世界選手権2年目のアダム・ノロデイン(SIC Racing Team)が、着実な成長を続けています。彼の進歩は、なにもかもが初体験だった2016年と、今シーズンの成績の変化にはっきりと見て取ることができます。2016年のポイント獲得は、アルゼンチンGP、日本GP、オーストラリアGPの3戦のみでしたが、今年は終盤2戦を残す状況で、すでに7レースでポイントを獲得しています。予選順位も、昨年は9列目や10列目に沈みがちでしたが、今年は4列目や5列目を獲得できるようになりました。特に第8戦オランダGPを境に、ノロディンのパフォーマンスは顕著に向上しています。その理由について、オランダGPの前週にモーターランド・アラゴンで行ったプライベートテストで良好な感触をつかんだからだ、とノロディンは説明します。
「このテストでは、マシンのセットアップを大きく振ってみました。それがとてもうまくいったんです。このテスト以降は、しっかりとリザルトを残せるようになりました。まだまだですが、それでもだいぶ思い通りに走れるようになってきました。マシンをかなり理解して、扱いやすくなってきたので、レースで強さを発揮できるようになったんです。実際に、アッセン(オランダGP)ではトップグループでバトルができました。アッセンの前までは、レースで大きく外したくなかったので、僕たちはウイーク中にビッグチェンジを試すことを避けていました。アラゴンテストの前までは、マシンのポテンシャルを存分に発揮できていなかったのかもしれません。現在の僕たちは、いい方向に進んでいると思います」
とはいえ、自分の走りはまだ十分に納得のいくレベルではない、ともノロディンは話します。
「正直なところ、100点満点でいえばまだ60点だと思います。今年の開幕戦はまずまずでしたが、それ以降は苦戦が続いてポイントも獲得できませんでした。最近では、上位グループに迫ることができるようになりました。ほぼ毎レースでポイントを獲得できるようになったとはいえ、皆と比べると、まだもう少しだけなにかが足りません。今シーズンの残りレースはかなり少なくなりましたが、僕たちが進歩できる余地はまだ十分にあります」
そしていよいよ、ホームレースのマレーシアGPが迫ってきました。昨年は決勝レース開始直後に転倒に巻き込まれて結果を残すことができなかっただけに、今年こそ地元ファンの前で好リザルトを獲得したい、とノロディンは闘志を燃やします。
「皆が期待してくれています。スポンサーもファンも、マレーシアのたくさんの人たちがレースを観戦に来てくれるでしょう。セパンは大好きで、得意なコースですが、昨年はアンラッキーな結果になってしまいました。今年はセパンでもプライベートテストを実施していて、いい手応えをつかめました。今はそのテスト時よりもマシンがまとまっているので、今年こそいい走りを披露できると思います。今年のマレーシアGPでは、人生最高の結果を獲得します。そのためにも、常に上位グループにつけていることが重要ですね」
目標はもちろん、表彰台獲得です。
「全力で走ります。マシンはどんどんよくなっているし、自分自身の走りにも自信が深まっています。表彰台獲得のチャンスがあれば、もちろん狙っていきますよ！」
