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 Honda Riders Close Up ~ワークスマシンを駆って、世界に挑むライダー~

MotoGP ジャック・ミラー Estrella Galicia 0,0 Marc VDS

MotoGP ジャック・ミラー Estrella Galicia 0,0 Marc VDS
Profile
生年月日
1995/01/18
出身地
オーストラリア
身長・体重
175cm・70kg
チーム(マシン)
Estrella Galicia 0,0 Marc VDS(RC213V)
2016年の成績
MotoGP 総合18位
Vol.3

Estrella Galicia 0,0 Marc VDSのジャック・ミラーがトレーニング中のアクシデントで脚を負傷したのは、第14戦アラゴンGPの翌週、9月29日(金)のことでした。翌日の土曜日には、骨折箇所の右脚けい骨にプレートを挿入し、8本のスクリューで固定する手術を実施。日本GPを見送ったあと、自身にとってのホームグランプリとなった第16戦オーストラリアGPで復帰を果たしました。身体にメスを入れてから、わずか3週間足らずでのレース復帰です。

「手術をした直後の週は、ヨーロッパで過ごしました」走行を翌日に控えた木曜日に、ミラーは明るい笑顔で話しました。「日本グランプリに参戦することも可能だったのかもしれません。でも、休む暇もなく3週連続でレースウイークが続くと、脚が腫れたりする可能性も考慮して、休んだほうがいいだろうと考えたんです」

ミラーは、日本GPを欠場した事情をそのように説明してくれました。

「日本GPを欠場することに決め、今回とマレーシア、そしてバレンシアのレースに集中して、自分自身とチーム、そしてHondaのためにも力強くシーズンを締めくくりたいと思っています。ホームレースで復帰をできてうれしいです。明日、どこまでがんばれるか、とても楽しみです」

また、脚の状態については、こう話します。

「ヒザはだいぶ動くし、曲げ伸ばしもできるようになっています。いい感じなので、ケガのことをあまり気にする必要はなさそうですね。大丈夫だと思います」

金曜午前のFP1は、温度条件は低く、寒いコンディションとなりましたが、すっきりと晴れわたる好天となりました。この走行で、ミラーは3番手タイムを記録。負傷を感じさせない力強い走りで、オーストラリアの地元ファンを大いに沸かせました。午後のFP2を終え、この日の順位は6番手。

「朝からトップ3につけることができて、午後もトップ6で終えたんだから、気分が悪いわけがないですよ」そう言ってミラーは笑みを浮かべました。

「今日のラップタイムはとてもよかったですね。午前から安定して1分29秒台を刻み、午後も同様で、ポジションもいい位置です。今朝、最初に走り出したときから気持ちよく乗れましたよ。マシンはよく走ってくれるし、チームもがんばってくれているし、僕自身もがんばれたと思います。明日が楽しみですね」

脚の状態に関しても、若いだけに、全く大きな問題ではないようです。

「マシンに乗っているときは、嘘じゃなくて全く痛みを感じないんですよ。マシンから降りて脚を伸ばすと、さすがにちょっと顔をしかめてしまいますけどね。でもまあ、たいしたことじゃないですよ」

ミラーは、土曜日も好調さを維持しました。午前のFP3が雨のセッションになったために、FP1からFP3の総合順位で6番手となったミラーは、QP2にストレートで進出。予選でも、ポールポジションから0.578秒差の5番手タイムで、2列目スタートのグリッドを確保しました

「フィリップアイランドに来ると、僕はいつも全力でがんばります。でも、今日はさらにがんばりました。(いいグリッドを獲れて)本当によかったです。昨日も言った通り、走り出しから快調で、フィーリングもどんどんよくなっています。今日はさらにマシンのフィーリングがよくなり、身体も慣れて、だいぶほぐれてきました。明日はもっといけると思いますよ」

決勝レースに向けた抱負は、「最高で最大の結果」を獲得することだと語りました。

「スタートを決めて、序盤の3コーナーや4コーナーで集団に巻き込まれないようにしたいですね。そのためにも、5番グリッドからのスタートはかなり有利だと思います。そして、トップグループにできる限り最後までついて行きたいですね。最後までついて行ければ、いい結果も期待できると思います。もちろん簡単ではありませんが、ベスト8くらいには入りたいですね」

日曜の決勝リザルトは、その言葉を大きく上回る結果になりました。負傷を感じさせないロケットスタートを決めてレース序盤にトップに立つと、各陣営のファクトリーライダーたちを背後に従えながら4周にわたってレースを引っ張ったのです。やがて、何台ものマシンがコーナーごとに順位を入れ替える激しいバトルへと、戦いは推移してゆきました。

「まるでMoto3みたいでした。毎周、4コーナーではイン側やアウト側のどこからでも皆が勝負してきて、旋回中でも外から仕掛けてきたりと、あちらこちらでバトルになりました。すごく楽しいバトルでした」

やがて、ミラーはトップ争いからは少し離れてしまいました。そのときの状況については、こんなふうに振り返ります。

「実は、3周目に少しペースを下げたんです。タイヤを少し使いすぎてしまったので、後ろにいただれかを前に出して、ペース作りの目標にしようと考えたんです。参照できる相手がいれば、タイヤをあまり消耗させずに様子を見ながらリズムを作っていけますからね。マルク(・マルケス)の後ろで数周走って、3コーナーや9コーナーでどうやってタイヤを温存しているのか観察し、自分も同じようにやってみようとしたのですが、僕にはちょっとその温存作戦をするのが遅すぎたようです」

最後は7位でゴール。骨折から23日目、手術からわずか22日目であることを考えれば、ミラーが達成したこのリザルトは勝利と同様と言ってもいいでしょう。

「いいレースウイークでしたね。今回は毎セッションでトップ10どころか、トップ5で走りきることができました。自分自身の仕事に満足しているし、マシンもよかったし、チームも本当にがんばってくれました」