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HRCチーム代表 リビオ・スッポ 現場レポート

vol.121

激戦のシルバーストーンを制したマルケスがシーズン11勝目を達成

第12戦イギリスGPの舞台は、全長5.9kmのシルバーストーン・サーキット。全18戦中で最長のコースで、シーズン屈指のハイスピードコースです。2010年から当地で開催されていますが、2011年にケーシー・ストーナーが優勝した以外は、ライバル陣営に勝てないレースが続いてきました。昨年も、Repsol Honda Teamのマルク・マルケスが最終ラップの最終コーナーまで激しい優勝争いを繰り広げましたが、0.081秒差で2位に甘んじてしまいました。しかし、今年はマルケスが昨年のリベンジを見事に果たし、ライバルとの激戦を制してシーズン11勝目を達成しました。チームメートのダニ・ペドロサも、最後まで三つ巴の激しい3位争いを続け、僅差の4位でチェッカー。13ポイントを獲得して年間ランキング2位のポジションを守り抜きました。金曜のフリープラクティスから日曜の決勝レースまで、強力なライバル陣営とし烈な戦いを制したこの週末の展開を、チーム代表のリビオ・スッポが振り返ります。

−シルバーストーンの決勝レースは、ホルヘ・ロレンソ選手(ヤマハ)とマルケス選手の激しいバトルが続きましたが、最後はマルケス選手がその戦いを制しました。

「すばらしいレースでしたね。2012年のチャンピオンと2013年のチャンピオンが真っ向からぶつかり合う見事な勝負で、世界中のレースファンの方々がこの戦いを堪能されたと思います。昨年も、ここシルバーストーンサーキットではロレンソ選手とマルクが激烈なバトルを展開しました。でも、私としては今年のレースのようなエンディングのほうが望ましいですね!」

−ペドロサ選手と、バレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(ドゥカティ)も、激しい3位争いの戦いを最終ラップの最終コーナーまで続けました。

「優勝争いの2台には届きませんでしたが、彼ら3選手も見事なバトルを続けていました。3メーカーのファクトリーライダーたちが、緊張感に満ちたフェアな戦いを最後まで続ける姿は、見ていても気持ちがいいですね」

−ペドロサ選手はレース後に、「マシンセットアップで妥協できるところを見つけてレースに臨んだ」と話していました。レース序盤は彼本来の速さではなかったようですが、次第にリズムを取り戻し、中盤以降はどんどんペースを上げて強さを発揮していきました。結果的に、いい方向に進んだと言えそうですか?

「ダニはとてもよくがんばってくれたし、チームもすばらしい仕事をしてくれたと思います。それでも、前戦のブルノで優勝を飾ったときほどの強さを、今回のレースでは発揮することができませんでした。このコースとダニのライディングスタイルは、あまり相性がよくなかったのかもしれませんね」

−今回がホームGPだったスコット・レディング選手は、Honda市販レーサーのRCV1000Rで目をみはるような走りを披露していました。フリープラクティスから速さを見せ、決勝レースも10位でRCV1000Rの最上位。マシンとブリヂストンタイヤのコツをつかみつつある、と言えそうですか?

「今回のレースでは、スコットは活躍してくれましたね。開幕当初と現在の彼を比べると、大きな成長を遂げ、彼本来の持ち味と能力を順調に発揮しています。スコットは今後もこの調子で、さらに活躍を続けてほしいと思います」

−次戦の舞台はサンマリノGPです。どんな戦いになりそうでしょうか。

「予測は困難ですね。サンマリノGPでは、ロレンソ選手が2011年以降3年連続で勝ち続けていますが、2010年にはダニがポール・トゥ・フィニッシュで優勝を達成しています。したがって、今年のレースもまた、激しいバトルが繰り広げられることになるでしょう。第13戦でもHonda勢の選手が優勝して、開幕戦以来の連勝記録をさらに伸ばしてほしいと思います。そのためにも、我々は次のレースも全力で最後まで戦い抜きます。皆さまも、引き続き熱いご声援を、どうかよろしくお願いいたします」

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