アメリカからヨーロッパに戻ったTeam HRCは、シリーズのラスト2戦となるオランダGPに赴きました。TTサーキット・アッセンでの開催は3年連続となり、最終コーナーからストレートにかけて人工的に造成されたモトクロスコースは、メインスタンドからの観戦のしやすさが好評です。
ロードレースコースでモトクロスが行われるのは、アッセンに限ったことではありません。ロサイル(カタールGP)、シャーロット・モータースピードウェイ(アメリカGP)などの実績に加え、来年はイモラ(イタリアGP)でも開催が予定されています。スーパークロス化が進んでいるようですが、昨今のモトクロス世界選手権にはインフラの整った会場が必要だという側面もあります。
アッセンはティム・ガイザー(Team HRC)にとって鬼門と言える会場で、昨年はクラッシュでタイトル決定が先送りとなった苦い記憶があります。今回は予選レースを2番手で通過し、その不運の連鎖を断ちきったように見えましたが、やはりオランダのサンドには魔物が棲んでいました。
レース1のスタートは、アントニオ・カイローリ(KTM)に続き、ガイザーが2番手につけました。その後、ジェフリー・ハーリングス(KTM)に先行を許しながらも、3番手で走行を続けていたガイザーですが、12周目に前転を喫してしまいリタイア。レース2への出走もキャンセルとなりました。
一方、チームメートのイブジェニー・ボブリシェフは、レース1を6番手でスタートしましたが、2周目の転倒で大きく後退し7位でフィニッシュ。レース2ではスタート直後に他車と絡んで、最後尾から14位まで追い上げました。
次週はフランスのヴィラール・ス・エコーで最終戦が行われますが、Team HRCはこの悪循環をリセットしてシーズンを締め括るためにベストを尽くします。
イブジェニー・ボブリシェフ(MXGP 7位/14位 総合9位)
「今日はコンスタントに走れず、ずっと不安定でした。レース1では好スタートを切れたのに、2周目の転倒で5位からトップ10圏外まで脱落してしまいました。そこから先はなんとかばん回を試み、7位でフィニッシュすることができました。スピードは確かにあったのですが、いかんせんミスが多すぎました。コース状況はとても難しくて、レース2ではグレン・コルデンホフ(KTM)とハンドルが絡んだときに両者転倒し、気付いたら砂の中に倒れていました。上位集団が走り去ったあとで大差があり、最後尾から14位までばん回するのがやっとでした。とにかく災難としか言いようがない一日でした」
ティム・ガイザー(MXGP 25位(DNF)/DNS)
「最悪の一日になってしまいました。今日も含めて今週末の始まりは順調だったのに、一瞬のうちに谷底へ転がり落ちたのです。午前中のウォームアップでも感触はよかったし、レース1の序盤でも乗れていました。ところが些細なミスで、前転するマシンの下敷きに……。メディカルセンターで診てもらった結果、医師とチームの判断でレース2への出走を見合わせることになりました。今シーズンの成り行きを象徴するような出来事です。レースに出られないのはとても残念ですが、こればかりは仕方がありません」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 20 | 34'21.318 |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 20 | +01.010 |
3 | 99 | M.アンスティ | ハスクバーナ | 20 | +1'11.012 |
4 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 20 | +1'11.079 |
5 | 22 | K.ストリボス | スズキ | 20 | +1'19.644 |
6 | 259 | G.コルデンホフ | KTM | 20 | +1'23.810 |
7 | 777 | イブジェニー・ボブリシェフ | 20 | +1'42.530 | |
16 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 19 | +1Lap | |
17 | 71 | デイモン・グラウルス | 19 | +1Lap | |
19 | 926 | ジェレミー・デリンス | 19 | +1Lap | |
24 | 9 | K.ド・ディッカー | 14 | +6Laps | |
25 | 243 | ティム・ガイザー | 12 | +8Laps | |
31 | 824 | ニック・コウエンバーグ | 0 | +20Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 20 | 34'14.288 |
2 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 20 | +34.469 |
3 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 20 | +37.286 |
4 | 99 | M.アンスティ | ハスクバーナ | 20 | +42.378 |
5 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 20 | +44.058 |
6 | 222 | A.カイローリ | KTM | 20 | +45.593 |
12 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 19 | +1Lap | |
14 | 777 | イブジェニー・ボブリシェフ | 19 | +1Lap | |
18 | 71 | デイモン・グラウルス | 19 | +1Lap | |
19 | 926 | ジェレミー・デリンス | 19 | +1Lap | |
26 | 824 | ニック・コウエンバーグ | 0 | +20Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 710 |
2 | 84 | J.ハーリングス | KTM | 627 |
3 | 21 | G.ポーリン | ハスクバーナ | 571 |
4 | 25 | C.デサール | カワサキ | 544 |
5 | 243 | ティム・ガイザー | 485 | |
6 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 479 |
11 | 777 | イブジェニー・ボブリシェフ | 387 | |
16 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 192 | |
21 | 92 | バレンティン・ギロド | 61 | |
22 | 9 | K.ド・ディッカー | 60 | |
24 | 71 | デイモン・グラウルス | 53 | |
34 | 221 | プリット・ラトセップ | 13 | |
36 | 210 | フレデリック・ノレン | 10 | |
37 | 11 | カイル・チゾム | 9 | |
39 | 121 | ザビエル・ブーグ | 8 | |
45 | 718 | 富田俊樹 | 5 | |
47 | 37 | ゲート・クレスティノフ | 4 | |
49 | 60 | ヘトロ・サラサール | 4 | |
52 | 926 | ジェレミー・デリンス | 4 | |
57 | 920 | アンデル・バレンティン | 2 | |
60 | 179 | ホアキン・ポリ | 1 | |
63 | 38 | サンドロ・ペイシュ | 1 | |
64 | 824 | ニック・コウエンバーグ | 1 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | KTM | 789 |
2 | ハスクバーナ | 658 |
3 | ヤマハ | 619 |
4 | 586 | |
5 | カワサキ | 571 |
6 | スズキ | 412 |