Honda Riders Close Up ~ワークスマシンを駆って、世界に挑むライダー~

Moto3 リビオ・ロイ Leopard Racing

Moto3 リビオ・ロイ Leopard Racing
Profile
生年月日
1997/04/27
出身地
ベルギー
身長・体重
161cm・58kg
チーム(マシン)
Leopard Racing(NSF250RW)
2016年の成績
Moto3 総合18位
Vol.2

第16戦オーストラリアGPでリビオ・ロイ(Leopard Racing)が獲得した2位は、負傷からの復帰という意味でも非常に価値のある表彰台でした。

ロイが左肩鎖骨を骨折したのは、第13戦サンマリノGPでした。予選終了間際に、最終コーナーの立ち上がりで一台のマシンが転倒。目の前で転倒されたロイはそれを避けようがなく、マシンの上に乗り上げるようなかたちで、大きく前に投げ出されてしまいました。

シーズン前半戦に苦戦を強いられていたロイですが、後半戦に入ると第11戦オーストリアGPで4位、第12戦イギリスGPでは6位と、上り調子で推移していました。それだけにこの骨折は残念でしたが、ロイは治療のために第14戦アラゴンGPを欠場。第15戦の日本GPから復帰することになりました。しかし、その日本GPは雨の降る週末となり、金曜のFP1とFP2はウエットコンディションに。復帰初戦のライダーにとっては、無理のできない微妙な状況で、この日は24番手で終えました。

「初日は雨で、FP1の最初は少し奇妙な印象もありました。鎖骨を骨折して以来、マシンに乗るのは今日が初めてだったのですが、うまくラップタイムを上げていって、最終的にはいいペースで走ることができました。FP2ではいくつか変更を加えてみたのですが、グリップが厳しい状態でした」

土曜も雨の一日となり、ロイの予選グリッドは15番手。決勝日も雨で、結局このレースは19位でチェッカーフラッグを受けました。ポイント圏外で終えた結果に、ロイ自身は納得できない様子でしたが、ケガからの復帰戦であることを考えれば、この厳しいコンディション下でもレースを完走したことは意義があったと言えるでしょう。

そして、連戦のオーストラリアへ向けてMotoGPパドックはあわただしく赤道を通過し、メルボルン郊外のフィリップアイランドへ向かいました。当地は、強い風と低い温度条件はもとより、短時間でめまぐるしく変わる気象が選手とチームを悩ませます。

今年もやはり例年同様の難しいコンディションのレースウイークとなり、土曜の予選を終えた段階でロイは21番グリッド。7列目からの後方スタートです。

しかし、ドライコンディションで始まった日曜の決勝レースでは、持ち味の生き生きとした走りで大いに活躍。序盤こそ後方に沈んでいましたが、5周目に10番手へ浮上すると、ぐいぐいと順位を上げてさらに前へ迫ってゆきました。

トップグループで激しいバトルを繰り広げていた16周目に降り、レースは15周目終了時の順位で決定。このとき、2番手を走行していたロイは、優勝でチャンピオンを獲得したチームメートのホアン・ミルとともに、見事な1-2フィニッシュになりました。

「僕のレース戦略は最初からハッキリしていて、21番グリッドからのスタートだからとにかく前にでなきゃいけない、と思っていました。予選でもいいペースで走れていたから、前に出る自信もありました。いい内容のレースになって、早い段階で前へ出て、狙い通りに上位陣に食い込んでいくことができました。実は骨折前に、ドライコンディションで走った最後のレースはシルバーストーン(第12戦イギリスGP)だったのですが、あのときは表彰台の寸前まで行ったので、シルバーストーンで表彰台を逃したときのことを教訓に、今回はとにかくトップを走ろう、と心がけました。優勝を狙っていたとはいえ、2位を獲得できたので、よかったと思います。そしてあと一つ。ホアン、世界チャンピオンの獲得おめでとう!」

そう言って、ロイは大きく笑みを浮かべました。