤の攻防で、オーダーはプラド、フェーヴル、ガイザー、エバンスと入れ替わりましたが、4周目にエバンスがジャンプ着地で転倒。手首を負傷してリタイアを喫しました。その後は徐々にトップグループの間隔が広がり、ガイザーは単独3位でチェッカーを受けました。

エバンスがDNSとなったレース2では、ガイザーが絶妙なラインチョイスで1周目で2番手に浮上。トップのプラドの前に出る場面もありましたが、2番手に定着するとマージンは1秒、2秒と開いていきました。終盤はプラド、ガイザー、フェーヴルが各々単独走行となりそのままフィニッシュ。総合2位(3位/2位)となったガイザーは、ポイントリードを24点と増やしランキング首位の座を固めています。