モータースポーツ > ロードレース世界選手権 > HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート > vol.136 マルケスがポールトゥフィニッシュ、ペドロサは独走で2位表彰台

Vol.136

マルケスがポールトゥフィニッシュ、ペドロサは独走で2位表彰台

2015年シーズン18戦の折り返し地点となる第9戦ドイツGPが、同国南東地域にあるザクセンリンクサーキットで開催されました。同サーキットでは2010年以降、毎年Repsol Honda Teamの選手が優勝を飾っています。ダニ・ペドロサ選手が2010年から2012年まで3年連続で、マルク・マルケス選手が2013年、2014年と2年連続で勝利を挙げている相性のいいコースです。今回のレースウイークでも、両選手はそれぞれの持ち味を存分に発揮し、土曜午後の予選でマルケス選手がポールポジションを獲得。ペドロサ選手も2番グリッドという好位置につけました。

日曜午後2時から全30周で争われた決勝レースでは、マルケス選手とペドロサ選手が期待どおりの力強い走りを披露しました。マルケス選手は、レース序盤からぐいぐいと後続を引き離し、サーキットベストラップと総レースタイム記録を更新する速さで独走勝利。ペドロサ選手も、高水準のラップタイムを連発する揺るぎない走りで後続を引き離し、2位チェッカーを受けました。金曜午前のフリープラクティスから日曜の決勝レースまで、チームと選手が気持ちを一つにして総力を結集し、最高の結果を得た第9戦。その一部始終をHRCチーム代表のリビオ・スッポが語ります。

―今回の第9戦は、どのようなレース戦略で臨んだのですか?

「マルクとダニは、ともによいアベレージタイムで走れることがわかっていました。決勝レースは両選手ともフロント用にハードコンパウンドのタイヤを選択したので、レース序盤で無理をしすぎないように心がけました。周回を重ねるごとにマルクとダニは後続を引き離し、(バレンティーノ)ロッシ選手や(ホルヘ)ロレンソ選手との差を着実に広げていきました。今回のレースではすべてが狙いどおりに運び、その結果、2人は1-2フィニッシュを達成してくれたのです」

―第9戦で得た収穫と課題をそれぞれ教えてください。

「第8戦のアッセン以降、マシンが本来の性能を確実に発揮できるようになりました。今回の第9戦でも、マルクとダニは終始安定した速さを発揮し、マシンの特性を引き出してくれました。同地は我々のマシンと相性のいいサーキットであり、マルクとダニの得意コースです。マシンとライダーの持ち味を存分に発揮したことがなによりの収穫といえるでしょう。問題点については、今回に関するかぎりなにも思い当たりません」

―ピットボックスからどんな気持ちでレースは観ていましたか?

「マルクがレース序盤にトップに立ち、あっという間に差を開いてレースをコントロールしていたので、我々としては安心して眺めていられました。ダニの走りもすばらしい内容でした。序盤にはロレンソ選手と、その次にはロッシ選手とバトルを繰り広げ、徐々に彼らを引き離しながら、ラスト4周には自己ベストタイムを記録しました。シーズン前半に実施した手術後の体調回復もめざましく、今回のリザルトはダニにとって本当によかったと思います」

―第9戦のこぼれ話は何かありますか?

「今回の第9戦では、本田技術研究所社長の福尾(幸一)さんがサーキットを訪れ、表彰台ではコンストラクタートロフィを受領してくださいました。彼が表彰式から立ち去りかけた際に、マルクとダニに呼び戻されて、2人からシャンパンシャワーを浴びることになったのですが、両選手からの少々手荒い祝福も喜んでいただけたようです。レース現場のスタッフたちは、福尾さんの訪問が今回のすばらしいリザルトに大きく寄与したと感じているので、一刻も早く、またサーキットを訪問していただきたいと思っています。サマーブレイク後の第10戦でも、我々は選手・スタッフ一丸となってチャンピオン獲得を目指し、全力で戦い続けます。今後も、皆さまの力強いご声援をよろしくお願いいたします」