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HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート

vol.125

残り2戦、総力を結集して臨む

先週末行われたばかりの日本GPに続いて、第16戦オーストラリアGPが、メルボルン郊外のフィリップアイランドサーキットで開催されました。前戦日本GPで史上最年少の2年連続ライダーズタイトルを確定させたRepsol Honda Teamのマルク・マルケス選手は、土曜午後の予選でシーズン12回目のポールポジションを獲得。日曜の決勝レースでもシーズン12回目の優勝を狙って快調にトップを走行し続けていましたが、18周目に転倒。残念ながらリタイアを余儀なくされてしまいました。一方、年間ランキング2位を狙うチームメイトのダニ・ペドロサ選手は2列目5番グリッドからスタートし、決勝レースには必勝態勢で臨みましたが、集団の中にのみこまれてしまう展開になり、その中で後続車に後ろから追突されました。その際にリアホイールに影響が出てしまったため、ペドロサ選手はピットに戻ってレースをリタイアせざるを得ませんでした。厳しいリザルトに終わってしまった今回のレースウイークの振り返り、そして次戦にかける意気込みについて、チーム代表のリビオ・スッポが語ります。

−今回は波乱のレースになりました。先週はマルケス選手がライダーズタイトルを獲得しましたが、今回はマルケス選手とペドロサ選手の両名がリタイア。Repsol Honda Teamの両選手がともにノーポイントに終わるのは、2010年のポルトガルGP以来です。

「今日は、リザルトだけを見る限りでは芳しくないレースになってしまいました。しかし、ダニもマルクも負傷をしなかったのはなによりです。両名とも、フィリップアイランド・サーキットで高い戦闘力を発揮していたことは、レースをご覧になっていた観客の方々やファンの皆さまが一番よくご存じだと思います」

−ペドロサ選手は中段選手の集団にのみこまれて、他車に後ろから追突されたことが原因のリタイアで、運が悪いとしかいいようがありません。

「不運とは思いたくないです。中には、アグレッシブな走行をするライダーがいるのは事実でしょうし、レース中には予想もしないことが多々起こり得るものです。いずれにせよ、ダニが序盤周回から彼本来のパフォーマンスを発揮できるようななにかを、我々は早急に見つけ出さなくてはなりません。そこさえ解決できれば、レース序盤の危なっかしい状況にダニが身をさらさなくても済むのですから」

−マルケス選手はレースでトップを独走し、約4秒の大きなリードを築いていましたが、ラッキーハイツ(9コーナー)からの下りでアンラッキーな転倒を喫してしまいました。なぜ、あのような突然の転倒になったのでしょうか。

「左右非対称のフロントタイヤはよく作動していたのですが、レース中に温度条件が一気に下がっていき、おそらくそれが一因になったのだと思われます。このフロントタイヤを使用していた選手たちは、おそらく同様の理由でいきなり予想しない形での転倒を喫しています。マルクの走行データを確認してみたところ、その前の周回と比べてなにも変わったことはしていません。それでも、転倒をしてしまったのです」

−今回のレース結果を受けて、コンストラクターズタイトルとチームタイトルが非常に接近した戦いになってきました。残り2戦で、この両タイトルを奪取できますか?

「もちろん我々はそのつもりでいますし、そのために全力を集中して残りの2戦に取り組む覚悟です。マレーシアのセパン・サーキットとバレンシアのリカルド・トルモ・サーキットは、いずれもHondaのマシンと相性がよく、過去にも数々の良好な成績を残しています。2014年シーズンも残りわずかとなりましたが、我々はこの2戦にライダーとチームの総力を結集して、レースに臨みます。皆さまからの熱い応援を、引き続きよろしくお願い申し上げます」

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